【祝・合格🎊】論文式試験合格おめでとうございます!から始まる諸先輩方からのメッセージの受け取り方
公認会計士試験論文式試験の合格、おめでとうございます!
この記事は今年の公認会計士合格者向けであり、てりたまさんのお声がけから始まった「X会計士界隈から論文式試験合格者の皆さんへのリレーメッセージ」の一部です。
実に半年以上ぶりの更新になりましたが、私にリスタートの機会をいただいた合格者の皆さんとてりたまさんには感謝し尽くせません。
合格者向けのメッセージが昨年度の同じ内容では芸がないので一工夫できればと思いますが、ご参考までに去年2023年のメッセージは以下でした。
諸先輩方の話は話半分に聞いておけ
ゲームのルールは変わった
とにかく行動しよう
2024年のリレーメッセージは私の記事で全体の20%(9/45)消化し、様々な諸先輩方の熱いメッセージにやや食傷気味の方もいらっしゃると思います。そこで、今年は諸先輩方の話は話半分に聞いておけという点を中心に少し詳細にお話しできればと思います。
なお、前提として「話半分に聞く」とは、以下の意味で使っています。
目利きのセンスを磨く
今年は45名の熱い諸先輩方がメッセージを送ってくれます。いやはや、これは情報の受け手である合格者の皆さんとしては大変です。私も含めなんせ一記事一記事が長い。また、昨年の記事にも記載しましたが、合格発表直後からの1,2か月は途方もない情報を浴び続けていることかと思います。
ところで、皆さん、情報の取捨選択はしていますでしょうか。
皆さんに向かって発信される情報は均一ではありません。会計士試験の問題がA論点、B論点、C論点と振られたと重要度ごとに割り振られたように、皆さんが日々浴びている情報も同じで、玉石混交です。
ちなみに、この一連の合格者向けメッセージで語られる内容は、もれなくA論点です。合格者なら誰しもが読んで理解して実践してほしい内容が書かれています。
他方で、人生において、もといプロフェッショナルとして生きていくことを選択した皆さんにおいて、会計士であれば誰でも出来ることだけ、つまりA論点だけを生涯やり続けるだけで満足される方も少ないと思います。
そこでA論点とともにZ論点にも手をつけましょう。Z論点は私が勝手に呼称している造語ですが、A論点を全ての人が回答すべき論点とするならば、Z論点は地球上であなただけが回答する必要がある論点です。
イメージとして、「コミュニケーションスキルを磨く」というのはA論点、将来台湾に駐在して現地の半導体事業のコンサルティング事業をやりたいので、今のうちから、「台湾×半導体の専門性を持ったプロフェッショナルとの情報交換の場に参加する」というのはZ論点です。
同じ情報を受け取るにしても、そういう具体的なイメージがあると、適切に情報を拾う/捨てるための網目が形成されていきます。
長くなりましたが、一点目のまとめとしては、自分が受け取る情報に重要度などの意味合いを持たせよう、という話になります。
価値観を言語化する
また、会計士合格後は(修了考査を除いて)ペーパーテストの勝負ではなくなったので、自分の幸せを決めるのは自分の価値観です。
まだ具体的なキャリアイメージが湧いていないどころか、監査法人での仕事にも不安を覚えている方が大多数かと思いますが、せっかく合格された直後でモチベーションも高い時期かと思いますので、なるべく早いタイミングで、より具体的に将来やりたいことのイメージを膨らませましょう。
上記目利きのセンスを磨くで(台湾の半導体を例にして)少し言及しましたが、将来やりたい仕事やキャリアイメージなどは(もちろんプライベート含むライフプラン設計も!)具体的であればあるほど良いです。
二点目は、目利きをするために、まず自分自身にとっての価値観を言語化しましょう、という話でした。
かくいう私は合格直後は大したことはしておらず、5年で監査法人出来ることをやり切って退職するぐらいのことしか考えていませんでした。ただ、自分が学生合格だったので、若さだけが唯一の武器と認知しており、時間制限を設けたことで早々と監査法人の中でも外でも色んな経験を得ることができたのは、当時を振り返っても良い対応だったと思っています。
斜に構えず素直に聞く(雰囲気だけでも全力で醸し出す)
たとえ話半分に聞いてても、むしろ相手にとって好意を持たれる聞き方をしましょう。これは、斜に構えて話を聞く、の対極です。
自身にとって都合が良かったり、明らかに役に立ちそうな話の際は、無意識でそういう姿勢で臨めますが、逆に、耳障りの悪い話や興味の湧かない話のときほど、この意識が重要です。
そもそも話半分に聞くというのは、相手を値踏みする話でありません。むしろ、(ネガティブな内容の話であればあるほど)頭と身体を切り離してコミュニケーションをしましょう、という高度なスキルの話をしています。自分とは全く価値観が合わない話を聞いていたとしても、頭は冷静に(あぁ私にはさして重要ではない論点だな…)と思いつつ、全力で好感を持てる表情や姿勢を作りましょう。
これは派生すると、諸先輩方に媚びを売りましょう、と聞こえるかもしれませんが、その通りです。諸先輩方は業界の先輩でもありますが、今後、師匠になったり、パトロンになったり、一緒に何か事業をする仲間になる可能性もあります。皆さんの武器は(合格年次という意味での)若さであり、その若さからもたらされる可能性なので、自ずから可能性を潰さない姿勢は大事です。
とはいえ、相手に好感を与える聞き方というのは結構難しいです。せっかくなので昨日のモニスタさんの記事を参照しながら解説すると、この難易度は、合コンの幹事に留まらず狙った人に聞き上手としてモテるようになりましょう、という水準です。なので、まずはモテずとも不快に思われないように、斜に構えず素直に聞く姿勢を身につけましょう。
ちなみに、これは私が合格した年の監査法人の部門長からのご挨拶の話ですが、その年は確かトヨタ自動車が物凄い金額の赤字を出されており、それが一面の見出しになった新聞の切り抜きを渡され、「君たちが入社したのは歴史的にも稀有な年であり、未曾有の社会情勢になると思うが、プロフェッショナルとして頑張ってくれ」的なことを言われたのを覚えています。
そして、私はその話を無表情どころか、(組織の長としてのメッセージぐらい新聞に依拠することなく自分の言葉で語れよ…チッ)的なことを顔に出して聞いていたことも覚えています。今でこそ偉そうに、こういう記事を書いていますが、いろいろと出来の悪い新人だったと反省しています。
おわりに
だいぶ長くなりました。こんな記事こそ、まさに話半分に聞いておけ、といったところでしょうか。
実は、このリレーメッセージは私自身がめちゃくちゃ楽しみにしています。全員とお会いしたことがあるわけではないのですが、それぞれのメッセージに執筆いただいた方々の価値観がなんとなく滲み出ており、読んでいて自分自身の行動を省みつつも、執筆者の皆さんと会話しているような気分になります。
今年の合格者の皆さんからすれば、合格者向けのメッセージを既合格者である諸先輩方の仲間内で楽しむなんて気持ち悪い、と思うかもしれませんが、これこそが去年の記事で書いたコチラ側の世界です。
来年は是非、今年の合格者皆さんが46番目のnoteライターになってください。
明日はTadashi Yanoさんです。Tech関連の記事中心に、いつも参考にさせていただいていまして、明日の記事も楽しみにしております。
令和6年公認会計士試験(論文式試験)の合格者の皆さん、改めて、合格、本当に本当におめでとうございました!