なぜ東京大学には貧困層が少ないのか?
東京大学本部ダイバーシティ推進課は「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」という問いを学内に掲出していたそうです。
こういう特定の属性にのみ存在する社会的な外圧を可視化する取り組みはとても重要だと思います。
一方で東大本部の貧困に対する取り組みは不十分というか、何もしてないのではないかという印象です。
それにも関わらず授業料値上げを検討しているということですが、まずは貧困層への支援強化が先だろうと強く思います。
東京大学には学生相談所というのがあって、私自身も利用したことがあります。
しかし貧困に由来する問題に関しては対応できないということでした。
私はこの状況を改善してもらうために相談員に直談判したことがあります。
そこで言われたのが「それって需要ありますか?」ということでした。
要するに相談所への貧困に由来する問題の相談は少ないということのようです。
実際「東京大学2021年度(第71回)学生生活実態調査結果報告書」によると世帯収入が450万円未満の世帯は僅か10.8%です。
しかしながら、貧困問題に対応できる相談員が一人もいないということには驚きました。
これは相談員の方も仰っていたことですが、そもそも相談所が貧困学生を捕捉できておらず、相談先として認知されていないのかもしれません。
割合ということで言えば東大の女子率は2割前後ととても低いわけですが、こちらに関しては様々な施策が試みられている印象を受けます。
上述の「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」という問いもその一つだと思います。
またこういう問題に対応できる相談員も複数いるでしょう。
これとは対照的に東大の貧困に対する取り組みは私が入学した時からずっと甘く、私が去るまで一切変わりませんでした。
とても残念なことです。
貧困層が抱えている問題は何もお金がないというだけではなく、それによって様々な問題が引き起こされます。
そして進学や挑戦の意欲を削ぐような言葉をかけられます。
以下では私を含む貧困層が実際にかけられてきた言葉を一部掲出しようと思います。
(ご協力いただいた方々、ありがとうございました!)
「お父さん病気で働いてないけど東大目指して大丈夫なの?」
「なんで勉強好きなのにそんなにずっと働いてるの?」
「結局あなたのような境遇の人は体を売った方が良い」
「成績とお金もってるかって関係なくない?」
「君の先輩は家族を助けるために働いてるよ」
「生活保護貰えてるだけで有難いと思いなよ」
「まず働いて家庭を建て直したら?」
「貧乏人に学問をする権利はない」
「大学に行くのは働いてからでもいいんじゃない?」
「親が貧乏なのは頭が悪いからで、その子どもも遺伝で頭が悪い」