第3話 手術前日 2021年7月28日 さようなら、外脛骨
朝、荷物を持って病院へ。窓には上下にねじ式の鍵をつけてカーテンを閉め、PCはラジオを録音するため電源はオンのまま。予定より早く着いたためコーヒーを飲んで時間を潰す。
入院受付へ行く。これから入院予定の人が数人。皆キャリーケースを持っている。エレベーターに乗り入院病棟へ行く。
中央にスタッフルームとシャワールーム大小にトイレがあり、それを中心にして廊下が一周している。廊下に病棟が並んでいる。インシテミルというクローズドミステリを思い出す。4人部屋の入り口入って右手前が僕のベッド。入り口にはトイレと小さなロッカーと洗面台。すべてピカピカに光っている。リクライニング機能つきのベッドにはサイドテーブルが備えつけられている。右隣に小さなテレビ台。貴重品ボックスに財布と通帳を入れる。下には冷蔵庫があるが1日100円とのこと。テレビはテレビカードを買って観るタイプ。
荷物を仕舞い必要なものをサイドテーブルとテレビ台の引き出しに入れるともうすることがなくなる。正面ベッドには高校生が、隣には高橋優に似た声の妻子持ちの50前後の男性、その向かいに60代の初老男性が入院している。
担当の看護師が挨拶にやってくる。肉付きのいい20代前半ぐらいの静かそうな女性看護師。持ってきた薬をすべて管理するとのことで、大量の薬を預ける。シャワーは予約制だがこれから浴びるかと聞かれたので明日着る浴衣タイプの患者衣を受け取って向かう。
小のほうでシャワーを浴びる。洗面台と棚、椅子。棚にはバスマットが山になっている。シャワールームは椅子とシャワーのみ。入院用のリンスインシャンプーとボディーソープがまったく泡立たない。
暇つぶしに別棟の地下にある売店へ向かう。病院の売店はなにもかもが高い。マジックテープ式のシューズとコップを買う。スニーカーより使いやすいだろう。2000円もしたが仕方ない。コップは300円もする。
戻ってベッドでうだうだしていると昼食。高校生が手術とのことでベッドと共に部屋を出ていく。明日は我が身。
7月25日に医療従事者にコロナ陽性者が出たとのことで高橋優と爺さんがPCR検査を受ける。
夕食前に高校生が帰室。人工呼吸器と周りに置かれた機械の音が響く。夕食は鰻。土用の丑の日だったようだ。担当看護師に0時以降は絶食、朝5時以降は水なしと宣告。ベッドにある読書灯のスイッチがわからず読書もできずスマホをいじる。緊張感は皆無。
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