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私、お姫様になりたいんだ

急にどうした?というタイトルですが、大丈夫です。私は(多分)正気です。

さて、表題の件。急に何があった?!って感じですよね。判ります。私も大丈夫か自分?ってちゃんと思えてます。でもきっと気持ちの奥底を覗くときっと私、お姫様になりたいんです。

過去の自分はいつも、自分の中にある「こうあるべき」や「下らないプライド」で作られていたように思います。花の女子大生になった時は、お化粧やファッションにうつつをぬかしたり、他校の男性と遊んでるような下らない女性だと思われたくない(本当はやってみたいのに怖かっただけ)とか、ミーハーなくせに周りと同じような格好をするのが嫌だとか、20代後半になればもうミニスカートはおかしいんだとか、30代に入ればこのブランドから卒業していなければならないとか。周りの友人に聞いた訳ではなく、何となくの聞きかじりの情報とか、たまに読むファッション誌とか、テレビとか、そういうふわっとした媒体のどうでも良い知識に邪魔されたり、つまらない小さなプライドもどきが越えられなかったりして、沢山の機会を逃してきました。

私はビックリするくらいミーハーなので「みんなが持ってる」とか「流行ってる」なんて言葉にとても乗りやすく、それが良いものか自分が本当に好きかは別問題として飛びつきたくなります。なのでわかりやすくあの頃流行ったよねって言う情報は全部覚えているのに、それにちゃんと正しく流行った当時に乗っかった記憶がありません。流行大好きなくせに乗っかる自分を冷めて見てるのです。今考えると本当にもったいないしその天邪鬼ほど下らないのに。

それを最初に覆したのは自分の教え子でした。私は20代後半から30代初期にかけて学生を教える立場にあって、中学生や高校生の女子生徒たちと共に生活をしていました。お洒落に夢中で私よりお化粧品やネイルやファッションについて詳しい彼女たちの話題を「可愛いね」「良いなぁ」などと聞いていたら「先生もしたら良いのに」ってある生徒がさらっと言ったんです。その時は高校生が望むような物を自分なんかがって、また例のくだらない自己否定が出たのですが、その子と周りの子たちはあれよあれよと手元に持ってるあらゆる種類のつけ爪(言っておきますが、生徒たちはメイクもネイルも基本は禁止です。でも日々ガス抜きしないと爆発するくらい厳しい規則の中にいたので先生側は余程のことがない限り目をつぶっています。)を持ち出して、そんなことをやったこともない私の手にあぁでもないこうでもないと合わせ始めあっという間に、私がずっと憧れていたようなとっても可愛らしいネイルを付けてくれたのです。

多分その時、私の顔はわかりやすく「パァァァ!!」って感じで輝いたんじゃないかな?って今なら容易に想像できます。そのくらい、自分の爪が可愛らしくなることが本当に嬉しかったです。最初に爪を付けることを提案したその子は、その後どこにそれらが安く売っているのか、何を使えば長持ちするかなども全部丁寧に教えてくれましたし、他にも若い子の間で流行ってるけれど手が出なかったブランド(自分はもう三十路だから…と憧れてることを話せもしなかった)や、それこそツケマのようなメイクグッズや、プリクラや、私がずっとずっと通りたかったけれど諦めて来た沢山の事を教えて経験させてくれました。その子のマインドはいつも「やってみたら良いですよ」でしたし、私が周りからどう見られるか悩むと「周りなんて気にしなくて良いです。似合ってますから。」って自信を沢山くれました。そして1番凄いと思ったのは、彼女は決して私の願望をバカにしたり笑わなかったことです。もしあの時に「良いなぁ。やってみたかったな。」と言ったことを笑われていたら、私は絶対に乗り出せなかったし「やりたかったなら今、やりましょう。」って向き合ってくれたのって本当に凄いと思ってます。

