第15話 リハビリ7 2021年8月8日 さようなら、外脛骨
あまりに暇なので紙に落書きをしていると、それに深田えいみやハムスターが触れる。看護師に触れて欲しいから落書きをしたように思われてるのではないか、と不安になる。そうではなく、暇な時に適当な落書きをする癖があるだけで、そしてその落書きをいつものように適当に放置しただけで、別に看護師にそれを見せて反応を引き出そうとしたわけではない、と説明したかったが無意味なのでやめておく。決して構って欲しいからやったわけではないとだけわかって貰えたらと思う。
タリーズに行きたいという気持ちを殺して、売店でコーヒーとお菓子を買う。行って買い物して帰るだけで大仕事を終えたような充実感。お菓子は口に入れると一瞬で溶けてしまうのでつい食べてしまう。オナニーしたいなという気持ちを殺して、深田えいみの低音ヴォイスに癒やされる。声が低い女性というのはそれだけでよい。他がどうだろうが声が低いだけでよい。これだけははっきり言える。
夜、トイレに行こうと病室のトイレに松葉杖で行くと使用中で、病棟のトイレに行くと同じく使用中で、一人暮らしではありえないトイレ使用中に感動を覚える。ありえないことが常時起き続けている2週間だ。
単にドアが開いたまま鍵がかかっていただけであった。
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