オジサン、高校教師になる
スピンオフ~第1弾~メンバーシップ限定
~あの夏の試合~
雲一つない初夏の野球場のライトスタンドに向けて、見たことのないきれいな放物線で白球は吸い込まれていった。
一瞬の静寂ののち、球場には歓声が響き渡った。
起死回生の1打で私たちのベンチは盛り上がり、頼れる4番バッターを迎えるためにベンチを飛び出した。
この回に点数が入らないとコールドゲームで敗退。私たちの夏が終わるという場面での一発だった。ゆっくりとダイヤモンドを回る4番打者。
ホームベースを踏んでこちらに笑顔で向かってきたとき、不愛想でいつも怒っている監督もベンチから出てきた。
監督の前に来るときは、ヘルメットや帽子を取るのが野球人の癖である。
その時も例外ではなく、帰ってきた4番打者は監督の前でヘルメットを取った。
次の瞬間だった。
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