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【もう食べられないお店】八丁堀駅近くの町中華?
■記憶はおぼろげに、たぶんもう食べられないお店・・・だと思う(汗
またしてももう食べられないお店。
八丁堀駅のすぐそば。
ひっそりと、その町中華というか大衆食堂はあった。
ものすごく好立地ながら、店は寂れていて、
斜陽
という表現がしっくりくるような感じであった。
曇ったガラスの引き戸。
当然ながら店内の様子は全く見えず、正直、入るのにかなり勇気はいったが、他の店の混雑を見るに止む無く入店。
いらっしゃいませ
店内はカウンターで10席程度の狭さ。
やっぱりな・・・
案の定汚い。
自分も二郎とか二郎とか二郎で、たいがい汚い店に耐性あるつもりであったが、それがいかに甘い考えであったか痛感させられる。
やはり世の中、上には上があるものだ
そう思った。
なにごとも慢心してはならぬ
常にお前の上は居るのだ。
・・・と、頭の中に声が響く。
お冷を持ってきた店主は、年の頃は60代ぐらいであろうか、白衣?と白い調理帽的なものを被ってはいるが、その衣服を
白い
・・・と言い切るには、
正直勇気がいるレベル
それぐらいの年季の入りっぷりであった。
しかも、無精ヒゲに、白髪混じりでボッサボサな髪型。
全体的にヨレヨレ感が満載で、
この店主さんは人生相当ご苦労されたに違いない
そう思わせるに十分なルックスであった。
それだけならば、まだ良かった。
あのなあ、こんな一等地で、やる気ねーのかこのオヤジは・・・
と、やや批判的な目で見ることも出来たからだ。
だが、このお父さんの全身から漂う
良い人オーラ
そしてそれを遥かに凌駕する薄幸オーラ
とにかく、とても良い人なんだけど、とにかくツイてない人
・・・という何とも応援したくなる感じであり、これで出てきた料理がマズかったら困る。
非常に困る
オレ、このヒト、攻撃デキナイ
・・・と、いう感じになってしまい、店に入った時点で勝負アリ!という気配は濃厚であった。(何のだよ)
う~む・・・
とりあえず、無難に行こう・・・そう思いラーメンと半チャーハンを頼む。
そうして様子を見るというか、これならそうそうトンデモナイものは出ないだろう、そう思ったからだ。
ジャーーーッ!!パコン、パコン!
中華鍋を振るい、結構な火力でチャーハンを作っている。
おや?意外(失礼)に期待出来るかも?
そう思ったつかの間、各種調味料を入れたボウルは、ものすごくグニャングニャンに曲がり、それはもはや前衛的なオブジェと化しており、お玉から直接すくって入れるのはいいとしても、おそらく何回も何回もやっているのであろう、その中に"何か"がダマになって転がっていた。
う~む・・・
まあ、こういうのも味のウチだよね(白目)
お待ちどうさまです。
先に半チャーハンが来た。
そんな光景を見てしまったため、若干及び腰になりつつもいただいてみる。
おや・・・ウマイ。
香ばしさはもちろんなのだがアッサリしていて、こう言っては失礼だが(もう失礼通り越してんだろ!)この店主が作ったとは思えない繊細な味わい。
これはウマイ。
そして、ラーメン。
東京風なラーメン。
本当にアッサリしていてゴクゴク飲めるスープだ。
豚骨や鶏ガラ、野菜など丁寧にダシを取っているのだろう、アッサリとしながらもシミジミとした味わい。
チャーシューも味がよ~く染み込んでいてアッサリとウマイ。
フト、店内を見渡すと、若干薄暗く汚いけど、何ともゆる~い静寂の空間。
それが何とも心地良い。
これはとんでもなく当たりの店ではあるまいか。
こんな一等地で、しかもただでさえ混雑しがちな昼時。
そこでこんな静寂を味わえる。
何というゼイタク。
ああ、ここはそれを味わうための店だったか。
食べ終わるころには店主の人がらと雰囲気にすっかり酔いしれ、半チャンラーメンを平らげた男は店を後にしたのであった。。。
■もう食べられないお店 完
<本内容は 2014年09月08日 に訪問したものです>
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