打算と目算と誤算と人情
前回の記事で最後に触れた体験の話です
社会人になってすぐの勤め先の話
当初お店番程度の立ち位置で見習い採用され
その会社のメイン業務のオマケのような存在でした
出来事の全てを記載すると大変な事になるので
タイトルに関わる経緯まではザックリと
オマケスタッフは暇だったのでメイン業務のお手伝い
留守番などが主な仕事
メインの社員さんと仲良くなったり
本社から定期的に社長や上役の方々も様子見に来て
親身に対話してくれる、思い返せば温かい会社でした
ただ、業務が転換するまでに色々な出来事があったこと
転換してから孤独にひたすら作業し続けたこと
家庭事情で日曜定休が厳しくなってきたこと
合わせて退職を願い出た頃の話です
とにかく多忙で、専務からはほどほどでいいと
声を掛けられて居ました
しかし、転換後の業務は基本一人きりでこなしていたので
早く退勤しても残務が後回しになるだけ
何より納期など間に合わない可能性も
と、そのような返答をすると
体調に気を付けるよう声を掛けられました
疲弊していた事と孤独な時間の長さから
仲の良い飲み仲間と退勤から明け方まで
飲み歩いたりしてストレス発散をしていたある日
疲労と睡眠不足から一時間の遅刻
出勤後、本社に連絡し専務に報告
家を出る所で連絡をくれと言われ
その理由は事故か何かと心配だからと
当時は自分が大変、自分が孤独、自分ばかり頑張ってる
そう思っていた節がありました
改めてこう、書き記してもいかに心の底から大事にされていたことか…
自分ばかり頑張ってると思っていた事も
良くやってくれて助かると感謝の言葉ばかり受け取って
自分はとても頑張ってると勘違いしていたと思う
冷静に思い返すと自分が努力して作った
作業効率化のシステムだが
規模の大きい本社でも取り入れられ
本社の社員は対応で大変だった事も耳には入っていた
アットホームな会社だったので、なんだかんだ言いながら従業員全員、社長も含めみんなで頑張っていたのだ
遠く、目に見えなかっただけ
退職願いから後継者を雇用したあとの事
専務から昼食に誘われてご馳走になりながら話された
子会社として有限会社に転換した東京の支社は
夫婦経営で跡継ぎも居ないので
ゆくゆく僕に任せたいのだと
人手が増えれば負担も減り
平日にも休みが挟めて家庭の事情もクリアできないかと
今考えてもどれだけ親身に、どれだけ良く見て
そしていかに大きく評価して貰っていたものか
それでも
人柄がいいから新店舗オープンの店長で来ないか?
今よりいい給料だすよと話す取引先の社長
一度現場を見て話を聞いた
優遇された話だったがどうにも一人でフル稼働する人材をお手軽に雇用して新店舗への経費負担を減らせる
打算が見えた
同じ頃に、憧れのセレクトショップのマネージャーから退職後にうちで働いたらどうかと声を掛けられた
直々に声を掛ける事はない
今より少し時給がいい
そして仲間が居るから孤独じゃないと
なんとも華やかで希望のある提案
充実した生活の
目算
そうして退職前の最後の週には本社から
新人との顔合わせに社長が出張してきた
本社に帰る前日
退勤後に食事に誘われた
ご馳走になりながら専務と同じ話を聞く
飲み屋に連れて行かれ、いい気分で酔いの回った社長
いい子だからこれからも残ってくれるものな
と、流石に少し心が痛んだ
大変だったという体感と
目先の手早い充実と
自分には価値があると思わせる数々の出来事
完全に甘えて逃げたのだ
結果的に、セレクトショップでそれまでよりも
更に過酷な状況になるとはその時は思いもせず
まったくの誤算
今になって思う事は、損得や自己保身よりも
自分を本当に大事に思ってくれる人々の
人情の大事さ
まぁ、後の大変な生活でも沢山の人情
思いやる気持ちには助けられ、恵まれてきた
過ぎてしまうまで、本当に失うまで
一番自分に良かったものは解らない
長々お付き合いありがとうございます
勤務先特定を避けてぼやけた表現が多く
文字量が増えてしまいましたが
この記事があなたの明日からの世界を
より良く出来れば幸いです
どうぞ今を大事に、穏やかな目で周りを見渡してみて下さい