SES企業の未来:未経験者派遣の真実と可能性
弊社はエンジニア専門の派遣会社(SES)です。通常、派遣会社の役割は、企業が一時的に業務量が増加したり特定のプロジェクトのために追加人員を必要とする際に、経験を持つ人材を短期間で提供することにあります。
これはつまり、経験者や専門家を派遣することが派遣会社やSESの主な任務です。しかし、実際には、経験が浅い方や未経験者(以下、未経験者)の派遣も一般的に行われています。
私が知る企業でも、毎年一定数の新卒者を派遣として雇用しており、大手派遣会社は毎年数百人の新卒者を採用し、夏頃までにこれらの人材を企業に派遣して大きな利益を上げています。
私の経験に基づくと、IT/通信系企業(以下、IT系企業)よりも、自動車や半導体などの機械/電気系企業(以下、機電系企業)は未経験者の派遣に対して親和性が高いと感じています。
その主な理由は、機電系企業の契約期間がIT系企業に比べて長いことにあります。IT系企業が短期間のプロジェクトを繰り返す一方で、機電系企業は若手社員を育成し、将来の戦力として活用することを期待しています。
この状況は、エンジニア人材の不足が背景にあります。多くの企業は、十分な人材を待っても確保できないため、未経験者を採用し、自社で育成することを選択しています。
これにより、数ヶ月から1,2年後には、これらの人材が一定の戦力となり、業務に確実に貢献できると期待されています。
一方で、未経験者の派遣に対する批判的な意見も存在します。これらの意見は、未経験者が派遣される際に、単に企業に利用され、実質的なスキルアップや職業経験が身につかないというものです。
この見解では、未経験者の派遣は短期的な企業のニーズに合わせるものであり、個人のキャリア発展よりも企業の短期的な利益が優先されていると捉えられています。
しかし、このような側面があることを否定はしませんが、例えば弊社には昨年末に搬送系メーカーの正社員に転職した派遣社員がいました。
彼は第二新卒として入社し、その後搬送系メーカーに派遣され、5年間の勤務を経て正社員になりました。
このような事例も存在し、重要なのは派遣先の企業規模と受け入れ先のスタンスの違いです。
部署には一定数の人員がおり、長期的な視野に立った教育システムが整っていること、そして将来的に正社員での雇用の可能性があることなどが重要です。
派遣会社やSES企業が売上利益のために未経験者を一方的に利用することは望ましくありませんが、専門的な領域の業務に携わり、長期の安定した雇用が見込まれる場合、未経験者の派遣には大きな可能性があると私は考えています。
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