進撃の巨人 最終回139話 ネタバレ感想と考察 (長文)
進撃の巨人の最終回が発売になりました。
私はマガジンが出しているアプリの「マガポケ」で、発売日の深夜0時にダウンロード購入して読んだのですが、余韻でなかなか寝付けませんでした。
素晴らしい最終回でした。
このnote は最終回までのネタバレとなりますのでご注意ください
また、引用画像は、最終回・未単行本化分はマガポケ、その他は電子書籍でのコミックス購入分からの引用になります。
単行本派の方は、過去に単行本時点でのネタバレ最終回考察を書いていますので、よかったら読んでみてください。(下記は外れた予想も多いです)
単行本32巻時点
https://note.com/rt7/n/n176041a9dcbb
「単行本33巻」と「次話135話」時点
https://note.com/rt7/n/ncc412cb8dd89
本noteを書く順番は下記になります。
あくまで「感想と考察」であって、ネタバレあらすじを書いていくわけではありませんが、ネタバレを読みたくない方は読まないでください。
おしながき
1.
当たった予想と外れた予想
2.
マンガ表現を極めた、すごすぎる見開き
3.
衝撃の伏線回収
4.
ネットで知った情報
5.
終わりに 最後の考察 小ネタ
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ネタバレ回避改行
塩の海
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ネタバレ回避改行
炎の水
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ネタバレ回避改行
氷の大地
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ネタバレ回避改行
砂の雪原
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1.当たった予想と外れた予想
当たった予想から行きます。
こちらは「後出しジャンケン」ではなく、過去のnoteで公開しています。
地ならしは強行され、少数人類を残すところで終了。
エレン自身の能力も含めた、巨人化の能力を、この世から消し去ることに成功して、終了。
それにより、訪れる世界に納得したから、エレンは地ならしを強行した。
まぁ、大枠としては当たっています。
その時点で考えうる予想の一般論としては、
「早いうちに地ならしを止める~エレンが考え直す」
「地ならしし尽くすバッドエンド」
「ほとんど地ならしたあとで、巨人化の能力を消し去る」
の3択だったろうと思います。
なので、3択の一つを当てた感じです。
ところが、完全に裏を書かれたのが下記。
ユミルが待っていたのは、エレンではなく、ミカサだった
ユミルの心残りとは、自身のフリッツ王への愛から逃れられないことだった
(漫画ではカールフリッツを愛したと書かれていますが、ミスでしょう)
いやー、そりゃあ「道」であそこまで「待っていたんだろう!」とやられたら、ユミルが待っていたのはエレンと思いますって。
やられました。
本命視していたのではなく、大穴と思ってた方にきて「え、そっち?」となったのは下記。
てっきり、情熱大陸でラストシーンと言われていた赤子は「ヒストリアの子供」だと思っていましたが、
エレン自身
でした。
そして「お前は自由だ」と言うのは、エレンの父のグリシャでした。
そっちで来ましたか。
しかし、これならこれで、
兄のジークには教育パパ過ぎて失敗し、
弟のエレンは、逆に赤子の時に「お前は自由だ」と語りかけることで、「自由への束縛」を与えてしまった皮肉を描くことになり、納得です。
あと、「お前は自由だ」の隣の「眼」ですが、これは
始祖ユミルの能力で、このシーンを見ていたエレン(もしくはユミル、巨人継承者集合体)の眼なのではないでしょうか。
で、「あー、グリシャやっちまったよー、そんなこというからエレンが自由の奴隷になったんだよ」となっている、のかもしれません。
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2.マンガ表現を極めた、すごすぎる見開き
これですよコレ。ほとんど調査兵団の「自由の翼」エンブレムのようなコマ割り。
この前のページの前のコマで、アルミンが自ら立体機動装置を外して(=逃げ隠れも不意打ちもできない状態になって)マーレ軍の前に出ていくシーンがあります。
それを受けて、見開き右側でマーレ軍を説得する。
日本の漫画文法では、左側が物語の進行方向です。
たいていの漫画ではそうなっています。
全員が、ページの右側を向いて物語の急展開に戸惑っているところに、アルミンだけが左側を向いて、物語を先にすすめようとする。
その下で、アニがヒロイックな言動をしているアルミンに惚れ直す。
アニから視線を左に持っていくと(これがコマ割りを斜めにした効果)マーレ軍のミラー長官が、ジェスチャーで「銃をおろせ」とやる。
ミラー長官のジェスチャーも、物語を先に進めています。
そして次のコマで、
銃をおろして戸惑うマーレ兵と、話し合いをしようとするミラー長官が描かれる。
「君は ?」
このミラー長官は、エレンストッパーズを進めるために、自ら犠牲になったテオマガト、キースシャーディスと同じく、「信頼できる大人」の系譜です。
一人、兵装を捨ててマーレ軍勢に向かってくるアルミンの度量を見抜いて、初対面の青年アルミンに一人の人間として対応する。
次のページに移る。
「パラディ島のエルディア人
アルミン・アルレルト
「進撃の巨人」エレン・イェーガーを殺した者です」
このときには、とまどうアニ親子以外の皆が、物語を進める側に回っています。
次のコマで、
「本当に殺した者」ミカサが立ち去る様が描かれる。
エレンの首は以前の物語を示す右側。
こういう繊細な表現が、海外版でどうなっているのか興味がありますが、「横書き英文」とは相性が悪いだろうなぁ、とは思います。左右反転させるのでしょうか。
ここ、岡田斗司夫ゼミで、名シーンとして取り上げられそうな見事な出来です。
◆◆◆
3.衝撃の伏線回収
進撃の巨人の代名詞となるセリフは何でしょうか?
