[Workflow] Interactive Area Calculation - Rhino Grasshopper
建築設計事務所の仕事で使っているソフトウェアの基本的なワークフローや自分の興味のあるトピックの実験的なスタディなどをYoutubeの動画に備忘録的に記録しています。
ここでは3DソフトRhinoceros Grasshopperを使ったインタラクティブな建物面積計算の例を動画を交えて紹介します。
建築のコンペやプロジェクトではその建物の建つ環境条件や敷地条件などに加えて、建物の高さや面積が制限・指定されているケースが多いです。プロジェクトの初期段階でボリュームスタディをする際に即座に建物の(簡易的な)延床面積を確認できると、バリエーション出しがスムーズにできます。
設計が進むにつれてプログラムごとの面積を分けて計算したり、ファサードからスラブのオフセットを考慮したりと建物に関する条件が徐々に細かくなりますが、ここではあくまで基本的な内容にとどめています。
Youtube動画 (日英独字幕あり)
Interactive Area Calculation for Architecture - Rhino Grasshopper
動画:2022年8月投稿
案/モデリング/動画撮影/編集/字幕:加々美
Youtube上で設定ボタンから字幕をオンにして動画をご覧になれます。
ワークフロー
建物ボリュームを設定する
まずRhinocerosとGrasshopper を開きます。
Grasshopperスペースでダブルクリックし、「geo」と入力して「Geometry」コンポーネントを呼び出します。(コンポーネントやコマンドは英語バージョンで説明していきます。)
ジオメトリを1つ選択し、Grasshopper上で設定します。 (コンポーネントを右クリック)
階層を描画する
「cont」と入力して「Contour」コンポーネントを呼び出します。
Contour の S(Shape) にジオメトリを接続します。
「xy」と入力し「XY 平面」を呼び出します。
XY を Contour の P(Plane) に接続します。「5」と入力して「Numberslider」を呼び出し、Contour の O(Offsets) に接続します。
Contourのオフセット が表示されます。ここでは 0 に設定します。
「move」と入力して「Move」コンポーネントを呼び出し、XY を Move コンポーネントの G(Geometry) に接続します。
「z」と入力して「Unit Z」コンポーネントを呼び出し、T(Transform Motion) に接続します。
「ser」と入力して「Series」コンポーネントを呼び出し、S(Step) を階高、C(Count) を階数として設定し、Z に接続します。
Move の出力 G(Geometry) を Contour の P(Plane) につなぎます。
コンターが建物のレベル(階)として表示されます。
階ごとの床面を描画する
コンターの線を面にしてみましょう。
「boundary」と入力して「Boundary Surface」を呼び出し、そこにCurveをつなぎます。
サーフェスがよく見えるよう元のジオメトリの表示をオフ (Ctrl Q) にします。
「pre」と入力し「Custom Preview」を呼び出し、サーフェスを接続します。
「col」と入力し「Colour Swatch」を呼び出し、色を設定します。
(Ctrl+Q で一部のコンポーネントの表示をオフにします)
面積をテキスト表示する
「area」と入力して「Area」コンポーネントを呼び出し、コンターを接続します。
パネルを使って各エリアのデータを見ていきましょう。
「Mass」と入力して、「Mass Addition」コンポーネントを呼び出します。 データ階層を変えて面積の合計を取得します。(Flatten)
再びパネルを使って、面積の単位として「m2」と入力します。
「con」と入力して「Concatenate」コンポーネントを呼び出し、面積と単位をつなげて表示させます。
「tag」を入力して「Tag」コンポーネントを呼び出し、T(Text)とL(Location)を設定し、テキストタグの色を設定します。
高さ情報をテキスト表示する
続いて階ごとの高さ情報を可視化していきましょう。
「dec」と入力して「Deconstruct Brep」コンポーネントを呼び出し、Contour に接続します。
「list」と入力して「List Item」コンポーネントを呼び出し、V(Vertices) に接続します。
(Ctrl+Qでプレビューをオフにして Deconstruct Brep コンポーネントを非表示にします)
「dec」と入力して「Deconstruct Point」コンポーネントを呼び出し、テキストタグを設定して階の高さ情報を表示します。
入力する建物ボリュームのサイズを変更する
ボックスを選択し、「Scale1D」で高さを変更すると、面積がこのようにインタラクティブに変更されます。
複数の建物ボリュームを入力する
複数のボックスを選択して入力してみましょう。
それぞれのボックスに反映されるよう階層を変えましょう。(Graft)
「rou」と入力して「Round」コンポーネントを呼び出し、概算した面積を取得します。
1階レベル高さを変更する
Numberslider を呼び出し、数値を 1 階レベルの高さ として設定します。
1階レベルに応じて各レベルの高さを調整できます。
完成
スクリプトはこれで完成です。色々なパース / ビューで見てみましょう。
(Ctrl + タブでビューを切り替えられます)以上のように、各ボリュームの数や大きさを自由に変えて、総面積を即座に取得することができます。
Grasshopper definition
ご覧いただきありがとうございました。
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他のワークフロー動画も少しずつnoteにまとめていければと思います。
関連内容
Area Calculation SUM per Building - Rhino Grasshopper
上記の例に建物ごとの面積を追加表示する例
Interactive Clearance Area Visualisation - Rhino Grasshopper [EN]
建物高さや隣棟間隔に関する例
Parametric Multi-Storey Building - Rhino Grasshopper Inside.Revit [EN]
RhinoInside.Revitを利用した、Revitでの例
おまけ
Rhino Grasshopper / Youtube再生リスト
Rhino Grasshopperを使ったワークフローやスタディなどをまとめた再生リスト
日本語字幕のある動画 / Youtube再生リスト
随時日本語字幕追加中。