見出し画像

「舞台『刀剣乱舞』 心伝 つけたり奇譚の走馬灯」を観て思いを馳せた話

終わってしまった「舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯」
今作で初めて刀ステを現地体験したオタクの備忘録的叫び(感想)です。
めちゃくちゃ長いので目次で飛ばし推奨、、


私の刀剣乱舞とのこれまで

▶アプリゲーム「刀剣乱舞」

刀剣乱舞はアプリリリース初期にDLし、数珠丸顕現まで真面目にプレイした記憶。
スマホ容量問題と作業ゲーが続かない質なのもあり、本当に初期で止まっている…少し前に再開しようと思ったら我本丸に帰れず1からになりました……
声優の増田俊樹さんが好きな為、アニメシリーズは映画も含めて全部履修済
といった振り返ると思った以上に割と浅めの状態だった

初期刀は加州清光。
推し刀は加州清光、小夜左文字、南泉一文字。あと多分火車切好きだと思う(アニメ未登場&ゲームで顕現できていない為まだ未知)完全に刀派無視状態

▶舞台「刀剣乱舞」

友人たちに何人か刀ミュ刀ステにハマっている人達がいたため、XのTLで写真などはよくみてた。
衣装さんメイクさんのお仕事が秀逸で総じてビジュが素晴らしいので気になってはいたものの、当落日になると討死報告がわんさかでる地獄絵図をみていたのもあり該当になりたくないと震えているタイトルでもあった。。
友人に勧められて(たしか)虚伝のDVDはみせてもらっていた(鶴丸おはぎ祭り)
今回早乙女友貴さんが出演されるということで初現地。まさか歴史上人物で該当になる日がくるとは夢にも思わなかったよ…

舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯を観て

せっかくの刀ステとのご縁と勇んで今回初現地観劇東京から大阪を渡り歩き福岡前楽配信、大千穐楽ライビュまで期間いっぱい観れるだけ観た。観るたびに少しずつ受け取るものが変わり、毎度泣きながらの観劇だった。。

▶刀剣男士について

全員初めましてでした。ビジュアルは刀ステ安定の最高ビジュのオンパレード。実力派が揃ってるなぁという印象だった

―大和守安定 植田圭輔さん
お噂はかねがね…!くちまるは見た事があって、トークが抜群にうまいという事は知っていた。まわりから「植田圭輔はやばい」と前評判(?)はかねがね聞いてはいたけど、実際にやばかった…!!
ふんわりした空気を纏って真面目さがありつつ、戦闘ではオラオラがでる。安定だーーい!!
そしてなにより49公演もの長丁場、1日2公演の日もあるのに常にぐしょぐしょ(褒めてる)大きな感情曲線を周りのその日の状態に合わせながら安定して出力できる実力は本当にすごい。
感情を思いっきり表に出せる安定。一番ワァワァしてるようで実は本作の沖田組のバランスを調整していたのは安定だと思ってる。安定感パない。
松田凌さんが安定は植田圭輔しかいないと言っていたのも頷ける。沖田組の扇舞もアドリブぶっ放す2人とは違い基本に忠実なところも大変良かった。
理想的な加州清光の相方、大和守安定だった!

―和泉守兼定 田淵塁生さん
総じて漢気を感じる台詞回し、真っすぐ曲がらない姿勢が土方歳三の刀然とした兼定だった!
「見た目だけじゃ話にならねぇ、実用性一辺倒じゃ華がねぇ」
真っすぐ前を見据える華やいだ表情の視線が印象的な一方で、島原の宴会シーンでは少し子どもっぽさというかを出していて、本作ほとんど緊張感を保ったままの土方歳三の別の面を兼定が出しているようで良かった。俺様のファン、増えちまうな!

―堀川国広 小西詠斗さん
この方、めちゃくちゃ動ける…!!
立ち回りを見てめっちゃ驚いた。めちゃくちゃ身軽!体幹すごい!
動き一つ一つが華麗でまさに「実用性一辺倒じゃ華がねぇ」と言った土方歳三の刀だなとその動きから感じられた。
とにかく可愛い!けど可愛いだけじゃない堀川国広そのものだった。

―長曾祢虎徹 松田岳さん
虎徹らしいいい身体…!ぶっちゃけ最初筋肉スーツかと思ったくらいとても綺麗に仕上げてらっしゃり驚いてめちゃくちゃオペラで凝視してしまった。
落ち着いた地に足付いたような優しいセリフ回しが印象的で、派手な感情のふり幅が無い虎徹で噛みしめるような表情に見える心の機微がとても良かった…!