人それぞれとは思いますが、
「(巨人を) 駆逐してやる 一匹残らず」
が、その一つであることに、異論のある人はなかなかいないでしょう。
巨人を駆逐してやる、一匹残らず、は、悲しい表情で実現されました。
ミカサの選択がもたらす「巨人化の力を消し去る」、そのために進み続けたエレン。
そのエレンの「進撃」であって、の中で、特に衝撃的だった伏線回収がコレ。
なにもしなければ、その時点でジークの母親の巨人(通称カルライーター)に食われていた少年ベルトルト。
でも、ベルトルトはアルミンに食われなければいけないから、カルライーターを操作し、少年ベルトルトを見逃して、内地に向かわせた。
このページの解釈には、主に2つあります。
一つは、「ベルトルトを見逃すと、母親が食われる」ことを知っていて、見逃した説。
もう一つが「ベルトルトを見逃さなければならないから見逃したけど、そのことで母親が食われるとは知らなかった」説。
私は後者です。ただ、ユーチューブの考察動画やそこへの返信をみると、前者の方が多いみたいです。
そして作画上、「どちらでもとれる」ように描かれています。だってそうでしょう。エレンのセリフをぼかさずに書けば、容易に特定できますから。
「オレの家に向かわせたのは」なら、前者の可能性が高いし、
「シガンシナ区内に向かわせたのは」なら、後者の可能性が高い。
「辛い選択だった。でも仕方なかったんだ」を加えれば、前者で確定。
「知らなかったんだよ、そんな代償を払うとは」と付け加えれば、後者に確定します。でも、それらをせずに、ぼかしている。
「どちらかが正しくて、もう一つが間違い」ではなく、「わざとどちらでも取れるようにかいているから、どちらも正解」だと私は判断します。
もう一つの長きにわたる伏線回収がこちら。
4話 初陣より
塩の海、炎の水、氷の大地、砂の雪原
この伏線は「道」の中での観光ツアーで実現されました。
「砂の雪原」は、天と地の戦いの場所かもしれないけれど、一応ここでは、エレアル道内観光ツアーのコンテンツの点を重視して、地ならし後の地面としました。
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4.ネットで知った情報
これらは自分自身では気づきませんでしたが、ネットで知った情報です。
ミカサが作ったであろうエレンの墓碑銘は、
上下逆に見て読むと、
最愛のあなた、ここで永久に居眠りにつく 854
と読めるようです。
読めるようです、と推測になっているのは、 私の8インチタブレットでは字が潰れて解読できないからです。単行本が出たら、10インチのアマゾンタブレットでチェックしたいと思います。
★
第一話の十字架
これもネットで知ったのですが、ちゃんと十字架にかかれていますね。ということは、はじめから、エレンはここで眠りにつく、と構想して描いてきたということです。
ちゃんとセリフの吹き出しの「エレン?」も「十字架の上」に重ねている。
進撃の巨人はこういう技を使います。有名なのはアルミンの「超大型巨人」。のちのち、アルミンが超大型巨人を継承することが示唆されています。
あと、リヴァイ兵長の涙も、実はネットで知りました。
たぶんこれは雑誌や10インチの画面で読んでたら気づいたと思うんですけどねぇ。
なので私としては、最終話を読んでいた時に、リヴァイ絡みで一番ジーンときたのは、アッカーマンの力を失い、片目を失い、身体の自由が効かなくなって車椅子生活を送るところでした。
アッカーマンパワーでどうにかこうにか動けていただけで、アッカーマンパワーを失えばそういう状況なのに、戦い続けたのだなと。
こういうところが、健常者が歌い踊るディズニーアニメではなく、障害者も共に生きていくドリームワークスアニメなところなんですわ。
(ディズニーはディズニーでアリですけどね。ドリームワークスのヒックとドラゴンは良いぞ)
★
カモメの別名はイェーガー
イェーガーはトウゾクカモメの通称であることも、ネットで知りました。
たとえばここの南極クルーズ・北極クルーズの会社のページには、下記のように書かれています。
https://www.cruiselife.co.jp/guidance/?cat=262
カモメとアジサシに近い極北の鳥類はトウゾクカモメ4種類:トウゾクカモメ、シロハラトウゾクカモメ、クロトウゾクカモメ、オオトウゾクカモメで、ヨーロッパではJaegers(ドイツ語で狩人を意味するイェーガー)と言う名で知られている仲間です。
だからなんどもなんども、カモメが出てきたんですね
◆◆◆
5.終わりに 最後の考察 小ネタ
最後の考察ネタとして残されたのは
「なぜ、始祖ユミルは、ミカサの選択で、不健康な愛という束縛から開放されたのか」です。
その理由は、はっきりと描かれてはいないし、今後描かれることもないのですが、個人的には139話の中ではなく、138話の中だと思います。
エレンの「お前はこの先も長生きするんだから、オレのことは忘れて 自由になってくれ」に対して、
ミカサが「ごめん」「できない」
となるところなんだろうと。
(首切り自体は、エレンの望みに応えたところなのは明らかなので、触らずで)
「愛する人の命令に逆らうことで、愛を示し、次に進む」
みたいな、微妙なところなんでしょう。
これは、読んだ人それぞれの考えがあるところで、「それぞれ自分なりに考えてくれ」が正解ということでしょう。
◆
これも、最後まではっきりと明かされることはなかったのですが、(巨人化してないのに出てくる)エレンの巨人化痕は、相手の記憶を操作・消去しようとした時にはっきりとでてくる気がします。
◆
そして、進撃の巨人の最後はわりと定番の、「主要人物がこの物語の語り部だった」でおわるのですが、これはもう、「アルミン=諫山創」としか思えん。
ということで、アルミン先生、素晴らしい物語をありがとうございました。
おわり
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