もう12年、まだ12年のような気もするのですが、やっぱり3月11日のことは昨日のことのように鮮明に覚えています。
あの日は「死にたくない」と本気で思いながらも、人の手で止めることができない揺れの中を、今はもう無い実家の自室で震えながら布団をかぶっていました。
「死んじゃうのかな」
「もう止まらないのかな」
「あ、テレビがテーブルの上のパソコンに落ちたけど、もうどうもできないや」。
脳内でずっと自分一人で喋っていても、全然揺れは止まらなくて、本能なのかわからないけれども、部屋の壁を押さえて揺れを止めようともしていました。
幸い、生きていることができたけれども、そこから1か月は
「こんなにも普通に生活できていたことが幸せだったとは」と気づかされることがたくさんありました。
でも、あれから12年過ぎた私は、今ある生活に、時に不満を言い、わがままを言い、人を困らせたり、自分を責めたり……。
けれど、毎年3月11日が迫ってくると、そういう不平不満が一旦リセットされて「生きるってすごいことよね」と思うようになったのです。
「生きているってすごいね」
「ご飯食べれているってすごいね」
「朝起きれるようになったって、すごいね」。
その時刻が迫ると、もちろんドキドキするし、ハラハラもするのですが、最近は
「うん、感謝だな、毎日に。」
と、振り返る日にもなっています。
そして
「もっと私にも何かできないかな?」とも考えるようになってきました。
なので
「今できることを、精一杯やろう」と思います。