ベルリン旅行記(終)
2023年12月、3泊4日でベルリンに行ってきた。記憶が新鮮なうちに、見たり食べたりしたもの、感じたこと、考えたことを記録する。1~3日目のふりかえりはこちらから。
想像以上に、じっくりと振り返ることができているベルリン旅行記。4日間だけだったので、今回が最終となる。記憶と記録しておくことは、何よりも自分の豊かさにつながると改めて感じる。
12/30
残念ながら恋人の体調が回復しないので、彼はチェックアウトの時間まで休息、わたしは個人で行動することに。学生時代からずっと一人旅派だったし、4日目になると少しずつベルリンの土地勘も頭に入っていたのであまり心配はなかった。
彼の食欲がでてきたら食べるかもしれない、と前夜に買っておいたサンドイッチが手つかずで残っていた。近くのスーパーで買ったものだけれど、やはり一人で寂しく食べるごはんは、あまり美味しくない。
朝のひんやりした空気が肌に刺さる、そんな冬の感覚が意外にも好きだ。まだ霞が残る時間に、異国の街を散歩できることがどんなに恵まれているのか、改めて感じる。ホテルからほど近い、ムゼーウムス島を歩いてみることにした。歴史的な博物館や美術館が立ち並ぶエリアで、世界遺産にも登録されている地区。土曜日の朝の時間帯には、人通りも少なくひっそりとしていた。
あんなに慣れていたはずの一人旅なのに、いざ一人になってしまうととてつもなく寂しい。少しばかり散歩をして、せっかくだから現地のオーガニックスーパーを覗いて(ついでにBIO・FAIRのおしゃれなチョコレートをお土産に買って)、ホテルに戻る。
チェックアウトを済ませ、ほんのちょっとだけクリスマスマーケットや現地のお店を見て回る。Baumstriezelという、どうやらハンガリーの焼き菓子を食べたが、中にたっぷり塗られたヌテラのヘビーさが堪えた。そして早めに空港に向かって、帰路に就く。これにてベルリン旅行は終了である。(空港の手荷物検査が細かいのか、かばんの半分が再検査になっていてすごく列が長かった。ちょっとドイツっぽい。)空港でビールを飲むのが、とても気持ちよかった。
考
もしもベルリンに、”暮らすように旅する”日が来るとしたら、大きな美術館や博物館に通うだろう。そして、何か学びたいテーマ(特に、歴史や人文に関わること)があるとしたら、とても興味深い街だと思う。一方で、わたしが(自分の意思で)ここに住むことはきっとない、そう感じた。
太陽光が大好きなわたしにとって、この街の冬は厳しすぎる。寒いのが苦手なので、陽ざしがなかったらきっとずっと家から出なくなってしまうのではないだろうか。きっと、ローカルの人が知っている冬のサバイバル術や、長い冬でも居心地良くいる方法があるのだと思う。いつか、そんな発見ができたらおもしろいかもしれない。
また、やはり「この街は暗い」というのが、わたしの正直な感想である。日照時間が少ないだけではなく、建物もモダンであまり色がなく、やはり何か重い雰囲気があると感じた。なのでやはり、研究とか勉強とか、何か打ち込みたい人が集まる場所なのだと思った。現代アートやナイトライフも、ベルリンの象徴であるみたいだが、そこにあまり触れることができなかったのが、今回の印象につながっているのかもしれない。
一方で、やはり”ベルリンにいる”という経験は、人生を豊かにする。来て良かった。映像や写真が視覚と聴覚でしか伝えられないのに対して、実際に街を歩いて、その場所の空気を吸い、食べ物を味わい、人々の話し方や所作を観察してみる。日常とは少し違う数日間の中で、新鮮な発見があったり、気づきがあったり、学びがあったり、やはり旅は人を豊かにする。
今回の旅を終えて、また本が読みたい気持ちが高まっている。4つにわたる旅行記の中で、インスピレーションを受けている本をいくつか貼ってこの旅行記を閉じたいと思う。
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