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プロセス整理 -Step7/0 検証・見える化-

1、背景説明

 地域デザイン7Stepは、私が学生時代からエピテックの活動を通して培った地域プロジェクト立ち上げや地域コミュニティ創造に向けたノウハウを整理した手法です。ここでは、全7つのプロセスを1つずつご紹介していきます。

 今回は、「Step7/0 検証・見える化」です。


2、ポイント

 「Step7/0 検証・見える化」のポイントは、活動をアーカイブ化し、変化を客観的に確認できるように整えることです。

 地域振興において、自治体主体のプロジェクトは、担当者が代わってしまうと、情報や記録が途絶えてしまうことが多々あります。そのため、活動の記録は民間で残しておくことがベターです。地域振興は、様々な取り組みを行います。そして、その多くの取り組みは、失敗や多くの課題を残すことになると思います。その失敗や課題は、次の挑戦への財産になります。そのため、この財産を活かすためにも可能な限りのアーカイブをまとめることを強くお勧めします。


3、Webページの役割とは

 情報をアーカイブする上で便利なツールといえば、Web媒体かと思います。そのため、Webページのここ数年のあり方を振り返ってみましょう。

 私は、大学院時代の2012年から2年間、山形県朝日町のWebレイアウトリニューアルプロジェクトの調査を行いました。当時、おそらく、前例のない学校を通さず個人の学生研究者に行政が予算をつけるという前代未聞のプロジェクトを引き受けさせていただきました。


 背景としまして、2012年頃は、自治体Webページのリニューアルラッシュの時期でした。その理由は、2000年前後にHTMLベースのWebページが全ての自治体が所持するようになってから、約10年経ち、情報の整理と合わせてリニューアルをしなければならないタイミングなったからだといえます。

 調査の結果、これからの自治体向けWebページのレイアウトは、行政のWebページを開いた際に地域住民・地域外の人などターゲットで窓口を分けた方が良いという提案を行い、朝日町のWebはその結果を参考にしたページとなりました。この提案は、振り返ると現在の自治体Webの主力レイアウトになっているように感じます。

 私が調査をしていた時代のWebページは、Webページに情報をまとめ、その情報をSNSで拡散すること前提の時代でした。そのため、地域ポータルサイトやコラム形式のメディア媒体などが多数流行していた時代です。

 その時代と比べると、今日の2020年代はいかがでしょうか。みなさまお気づきの通り、YouTubeやnoteにアップした情報をTwitterやFacebookなど別のSNSで発信していることに気づいたかと思います。

 すなわち、わずか10年の間にWebが取り巻く環境が大きく変わったことを意味しています。


4、次世代のWebページとは

 それでは、これからの時代のWebページはどのようになっていくでしょうか。需要がなくなってしまうのでしょうか。

 私は、需要はさらに高まると考えます。しかしながら、これまでの発信前提の活用方法ではなく、様々なところで拡散された情報が集約される信頼できる情報媒体としてWebページが機能する時代になると思います。すなわち、近年は、SNSの発信方法が重要だとされていますが、私はWebページへのまとめがあらためて重要になってくる時代が来ると考えています。

 その理由は、私たちの情報は、日々、様々なSNSを通じて情報が拡散されています。もはや誰もが自分の情報流出を防ぐことが困難な時代になっています。そのため、ネットに書き込まれた情報、いわゆるデジタルタトゥーの問題が様々なところであげられるようになりました。このような状態になると、自分の情報をネットから消すことはほぼ不可能といえます。

 そこで、私は、こんな時代だからこそ開き直って、自分の正しい情報が集約されている公式のWebページをしっかり持つことが重要になって来ると考えます。すなわち、様々なSNSで飛び交った情報を最終的に1つのWebページに集約されるようにするということです。


5、公認情報ページの活用法

 私は、新型コロナウイルの自粛期間を活かして、Webページを一気に整理することにしました。その結果、新しい問い合わせなどが増えはじめています。その背景として、このような状況だからこそ、インターネットで情報を集める人が増えたのだと思います。

 参考までに私が直したWebページは下記になります。Webデザインや構築に関しては素人のため、多少の醜さはご容赦願います。


 このWebページの目的は、このページを見たら、私(個人・法人)の活動が全てわかるとうサイトです。使ってみて様々な使い勝手の良さに気づきました。いくつか事例を紹介しましょう。


6、名刺不要の時代へ

 新型コロナウイルスの影響を受けて、オンラインでの打ち合わせが増えました。名刺の交換すら行いにくい時代になったと思います。そのため、私は、名刺の代わりにQRコードを読み取ってもらい、先ほど紹介したWebページを紹介する自己紹介をはじめました。このようにすることで、先方の連絡しやすい手段で連絡をその場でしてもらうようにしています。裏を返すと、そのような話の流れにならない出逢いは、今後のご縁のない社交的なものであると割り切るようにしました。

 この自己紹介のやり方は、大変評判が良いです。なぜなら、オンライン会議の自己紹介もサイトを見てくださいと紹介し、簡単な紹介をするだけで済むため、不要な話を省略することができます。後で見返すこともできるので効率が良いととても評判が良いです。

 また、このような方法を取り入れることで、私を支えてくださっている地域のみなさんの活動も紹介されます。このような形で私の立場や他己評価も把握しやすいと、信頼という面でも評判が良いです。


7、活動のドキュメンテーションの意義

 このようにこれからの時代のWebページは、信頼できるポートフォリオ兼営業資料として機能すると私は考えています。

 様々な情報が飛び交う時代だからこそ、信頼できる活動のアーカイブを通して、自らの信頼価値を高めることが重要なのではないでしょうか。


8、ポイント整理

 「Step7/0 検証・見える化」のポイント整理を行います。

①活動のアーカイブを可能な限り残す

②Webページは立派な営業資料として機能させる


 私はこのプロセスでは、この2つのポイントを大切にしています。


9、総括

 今回のコラムで「地域デザイン7Step」の1通りの流れを紹介しました。みなさん、お気づきだと思いますが、今回のタイトルはどうなっているでしょうか?

「Step7/0 検証・見える化」

 そうです。今回は、「Step7」であり、「Step0」となります。すなわち、今回の活動のアーカイブ化を活かして、もう1度「Step1」に流れていきます。このように地域振興は、点で解決せずに線として、その線で渦を巻きながら徐々に活動を大きく成長させることが重要です。

 「Step1」~「Step5」は、プロジェクトを動かすための手順です。

 「Step6」、「Step7」は、そのプロジェクトを活かして世間的なイメージをつけるためのテーマを決めるブランディングのような位置づけとなっています。

 不思議なもので、私は、どこの地域で実践を行ってきてもこの流れを外れたことを1度もありません。無意識に浸透しているだけなのかもしれませんが、このような考え方が少しでもみなさまのお役に立てましたら幸いです。


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