―孫六兼元 砂川脩弥さん
顔が…!顔が良い…!!
孫六兼元自体が初めましてで最初とにかく顔の良さに釘付け。
原作絵そのものでは…!?そして声も良い…!
一言が長めで言い回しが独特のセリフが多かったけど、とても安定感があった。キャラの性格が把握できてないのだけど、落ち着いた雰囲気が佇まいからも出てて所謂正統派イケメン感がバシバシ。
大千穐楽のカテコを見てご本人とてもチャーミングな方だなぁとニコニコで見てました。

―監査官(一文字則宗) 内藤大希さん
キャラクターとしても初めましての監査官。
え、喉に関俊彦を飼っていらっしゃる…?と思うほど。すごい難しいことを全公演通して安定してやっていらっしゃるのすごいな!?となっておりました。

―加州清光 松田凌さん
加州清光を演じてくれて本当に本当にありがとうございます…!!!
こんなに2次元のキャラクターが目の前にいる、という感覚になったのは初めてかもしれない。表情、しぐさ、少し内股気味な足運び、衣装の翻し方、なにより、セリフ回しが最高に加州清光だった…!前述の通り増田俊樹さんのファンな為、原作の加州清光のセリフ回しが耳に染みついているのだけど、ところどころに出る少しこもったような言い方、独特な語尾のイントネーションとか随所に加州清光みを感じて、そういったセリフ回しを感じる度に研究してくれたんだろうなと思って心の中で「ありがとう」って感謝の気持ちが溢れてた。ツンとデレの塩梅とデレの出し方がめちゃくちゃ良かった……うっ……ありがとう……(何回も言う)

▶本編ストーリーについて

様々な物語がまさにつけたりされ、多くの人に愛されている新選組。私は史実の新選組に詳しいわけじゃないけど、それでも長いオタク人生様々なつけたりに触れる機会はあった。
そんな新選組の物語を舞台で紡ぐにあたって「走馬灯」という形で時系列関係なく、見せたいシーンを違和感なくみせたこの構成は本当に素晴らしかった…!!

本編を通してすごく好きな言葉があって、兼定が言った

「近藤勇という男の人生を侮辱する事は、その背中を追った全ての者たちを侮辱する事に他ならない」

和泉守兼定

この物語は沖田組がメインのようで、土台はやっぱり近藤勇の生き様にあったように思う。
佐々木さん演じる近藤勇がカラっと晴れやかで、
「俺は贋作だ」という虎徹に「だからどうした!お前が名刀であることになんら疑いはない。俺にとってはお前が本物だ!」と即座にゆるぎなく真っすぐ言ったところからも芯の通った大きな人柄で、それを感じることができるからこそ、沖田くんや土方さんが語る「新選組」が、「夢」が、どういったものなのか愛したものの輪郭がハッキリ見えていたように思う。このセリフに今みている物語の本流が見えるようでとても好きだった。

▶本編中の「言葉」について

そして本編中様々な人物のセリフに共通して出てくる言葉がいくつかあって、その言葉の散りばめ方が本当に素敵ですごいなと思ってた。

一、【 夢 】
「あの日の、試衛館でを語った近藤勇の最後が…そんな哀れなものであってはならない!」
山南さんの悲痛な叫びから始まる改変。「夢」という言葉はここから始まり、新撰組メンバーから主に語られる言葉になっていて、そのほとんどが各々の愛刀との会話で出てくるのも何だか胸にくるものがあった…


加州「この改変の目的!」
沖田「それはです」
加州「夢?」
沖田「私たちはまだの途中ですから」

齋藤「折るには惜しい刀だ。だがこれも全てはの為に」
孫六「そうか、夢か。こう見えて俺は読書家でね。これまで多くの新選組の物語を目にしてきた。主が俺に出会わせたかったのはあんた達の新選組か!」

近藤「お前が名刀であることになんら疑いはない。俺にとってはお前が本物だ!長曾根虎徹よ、お前が俺のだ」
長曾祢「俺があんたの夢…?」

土方「近藤さんの最後知った山南が何を思ったのかはわかる。何もかもがの為だ」
堀川「夢の為…?」
土方「武士になるって夢だ


それぞれの刀剣男士たちがそれぞれの元主から改変の真意を知って、それぞれの葛藤と向き合ってるのもまたさ〜〜〜〜

そしてオーラス近藤勇の最後のシーン
試衛館時代の走馬灯で夢を語り
「刀剣男士よ!お前たちのおかげで、俺の夢がかなった!礼を言うぞ」
って言うの、冒頭の山南さんの台詞から始まった改変の物語が帰結した台詞だなと思った。試衛館で夢を語って武士として最期を迎える。

