今見えているものは、幼い頃の景色に似ている。
幼い頃から慣れた街。
それが、地元。
安心できる感覚ではないけれども
慣れている感覚はある。
幼い頃に、見えていたもの。
幼い頃は、まだワガママも言っていたし、拗ねることも多かった。
けれども、どこかで我慢をして
「早く大人になりたいな。」
そう思っていたかも。
見えていた景色は、どちらかといえば
キラキラして、あまり絶望を感じることはなかった。
それが、いつしかキラキラしていた景色が、くすみ始めて、朝起きたときから、うんざりするようになったのは……目に留まるものが、嫌なこと、見たくないもの、感じたくないこと。
そればかりに、気が取られるようになった。
悪いと思っていた方が、楽。
何かしらにつけて、悪いと思うことや、ネガティブに捉えることの方が、都合がよかったのかも。
その方が、自分を下に見なくて済んだ。
「悪いんだから、どうせ悪いんだから、これでいいんだって。」と、ずーっと呪いのように、繰り返してた感じ。
本当の絶望は、絶望的だった。
希望は捨てない。
笑われるような信念でも、私にとっては希望。
人を信じられないならば、自分だけを信じる。
それでもいい。
それでも、私の希望。
だから、私が人生のどん底と思っていても、それは絶望ではなく、絶望的になっていただけ。
独りよがり……って言うんだよな。
今、見えているもの。
幼い頃の、見えていた景色にとても似ている。
真っ直ぐで、疑いがなく、けれども違和感があれば、ちゃんと止まる。
本能の赴くままに、笑って泣いて、楽しんでいた、そのままの私が、目に留まるものは、変化したなという喜びと、これで間違いではないという確信。
また、この土地を離れる前に、感じておこう。
私の変化と、そのままの自分を。