最終話 左足を取り戻した日 2021年8月25日 さようなら、外脛骨
朝、バスに乗って大学病院へ。思ったよりも時間がかかり予約時間ちょうどに到着。一歩歩くたびに痛みが走る。
整形外科で1時間ほど読書をして待つ。診察室ではなく処置室に呼ばれベッドに横になるよう言われる。サブ医と研修医に囲まれて例のギプスカッターでギプスを真っ二つに。
サブ医がギプスを持って別室へ行ったので傷口をスマホで撮影する。傷口は赤黒いが血もなく思ったよりも綺麗で、触ってみるが感覚は薄い。
戻ってきて真っ二つになったギプスをまた足に取り付けて包帯を巻いて止める。その後レントゲン、終わると診察に。担当医がギプスを外し触診。押すと痛い。床につけて立つと痛い。足を傾けると痛い。足首が固い。そして右足よりも細い。
今日から傷口を石鹸で洗うよう言われる。売店でサポーターを買い、風呂と寝る以外は常に装着し、長距離を歩いたり足首を捻ったりつま先立ちはNGとのこと。長距離ってどれぐらいかと訊くと「まあ、2キロぐらいですかね」
「ボルトで止めた部分はちゃんとくっついてますが、ギプスをつけている間にすぐ下の小さな骨が欠けてどっか行っちゃったようです。まったく問題ないんで大丈夫ですよ。傷も綺麗ですし塞がってますし、あとは骨が癒着するのを待つだけですね。痛みも2、3ヶ月で収まると思いますよ」
不安が顔に出ていたのだろうか、いつになく饒舌な担当医だった。記念にレントゲン写真をプリントアウトしてもらい、売店でサポーターを買って帰る。1320円。次の診察は3週間後。
長距離を歩くなと言われたが、大学病院を行ったり来たりでかなり歩いてしまい足が痛くなる。
恐る恐るシャワーを当ててみたがまったく痛くない。ボディソープで患部を洗ってみたが同じくまったく痛くない。傷口周りに爪を立てると垢がぼろぼろと落ちる。左足に体重をかけるのが怖くて浴槽に腰掛けて全身を洗う。疲れてしまった。
寝る前にトレーナーに言われたふくらはぎのマッサージをする。使わず固定していたせいか硬くなっている。これから慣らしていく必要があるだろう。
完全に痛みがなくなるのはいつになるのか。右足の有痛性外脛骨はどうするのか。先行きは誰にもわからない。ただ歩き続けるしかない。明るい未来を求めて。
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