脚本がすごすぎる……そんでもって新選組のみんなが言う「夢」とは何なのか、言葉にしてハッキリ言うの最終決戦前の土方さんなんですよね。
近藤さんは「武士として"死にたい"」的なことは口にしてなくて、

「俺もお前たちもみんなで武士になるんだ!」
「お前たちも付き合ってくれるか。俺の夢に」

って言ったこの言葉に、この言葉を言った男の背中をみんなが追っただけなんだよね。そしてその中で生き残った土方さんの最後の言葉は「生きているうちはどこまで行こうと夢の途中だ」なの、末満さんすごすぎだよーー!!もう脱帽、、脱ぎすぎてハゲそう……

生きてるうちは夢の途中「武士として生きて死んでいくってのは簡単じゃねぇ」って土方さんの台詞にもある通り「武士になるという夢」は「武士として死ぬこと」までがその夢ってことで、、、
武士として、生きる為に振るった愛刀たちにその夢を語って、結果として改変された物語で夢を叶えてくれたのは刀剣男士たちだったんだよね。
その辺は山南さんは見越してたかはわからないけど、沖田くんは割と最初からそのつもりだったんじゃないかなぁって思う。
「生きる為に戦います」と安定に言いつつ、永倉さんには「あたらしい時代に伝えて下さい。新選組の顛末を。私たちがどうやって生き、死んでいったのかを」って最終決戦前にすでに言ってるし、沖田くんは刀剣男士が来て以降常にその瞬間を、最後の舞台を自ら用意しに行ってるよね……うあぁ……

二、【 愛 】
監査官「刀剣男士の強さ、それは愛よ!」
声高らかに発せられた台詞からテーマのひとつと印象付けられた「愛」
そのほとんどが本作の主演である愛されるということに人一倍敏感な加州のシーンで出てくるのもやっぱり意図的です……よね……はぅあ………


加州「強さとは愛ってやつ?」
監査官「愛こそは我らを縛る鎖よ」
加州「愛こそ力って言ってたろ。なのに縛られるの?」
監査官「あぁ、僕ら刀剣男士はそうだ。ボウズ、愛されるだけでは全ては叶わぬぞ」
加州「それも覚えろって?」
監査官「そうだ。少しは成長したな。愛に果ては無いが、命も物語も永遠では無いぞ」

沖田「それは、新選組を愛して欲しかったからです」
加州「愛…」

沖田「そうですね。私が私を否定することは、私の刀であったあなた達も否定することになる。それは良くない。だけど、だけど、新選組の歴史にこの改変の物語を付け加えたことをどうか許して欲しい。私の愛した刀たち、ありがとう」

加州「なぁ安定。沖田君は俺たちの事を愛してくれてたんだな」
加州「沖田君!俺たちもあんたを愛してるぜ」


愛は刀剣男士を強くする。刀剣男士たちにとって元主を斬らなきゃいけないことはつらいことではあったけど、それぞれ愛してくれてた、という事を知れた心伝、未来を生きる刀剣男士に愛したものを伝えられた主たち、やっぱりこれはハッピーエンドなんだよね。。切なすぎるーー!でもどこか清々しいのはこのつけたりが見たいもしもが詰まってるからなのかな、、
マジで初めてあんなに劇場で嗚咽して、最後の浅葱色の空が切ないけど清々しくて最高演出だったな、、、

▶近藤勇と沖田総司の最期

場面転換や早替えの都合もあったと思うけど、それでもこの二人の最期の違いも勝手にくらってまして。。

沖田だけ最後が走馬灯の中なんですよね。
改変された現在で愛刀たちとの楽しい刀での語り合いと武士としての最後を迎えたのにそこに戻らなかった。辛い過去の走馬灯で自分の未練とか本音をぶちまけて慟哭して、安定の言葉に自分を否定してはいけないと心を少し軽くして許しを請うて、愛されたい二振りに愛を伝えて笑顔で消えてく……
全ての走馬灯の中で唯一改変の記憶を持つ沖田。走馬灯を見せる事で「愛して欲しかった」と語った沖田。走馬灯のシーンを選ぶ事が出来たんだとしたら、最後に一番変えたかった池田屋を選んだのって史実に立ち返っていくのって……なんで………わたしに語彙力を下さい………

