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温声知新 プロモーションMIX 解説

声優楽曲DJパーティー 温声知新 のプロモーション企画で、
『一年の詩 ~声優楽曲のための』というミックステープを制作しました。

タイトルの元ネタはもちろん某アニメの劇中曲。
選曲に拘ってみたので、少し答え合わせ的な解説をしようと思います。

Mixcloudリンク、Xポストはこちら。

右下に "親の顔より見たベンチ" が見えます

一年間の季節の流れを40分程度の声優楽曲オンリーMIXにまとめる、という難しいテーマに挑戦しました。

意識したこと
・季節の順番通りに季節感のある楽曲をかける
・急展開は避け、グラデーションのように緩やかな変化
・なるべくアコースティックに、生音寄りに選曲

以下、トラックリストと選曲解説です。
曲名の後にイメージした季節を月単位で入れました。

読みづらいトラックリストで気に入ってます。写真は宇治橋から上流側

1.春よ、来い - Springs 【3月】

春を心待ちにする曲だからこそ、最初に相応しかったと思います。
また、温故知新の心を表す選曲でもあります。

2.Wherever - 鈴木みのり 【3月】

とめどない出逢い別れ 繰り返すなんのため
溢れる涙 頬触れる風が

夏リリースのシングル曲ですが、3rdAL「fruitful spring」に収録。
出会いと別れの季節に合いそうな歌詞だったので。

3.桜きみに咲きますように - 丹下桜 【4月】

桜といえば、みたいな声優さんと曲です。

4.花の雨 - 上田麗奈 【4月】

春が特別好きなわけじゃないのに
君と見たあの桜だけは覚えている

「花の雨」が桜の雨であったことが想像できます。
ある人と春との別れの歌であり、春から夏への導入にぴったりな選曲でした。

5.山荷葉 - 楠木ともり 【5月】

初夏から梅雨にかけて咲く山荷葉。
その花言葉は「愛の告白」です。

イメージソング的な意図で入れました。
つまり、そういうことです。

6.通り雨drop - 宮本るり (内山夕実) 【6月】

雨にまつわる曲を一曲。
サビ入りの音がちょっと違うけどTVサイズEDITです。

7.passport - harmoe 【6月】

今日も見ていたいの 水槽の中 雨降りで
こんなに僕ら自由なのに いつまでたっても変わらないな

ここまで透明感のある電子音中心の梅雨パートでした。

この後ハウスとかバリバリ踊れる感じに持っていくプランもあったけど、
コンセプトからずれそうなので敢えて避けました。

8.海辺で逢いましょう - 小松未可子 【7月】

足を触る波はまだ冷たいのかな
確かめに行きたい気持ちは
まるで、コイノハジマリ。

この歌詞から梅雨明け、夏の序盤とイメージしました。
夏パートに一曲は海にまつわる曲を入れたかった。

9.7月のPLAY - 大塚紗英 【7月】

まだ湿度の残っている7月です。
はっきり7月ってタイトルに入っていて助かる。

10.追憶のアリア - Blanc Bunny Bandit 【8月】

「バンめし♪ ふるさとグランプリ ROUND2 ~夏の陣~」に収録。
吉廻千代の誕生日にもちなんでおり、8月序盤の曲としました。

この曲について、良い記事があったので紹介します。
ひなビタ、バンめしのオタクは何故かこういう方が多い気がします。

11.八月のスーベニア - 水瀬いのり 【8月】

ガーベラの花言葉は「希望」「前向き」らしいです。
サウンド的にもカラッと晴れた8月。

12.夏は短し、恋せよ乙女 - 堀江由衣 【8月】

今年の夏も終わりそうだ 膨らみかけた線香花火
パチンと消えた

音が消える必然性のある曲。
そろそろテンポを変えたいな、というタイミングでした。

13.夏休みの宿題 - 牧野由依 【9月】

花火が弾ける音だけが聞こえる状態からストリングスで入ります。
ここから秋パート。

夏休みの宿題は 今もわからないままだよ
風に揺れる並木通り 檸檬の匂いの忘れもの

檸檬は夏に花を咲かせ、秋に実る果実で、秋の季語です。

14.スイーツガールの唯我論 - 藤東知夏 【9月】

少し季節感の薄めな選曲です。
スイーツの語感と人生の秋を憂う曲、という意味を込めて。

15.パレット - 斉藤壮馬 【10月】

9月末リリース、夏と秋の間の季節感。
作詞もされている斉藤壮馬さんのインタビューを見ると、彼の秋に対する価値観と文学への造詣が感じられます。

歌詞に関しては、僕の好きな太宰治の掌編小説『ア、秋』の影響が色濃くて。“秋は、ずるい悪魔だ。夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる。”と書いている太宰に対して、夏の気配が秋に溶け込んでしまうのが寂しいと思っていたけど、季節は巡ってまた夏という季節に出会える、と僕は書いているんですけどね。

https://music.fanplus.co.jp/special/publicEntrySP.php?article_id=20200915888ca508b


16.MIRAILIGHT - 兵頭十座 (武内駿輔) 【11月】

バンドサウンドは残しつつハーフに落とします。

季節と言えば、1曲はA3!を入れたいと思っていたので「A3! SUNNY AUTUMN EP」より。
季節感のある曲ではないのですが、秋の曲はとにかく少ないので助けられました。

17.秋いろツイード - Run Girls, Run! 【11月】

門限のように破れない壁、その向こうにある憧れ。
この後に、恋愛曲だらけの冬パートが待ち受けていることを考えると、意味のあるポジションだった気がします。

18.homemade christmas - 坂本真綾 【12月】

ここから冬パートです。
コード的にも音的にも自然な入り方になりました。

19.冬のダービーレース - 高橋美佳子 【12月】

松原憲プロデュース、声優楽曲的には定番アルバムの「超プラドル」より。
こちらもクリスマスにちなんだ曲です。

20.素敵な夜に~In the Snow Land~ - 笠原弘子 【12月】

3連続でクリスマスソングになってしまいました。
クリスマスと無関係な冬曲って案外少ないのかも。

あと、他の季節であまりかけてないレアグルーヴをかけたい、というのが冬パートの裏テーマでした。

21.Misty Frosty Love - 桜内梨子(逢田梨香子), 渡辺曜(斉藤朱夏) 【1月】

ミックス開始の1小節前に半音上げ。
2000年代曲と音の相性が良すぎて驚きます。

温声知新の冬アンセムでもあります。
毎年聴けるといいですね。

22.チョコレートコスモス - 飯塚雅弓 【2月】

茶色い花からチョコの匂いがする “チョコレートコスモス”
バレンタインの頃には咲くことができずに春を待つ花

チョコレートコスモスは春と秋に咲きますが、飯塚雅弓さんの曲では春に咲く花として歌われています。
バレンタインを想起させ、冬と春の繋ぎとして最適な選曲でした。

23.音色の彼方 - 北宇治カルテット 【3月】

季節感のある曲ではありませんが、MIXタイトルの元ネタにちなんで、
このストーリーを締めるために入れました。

24.春待ち風 - 牧野由依 【3月】

長い 長い 季節が 終わればまた始まる
春待ち風 吹いたら それぞれのストーリー

一年の詩は、「春待ち風」をかけるためのテーマだったのかもしれません。
イメージソング的な選曲でした。

春に戻って終了です。
お聞きいただき、ありがとうございました。

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