北野颯太を考える
開幕まで1ヶ月を切ったJ1リーグ、今季"リーグ優勝"を明確に宣言したセレッソ大阪。昨季の戦力はほぼ残留、パリ世代の現代型SB奥田、田中(札幌)・登里(川崎)・平野(浦和)ら即戦力級3名、新たな外国籍アタッカー2名を新戦力として迎えクラブ設立30周年に目標達成を目指せるだけの編成を揃えたといえるだろう。
そんな中で筆者が注目していきたいプレイヤーが北野颯太である。半年後には20歳を迎える彼も今季でプロ3年目となる。同世代の国内外での活躍、ステップアップは彼にとって刺激になっていることだろう。世界へ羽ばたいていくためにもここでひとつ結果を、と願っているサポーターも少なくないのではないだろうか。もちろん私もその一人である。
2023シーズンを振り返る
今季を考える前にまずは昨季を振り返る。
スタッツは以下の通り↓
リーグ戦においては開幕スタメン奪取(H新潟)、待望だったエモーショナルなJ1リーグ初得点(H神戸)、リーグ屈指のCB中谷をだし抜いて奪ってみせたゴール(H名古屋)など印象に残る瞬間はいくつかあった。常にゴールを見据えながらその中で見せる非凡なプレーは彼の魅力のひとつだといえるだろう。
シーズン中はジョーカーとしての役割が主だったもののA神戸戦ではスタメン抜擢と監督からの期待を受けての起用もあったが応えられなかった。チャンスを与えられるだけ信頼があるということはポジティブだが結果を出せなかった。チームとしても上手くいかなかった終盤戦には自身がプロになって初めての長期離脱(右膝半月板損傷)もあり、1年目よりもプレータイムを伸ばせず悔しいシーズンに終わってしまった。
代表活動において記憶に残っているのは日本の10番を背負って挑んだU20アジア杯。2列目ではチャンスメイク、右サイドでは突破力も見せた。U20W杯出場権を懸けたヨルダン戦では1アシストを含む2得点を演出。チームとしてはベスト4、個人としては無得点で終わった悔しさはあるにせよ存在感を示した選手の1人だった。
一方で自身そして世代にとって初の世界大会となったU20W杯では、世界との差を痛感させられる結果に。それでも今大会を経験として活かしていくしかない。まだ未来を期待できるのがここまでの彼の才能と努力の結果である。
新シーズンに向けて
433のシステムではCF・LWGでの出場が予想される今季。
出場機会を争うライバルはこちら(成績は昨季のもの)↓
セレッソとしては昨季久しぶりとなる二桁得点者が生まれたものの、彼に次ぐストライカーが生まれなかったのは総力が求められるリーグ戦での戦いを難しくしてしまった原因のひとつだろう。迎える今季の補強としては期限付きからの復帰となる山田のみ、25年加入内定の古山の実力が未知数なことを考えると陣容に大きな変化はなく、ベースは昨季のままという印象。
あくまでセレッソが433をベースにするのならば北野はかなり厳しい状況にある。それは前線の役割が個の質に依存するからである。CFは保持ではDFラインを押し下げながらターゲットとしてボールを背負う、何よりゴールを奪う役割の中でレオセアラや渡邉が適任だろう。非保持ではトランジションを含む前線からのプレスにおいて上門の献身性が評価されるだろう。WGは大外で質を押し付ける、上下の動きをサボらず行う役割として外国籍プレーヤーと比べると物足りない。ここを北野が担保ができるかと言われるとなんとも言えないのが現実である。
そんな彼がメンバーに食い込んでいくために筆者がひとつの可能性として期待しているのが中盤化できるLWGである。主にハーフレーンが主戦場になり、イメージとしては22/23シーズンのバルセロナのLWG辺りかなと。代表での南野左サイド起用みたいになる不安はあるが、、
IHが列を落としてアンカーに対して平行にサポート、順足のLSBを大外に置くことによってWGの位置をハーフレーンに。この方が大外で張るよりもゴールに近づきより彼の個性を活かされると考えている。ライン間に顔を出してターン、食いついてくれば背後のスペースに、密集地帯でCF・2列目とのコミュニケーション等クイックネスや創造性を活かしたプレーに期待したい。そのためにはライン間での顔の出し方や非保持でのWGとしての貢献の部分で課題はあるだろうが、それについては先輩のプレーから学び盗むことができるこの環境を使わない手はない。優勝を目指すチームに在籍できるのは選手として貴重なことである。
本音を言えば4231のトップ下で使って欲しいし、上門や渡邉あたりと2トップを組んで前から追いかける姿も見てみたいがチームとしてそんな柔軟にやり方を変えれる段階でもないのでいつか見たいなぐらいで期待していたいと思う。
最後に
そもそもこうしてこのnoteを書いている理由は2024シーズンが終わる時、彼がどうなっているのかを自分で見比べたいためである。海の向こうから熱視線が届いているかもしれないし、国内の違うカテゴリーで別のユニフォームを着ているのかもしれない。個人的には桜色のユニフォームを着て自他共に順風満帆だったと言えるようなものになればと願い、信じている。
まずは焦らず復帰に向けて一つひとつのプログラムをクリアしていく、プレーに対する不安を一つずつ取り除いていく段階だ。来たるその時に向けていい準備をしていきたい。
ここまでたどり着いた方には感謝を
ありがとうございます
シーズン終了後の答え合わせをひとつの楽しみに🌸
2024-02-11 Ru_ta
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