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#0 わたしの中の小さな反抗

ずっと辞めたいと思っていた仕事をついに辞めた。正確にいうとまだ籍は残っているけれど、もうオフィスに行くこともないし、仕事に関するメールを見ることもない。長い間「辞めたい」と思っていたけれど、ついに行動に移して、辞めた。

正直なところ、怖かった。ずっと辞めたいと思っていたのに、いざ手放すと思うととても不安になった。「今ならまだ戻れるかもしれない」なんて、たくさん考えた。「新しいことをするより、今のまま続けたほうがよいかもしれない」と何度も思った。

なぜ不安なのかを考えた。安定した職・給料を手放すから?新卒カードを手放すから?せっかく評価されているのに、”キャリア”から離れるから?うまくいくか、わからないから?きっと全部だと思う。

そして気がついた。この決断は、初めて自分で選んだことだということを。

もちろん、日常は小さな決断の積み重ねなので、何も考えていないという意味ではない。でもはじめて自分で、自分のやりたいことを、自分の心に従って選んだのだろうと思った。進学も、留学も、就職も、人間関係も、住む場所を決めるのも、決断の積み重ねだけれど、ある程度必要に迫られて決めたり、みんながやっているからなんとなくやってみたり、レールに従っていきていたのだと思う。

人の期待に応えないで(あるいは人の期待を裏切って)、自分のやりたいことをやる。これが今のわたしにとって必要なものなのだと思う。

常に人の顔色を窺っていたり、声色で相手の気分を推測したり、とにかく臆病なわたし。由佐美加子さんのザ・メンタルモデルという本の分類によると「価値なしモデル」該当する。「自分には価値がない」と思うからこそ、「価値がある」ように成果をあげて、他人軸の評価に依存している。だから、「期待を裏切る」という行為がいちばん怖い。でも、期待に応え続けることや、何か価値を提供しつづけることはとても苦しくなってくる。

「期待を裏切って、自分の好きなことをする」という挑戦。とても小さなことに思えるけれど、わたしにとってはとても大きな課題で、簡単ではないこと。「今、期待を裏切っているな」「残念だと思われているな」と感じるのがとても苦しい。

でも、仕事を辞める際にネガティブなことを言った人は誰もいなかった。もちろん心の中では「残念だ」と思ったり、「なぜこのタイミングで」と怒ったり、不安にしてしまった人も多いと思う。けれど、最終日には、笑顔で、とても温かく、送り出してくれた。「応援している」と言ってくれた先輩、「よくがんばった」と褒めてくれた上司、「どこへ行っても活躍できると思うから次のステップも楽しんで」と言ってくれたクライアント。

結局、自分の中にある「べき論」は自分で作り出しているものだ。だから、きっと自分のやりたいことをやれば、幸せになれる。

10日後には、バルセロナにいく。ワーキングホリデービザで1年間、スペインに滞在する予定だ。やりたいことをすべてできるかわからないし、いろんなことがうまくいくかわからないけれど、きっと大丈夫。いざというときは、戻ってくる場所もあるし、そばにいてくれる家族や友達もいる。仕事だって、何かしらはある。どうにでもなる。そう自分に言い聞かせて、出発の準備を進める。

このnoteのインスピレーションとなった本はこちら:



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