コインチェックのナスダック上場とマネックスグループの戦略
コインチェックのナスダック上場を果たしたマネックスグループ会長・松本大氏が、web3ビジネスの展望、暗号資産市場の変化、そしてアメリカの規制緩和がもたらす影響について語りました。本動画では、ナスダック上場の意義、SPAC（スパック）経由で上場した理由、事業拡大戦略、規制緩和の影響、そしてマネックスグループの長期的ビジョンについて触れられています。
1. コインチェック、ナスダック上場の意義
「Web3やブロックチェーン、暗号資産は本質的に完全なグローバルなビジネスです。」
「グローバルに様々な優れた企業を買収したり、優秀な人材を獲得したりしていきたいと考えています。」
「世界中で様々な優れた企業を買収し、優秀な人材を集める必要があります。そこで、ナスダック上場という選択が非常に効果的であると考えています。我々はこれを 買収通貨 という言葉で表現しています。」
松本氏によれば、暗号資産やweb3技術は本質的にグローバルな性質を持つため、国際的な資本市場でのプレゼンスが重要です。特にナスダック上場により、企業買収や優秀な人材の採用が容易になり、グローバル展開に大きな弾みがつくと述べています。この動きは、国内市場にとどまらないビジネス拡大を目指す多くの企業にとって、参考になるモデルといえます。
2. SPAC（スパック）経由で上場した理由
「このスパックにいる人たちは、アメリカの資本市場に非常に詳しい経験豊富な人物です。」
「スパックとの連携は、我々がアメリカ市場に適応するための最善策でした。」
コインチェックは通常のIPOではなく、SPAC（スパック、特別買収目的会社）との合併という手法を選びました。これは、スパックの経験豊富なメンバーとの協力によってアメリカ資本市場への対応力を強化するためです。この選択は、グローバル展開を目指す企業にとって、柔軟かつ実践的な手法として注目されると感じます。
3. 水平・垂直両方向への事業拡大戦略
「バーチカル（垂直）には、コインチェックのようなビジネスをさらに強化する機能を持つ会社を買収します。」
「ホリゾンタル（水平方向）には、メタバースやサイバーセキュリティなどWeb3関連のビジネスを買収していきます。」
松本氏は、事業拡大の方向性を「垂直」と「水平」に分類して説明しています。垂直方向では、既存のコインチェック事業を強化するための技術やサービスを持つ企業の買収を進め、水平方向では、メタバース、ゲーム、サイバーセキュリティなど、web3関連ビジネスの多角化を目指します。この戦略は、web3エコシステム全体を包括的に構築するための道筋を示しています。
4. 規制緩和とアメリカの政策変化
「トランプ政権になって最初の半年1年っていうのは、多分日本にいる我々が想像しているのをはるかに超える規制緩和とか、とくに暗号資産、ブロックチェーン、Web3周り含めて規制緩和がすんごいんだと思う。」
アメリカの規制緩和は、web3技術と暗号資産市場にとって大きな追い風になると松本氏は予測しています。特に、トランプ政権の下で規制緩和が進むことで、テクノロジーと金融の融合が加速し、中国に追い越された技術分野を取り戻す動きが期待されています。
5. マネックスグループの長期的ビジョン
「日本株、米国株、暗号資産と（商品を）増やしてきている。」
「資産のつくられ方の、流れに合わせてビジネスを展開していきます。」
「数年早いという感じだけど、これからも切り拓いていきたいと思う。」
マネックスグループは、暗号資産市場の変化に先んじたビジネスモデルを構築しています。日本株、米国株、暗号資産といった多様な商品ラインアップを通じて、個人投資家や機関投資家に選択肢を提供する姿勢が特徴的です。
まとめ
コインチェックのナスダック上場を通じて、マネックスグループは暗号資産市場におけるリーダーシップを強化しています。スパック上場という柔軟な手法や水平・垂直両方向での事業拡大戦略、さらに規制緩和の追い風を受けたグローバル展開は、web3時代の新しい企業モデルを示しています。松本氏が語るように、ナスダック上場を契機にマネックスグループが描く未来は、投資家や市場参加者にとっても大きな刺激になるのではないでしょうか。
補足
SPAC: スパック。特別買収目的会社。既存の事業を持たず、企業買収や上場を目的に設立される会社。近年、上場手法として注目されています。
垂直方向の事業拡大: 既存の事業を強化するために、同じ領域の補完的な企業や技術を買収する戦略。
水平方向の事業拡大: 新しい市場や関連分野に進出するために、異なる領域の企業や技術を買収する戦略。
規制緩和: 政府が特定の産業や技術に対する規制を緩め、成長や競争を促進する政策。
※ このNote記事は、世の中の動向をざっくり理解し、後日経時変化を俯瞰するために機械的な作業を交えてアウトプットしています