そして近藤さんは唯一改変の姿のまま走馬灯に入ってるんだよね。
最初の山南さんの台詞にあった「試衛館で夢を語った近藤勇の最期」が、新選組のみんながそれぞれ繋いだ夢のたすきリレーで史実とは違うみんなが望んだ最後で終わるんだという事なのかなって思うと余計泣けてくる
走馬灯の前に「新選組を結成して、わずか数年たらず。だが、永い時間を過ごしたように思う。それでも、俺の夢には届かなかった」って台詞がある。ここから近藤さんも自分が史実ではどうなったのか知っていたんだなと推測できる。それでも走馬灯は始まりの時なんだって、新選組に対する思いの大きさも見えたような気がした。。

みんなの思いと愛を受け止めて受け入れて最後を迎えた近藤さんと
愛刀二振りと未練の場で思いを語り伝える事を選んだ沖田
対比的とも感じる2人の最期がまた何とも言えない、、
ただどちらも根底にあるのは「愛か」

▶加州清光と改変後の沖田総司

同じ沖田総司の刀で安定は和装なのに清光は洋装で二振りある故の対の表現かな、と思ってた。
今回沖田君のビジュアルが出た時、黒い洋装に赤を取り入れた衣装でTHE加州清光の元主って感じでかっこいいー!最高ビジュー!!とか単純に思ってた(沖田君は実際洋装は着てないし、改変後って事がわかっていたから予感はあった)けど、本編見てそんな浮かれた気持ちにグーパンくらったよね……

「池田屋で折れなければ、沖田くんとまだその先に行けたんじゃないか、もっと大事にしてもらえたんじゃないか」
「自分が病にならなければ、新選組は続いていたかもしれない」

清光の方は完全妄想だけど、どっちも史実ではありえなかったその先に後悔と未練があって、それがお互いの洋装の姿に現れているとしたら……

加州「歴史は歴史のままに。でもさ、安定。こういうの何て言うんだっけ。…そっか、未練ってやつか」

ってこの台詞を沖田くんを見送った後の清光に言わせた末満さん、天才か????
清光が洋装で顕現したのは沖田くんとの未来への未練なの?泣
刀ステ勢は毎度末満さんからこんな特大感情ぶん投げられてるの??息も絶え絶えなんですが……むり

▶演技の違い等もろもろ細かいシーンの過去の叫び

本当は見た日付毎にくらったシーンについて語りたいけどまとめるの無理だったから過去ログだけ置いておく……主にというかほとんど沖田ですが……もうさ、芝居が最高すぎて……早乙女友貴という役者のすごさを改めて突き付けられた刀ステでした……ありがとうございました。。

6/16 刀ステ 心伝 ゆっ沖田に情緒掻き乱されてるオタクの叫び

6/23 刀ステ 心伝 マチソワを観た差分とか色々
相変わらずゆっ沖田に情緒掻き乱されてるオタクの叫び

7/7 刀ステ心伝 マチネ 現地最後のオタクの叫び

刀ステを見て行きついた先

末満さんの沼にハマりそう……脚本と演出が好きすぎた。
TRUMPシリーズもすでに片足をつっこんでしまっているから、既に手遅れというかダメ押しされた感じですね。。

そして「役者 早乙女友貴」の最高芝居が観れて感無量でした!
DVDがでたらゆっくんをおすすめする時私は間違いなく真っ先に心伝を出す。それほどまでに早乙女友貴全部盛りだった。
殺陣や扇舞はもちろんだけど、芝居が、、芝居が最高に良かった!!
少しあどけなさのようなものも感じる走馬灯の和装の沖田と夢の為決意を持った改変後の洋装の沖田。清光と安定それぞれに映し出される沖田総司の二面性の表現。池田屋での慟哭。私ゆっくんの叫びとか嘆き、感情を絞り出すような表現が大好きで大好きで……
池田屋でぼたぼた涙を落としたり、突っ伏したまましばらく顔を上げない松田清光見るとそこに生きる芝居をする人ほどくらう芝居ですよね……って謎の寄り添い感情でてた(?)

本当に本当に公演期間中楽しかった!
ありがとうございました!!

▶︎最後に

裏話的なお話が好きな方、早乙女友貴さんの配信おすすめですので是非!(宣伝)
心伝における沖田総司の解釈・表現について、衣装のこと、池田屋でのシーン等の沖田組の話から稽古期間や早替え、京都旅の話等色々お話してくれてます☺︎




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?