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岡山に3年住んで感じる良いところの多さ(転勤族目線)

感染者の少ない岡山に住んでいるので、3連休もそこまでナーバスにならず子供達が楽しみにしていたドラえもんの新作映画や公園に行ったり、はたまたラグビースクールの試合に行ったりと(当然マスクとディスタンスを気にしながらも)子供達とたくさん遊ぶことができました。寝室で自分の左腕を大事そうに抱えて眠りにつく次男を見ながら、今このタイミングで家族と岡山に住んでいられるのは本当に幸せなことだなと思ったのでした。

自分は今まで住んできた神奈川も滋賀も静岡も「ずっと住んでいられるなぁ」と思ってきたものの、岡山の「住みやすさ」もかなりの上位です。家族も大変気に入っているので、転勤族目線で見た岡山の良いところについて備忘でメモしておきます。

1.「閑静な住宅街」のコスパの高さ

自分の実家は大阪の北摂地域なのですが、神奈川に住んでいた頃に成城の先輩の家を訪問した時に大きな家がゆったり並んでいるのを見て「あぁ、ここは都内なのに大阪の箕面みたいな雰囲気なんやな」と思ったのを覚えています(異論はあると思いますが主観的な感想として)。つまり、高層マンションでもない限りは「閑静な住宅街」の雰囲気というのは成城でも箕面でも(芦屋の苦楽園でも)そこまで違わないのだなと直感的に感じたのでした。で、その「閑静な住宅街」がどこにあるのかで住むコストが劇的に変わる訳ですね。岡山市内の「閑静な住宅街」のコスパは東京・大阪といった大都市圏よりもリーズナブルでかつ、市街地までのアクセスも圧倒的に良いです。例えて言うなら、チャリで行ける地元の駅がそのまま新幹線のターミナル駅という感じです。前に住んでいた静岡市葵区安東地区も同じ観点で非常に便利で住みやすかったので甲乙つけがたいのですが、「市街地に近くてかつ閑静な住宅街」というのは地方の都市圏に住むからこそできる贅沢と言えるかもしれません。(しつこいですが、静岡市の安東地区も良かった…!)

2.教育・医療環境の良さ

まず教育について。これは住んでみないと詳しく調べないですしよくわからないことなのですが、岡山県はどちらかと言えば成績が良い人は公立トップ高校を目指す雰囲気の「公立志向」の地域で、岡山朝日や大安寺を始めとする「5高」からの進学率が非常に高い他、国際課のある城東高校からは海外の大学に直接入学する方も一定程度いたり、はたまた私学も岡山中学・高校や岡山白陵といった優秀なところが集まっていたり公立の中高一貫校ができてきたりと教育環境が非常に充実しています。大阪で言えば、昔あった各学区のトップレベルの高校(北野、天高、茨高、畷、大手前など)が市内の10km圏内にギュッと集まっているイメージを持っています。受験が全てでは全く有りませんが(自分はさらっと済ませてしまったのであまり語れませんが)、物事を学ぶ雰囲気があるには越したことがないですし、少なくとも幅広く物事を学んで行った先に将来の選択肢が広がっているのは間違いないことだと親目線では思っています。

加えて医療環境も、岡大病院・川崎医大・日赤・済生会を始めとする総合病院が県南部にいくつもあり、医療環境も大変充実しています。いざという時に搬送先の病院が複数あるのはかなり大事と言えるかもしれません。(今の所あまり実感は有りませんが。)

3.交通アクセスの良さ

岡山に来るまで詳しく知らなかったのですが、岡山駅は中四国エリアの玄関口として山陰・広島・四国それぞれへの特急・新幹線のハブとなっている他、車で1~2時間かければ中四国のかなり広いエリアまで(特に山陰・四国はほぼ全て)行けてしまうというアクセスの良さが魅力です。コロナを考えなければ土日で山陰や四国の各県に日帰りや一泊で遊びに行くことができるのはかなり楽しいです。子供向けではありませんが、瀬戸内海の各島で芸術を見に行くのも日帰りできてしまいますしオシャレですね。東京発ののぞみの終点が岡山というのも、何かで東京に行く必要がある時には便利なポイントでした。

余談ですが、静岡から岡山に赴任した当初、子供達があまりの新幹線の発着数の多さに大興奮しておりました。(静岡駅は1時間にひかりとこだま1本ずつ合計2本とかだったので…)

4.デメリットを挙げるとすれば…(あまりないですが)

デメリットはほぼないのですが、大都市圏に比べた時の若干の職種の少なさはあるかもしれません。当たり前ですが、いわゆる外資系コンサルやのような超エリート・超高給な仕事はあまりないように思います。ただ地方大都市としての経済圏があるので、身の丈に合った生活をしていればそこまで困らないかなと思います。

あとは、趣味の登山についてあまり標高の高い山が近くにはないことが言えますが、これは地元の山を発見していけば良いですね。

「田舎の閉鎖的な感じ(ネガティブ感)」についてはまだそこまで感じることはなく、ある程度市街地の近くの住宅街であれば人の入れ替わりも一定程度あるのでこれは場所によるということなのかなと思っています。

5.最後に

上記の他にも「食材の美味しさ」とか「レジャーの豊富さ」とか「有名アーティストが結構来てくれること(しかもチケットが取りやすいこと)」等の細々とした良いところはあると思うのですが、正直「家族で住む」となると気にするのは上記のような「生活コスト、教育環境、医療環境」が気になることの上位かなと思います。それぞれかなりの高水準で満たしているので、今の生活にはすごく満足していますし将来家族で居を構えるにはいい場所だなぁとつくづく思っています。ここから将来のことは転勤族の悲哀と言いますか、あとはタイミングと決断の問題ですね。

ただ冒頭にも記載しましたようにこれまで住んだそれぞれの場所で地域の人の生活や人生設計を垣間見てきて、「人間至るところに青山あり(世間のどこに行ってもお墓がある≒そこで一生を過ごす人の生活がある)」ということも身に染みて感じているので、そこまでの不安はないです。ひとえに子供達が不安なく暮らしていけるかということと、自分ができるだけ長く一緒に住めるかということの2点ですね。将来、どこに家族で定住するかを決める時には岡山の良いところを思い出して比べてみようとも思います。自分にとって将来定住できる場所としての有力な選択肢があることはすごく嬉しいことです。

(おまけ)やみつきになる激安コンビニ「ら・む~マート」さん

岡山市内の至るところにある激安コンビニ「ら・む~マート」さんは弁当198円、お惣菜はほぼ100円~200円、ペットボトル78円、アイス78円といった価格帯でついつい立ち寄ってしまう良心的なお店です。岡山県外にもあるそうですが、初めて見たら少し警戒するレベルの値段ですね。ここで会社帰りに時々少しつまみ食いしている時が最近の楽しみです。他府県ではあまり見ないのではと思ったら中部エリアから福岡までをカバーする東証一部上場企業でした。経営理念を含めて素晴らしい会社さんだと思います。


※書籍紹介

2017年に岡山に赴任することが決まった時に、歴史好きな職場の大先輩が下さったのが岡山県出身・内田百閒の「第一阿房列車」という紀行文でした。タイトルからもわかるようなユーモラスなエッセイです。そしてこの方、1889年~1971年まで82年間生きられた方なのですが、夏目漱石に直接師事された方が1人の人生で明治・大正・昭和の戦前戦後を激動のうちに生き抜かれたことがなぜか不思議でなりません。近代って本当に人生で言えば1代・2代くらいの凝縮された歴史だったのだなということを改めて考えたのでした。