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「高還元モデル」はコツコツが大事①

最近、SES企業を立ち上げたばかりの経営者の方々から、打ち合わせの依頼をいただくことが増えてきました。その中でよく寄せられる質問と、それに対する私の回答をいくつかご紹介いたします。

Q:「なぜリツアンでは、他社に高還元モデルを推奨していないのですか?他社に真似されるのを避けたいからですか?」

A: まず前提として、高還元モデルはエンジニア社員にとって良いことです。ただし、高還元モデルは急成長には向いていません。地道にコツコツと成長していくことが重要です。

その上で、質問者である新興のSES企業の経営者の方たちに対して、次のことをお話ししています。

まず、高還元モデルは儲かりません。後々、規模の利益によって収益を享受できるかもしれませんが、短期間で儲かることは不可能です。そのため、よくある「スタートアップがスケールして上場を目指す」といったビジネスモデルとは性質が異なります。

一部の新SES企業の経営者が、SNSで「高還元モデルは急成長して儲かる」と発言しているのを見かけますが、あれは本当の高還元ではなく、通常の還元率を「高還元」と見せかけているだけです。見かけ上の還元率で、裏では通常のマージンをしっかり取っているため、儲かっているのかもしれませんが、それだけのことです。

また、以前はそうした宣伝で応募者を集めることができたかもしれませんが、最近では求職者も情報をよく調べるようになり、その嘘が露見しつつあります。この傾向は今後も続くでしょうし、偽りの高還元モデルは通用しなくなっていくでしょう。

さらに、彼らが高還元モデルが儲かると宣伝する目的は、自社で開発した管理タスクツールを新興のSES企業に販売することにあり、これはポジショントークに過ぎません。彼らがよく言う「SES企業は決算書を公開すべきだ」という主張も、「うちのやり方をやれば儲かる。だから管理タスクツールを買ってね」という販売促進の一環であり、他のSES企業がそれに付き合う必要はないと考えています。

まとめると、高還元モデルを「儲けるため」や「上場を目指すため」に導入することはお勧めできません。儲かっていると主張する新SES企業は、実際には偽りの高還元で運営してきたに過ぎません。しかし、現在ではその嘘が明らかになり、求職者もそれを見抜く力を持つようになっています。これからは、その手法は通用しないでしょう。したがって、「急成長する=儲かる=高還元モデル」という考え方を持っていると、後々大きな問題を抱えることになります。

次の記事『「高還元モデル」はコツコツが大事②』で、詳しくご説明します。

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