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今は「楽しい」だけでもいいじゃない|アートとコピー#6
「16年目、まだまだ下積みです」
そう挨拶されたのは今回の講師、鈴木智也さん。博報堂でCMプランナーをされている。16年目ともなると、ベテランの域に入ると思っていただけに、少し驚いた。
余談だが、芸歴16年目のお笑い芸人がこちら。
⚫︎マジカルラブリー
⚫︎コマンダンテ
⚫︎金属バット
⚫︎かもめんたる
⚫︎見取り図
⚫︎コマンダンテ
⚫︎さらば青春の光 など
若手といえば若手。中堅といえば中堅。道のりはまだまだ長い。
広告賞への向き合い方
課題で出されたから。
周りがみんなやってるから。
やる気あるスタンスに見えるから。
広告賞に対して、そんな言い訳がましい考えがいつも頭をよぎっていた。
今回登壇された鈴木さんは、阿部さんと学生時代からの仲で、ずっとふたりで広告賞に応募し続けてきた。その中で見つけた広告賞への向き合い方を、僕らに伝えてくれた。(詳しい内容は講座に参加した人の特権にしておきます)
これまでペアを組んだ5人のデザイナーや、飲み会で話した同期の人たちとも、似たような話をしていた。みんなさまざまなな向き合い方をしていた。
自分の中でハッキリと言い切れるものは、まだない。
でも、アートとコピーの制作を通して見えたものもある。それは、アイディアが形になることは楽しいということ(凡な答えだが)。それが誰かに届いたなら倍で楽しい。
ひとりで見つけたアイディア。この段階ではどこにも存在しないただの言葉。ふわふわとしたあいまいな概念が、打ち合わせでデザイナーに伝わり、徐々に形を帯びていく。それを練りに練り、目の前に現れるようになる。いや、生み出す。それはもう自分の子のように思えるし、かわいくてしかたがない。
「うちの子かわいいでしょ」と自慢する親バカはこんな気持ちなんだろうか。だからこそ、このかわいさが他の人に届くと、たまらなく嬉しいし、わかってくれる人はみんな仲間だ!と気が大きくなってしまう。
なんとも独りよがりな理由。自分の器の小ささに呆れるが、今はこの理由が見つかっただけで充分だと思う。
だってまだ仕事を始めて5年目。道は始まったばかりなんだから。
そして、アートとコピーはあと2回。
半年前から何か変われてるんだろうか。そう考えるとちょっとおそろしい、金曜日の夜であった。