その子のおかげで、私はその頃少し遅れて流行の中にいられました。本当に楽しかったです。そしてそうやって流行ってる、皆が持ってるという物に触れたからこそ、そんな中でもやはり自分はこっちが好きとか言うこだわりも生まれました。

それから月日が経つ中で元の考えはあまり変えられず、自分に対して言い訳をつけたりべき論を出したりしてまた流行っているものに乗れない時期があった後で、やっと私は考えを整理することが出来たように思います。

どんなにつまらない自己否定をしても、こうあるべきだと思ったとしても、望むファッションや望む姿はやってみよう。だって自分の人生で1番若いのは今この瞬間だし、結局自分の思考パターンとしてはまた何年も経ってから後悔するに決まってるし、やらずに悩むのは無駄だから。そう割り切るようにしました。

ここで冒頭のお姫様が出てきます。私は姿形を可愛らしく美しくして、ドレスのようなお洋服を着たお姫様になりたいんです。まだ幼ければ絶対にディズニーホテルのお姫様に変身できるサロンを予約したいですが、大人になるとそうもいかないので、叶え方は別にしなくてはなりません。少し前に長年憧れていた舞妓さん体験はしました。それだって10年くらい前からもう年だし…って諦めてましたが、その頃にやっていたら少なくとも今より10年は若かった訳ですし、それからずっと願望は消えてなかったので思い立って出来て良かったです。近くで鏡を見たら、少し肌のことでがっかりしなかったでもないですが、今どきのカメラと加工技術は凄いのでノープロブレムです。

宝塚の変身写真館も30代になってから体験しました。またやってみたいお衣装は沢山あります。花魁体験も、一般の変身写真も、台湾の本格的な変身スタジオでの撮影も全部してみたいです。

そして…私はウェディングドレスを着たいです。昔々女性はクリスマスケーキと一緒で25歳過ぎたら売れ残り、30歳過ぎたら白を着るなんて厚かましいとまで言われた時代に生きました。だから自分でブレーキをかけたけれど、そういうことを言う他人に自分の評価も人生も決められてたまるかってやっと思えますし、社会一般がどうであっても、私が着たい気持ちは変えられないので、絶対に叶えようと思います。

これまでは着るものやメイクやそういった外見のお話メインでしましたが、これは内面にも通じるものがあると考えます。

私は自覚があるくらい、精神年齢もとても幼いです。クールな大人の女性って年齢重ねたら誰でもなれると勘違いしてましたが、私はいくつになってもそうなれず、今でも助手席から飛行機が見えたら大騒ぎですし、楽しいものや可愛らしいものを「みてみて!」ってなってしまいます(お母さんに何でも見てほしい子どもかって、自分でもたまに突っ込みます)それをセーブしようとも思ったのですが…それだって年相応の大人はこうするべきだからにとらわれてるだけで、本当の自分ではないし、そもそも誰かのために抑えるものでもないかと思うのです。もしそれが誰かの心や身体を深く傷付けるものでないのなら、私は知らない誰かの評価や自分自身のつまらない「こうあるべき」だけにとらわれるのをやめてみよう、そう思ってます。

さて、お姫様になるのはわかったとして…私の白馬の王子様はどちらにいらっしゃるのでしょう?こればかりはお相手のあること。私はずぅっと探しております。

追記:以前、飲みの席でどういう方が理想かのお話をしていたら、ある方に「あぁ、要するに白馬の王子様が現れて欲しいってことね」と言われ、真顔で「いやいや。成人男性が白タイツでかぼちゃパンツ履いてるとかないわぁってなるし、絶対に白タイツからすね毛出てたら萎えるし、金髪長髪巻毛似合うとかなかなかないから確実似合わないの確定だし、しかも日本の公道で馬で迎えに来るとか迷惑だし」とやや早口で返したら「そういう事でなくてね…」と言われ自分の斜め上な勘違いに気付きました。ごめんなさい。王子というと急に頭の中白タイツしか出てこない初期ベルばら世代です。

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