物語の作り方
はじめに、自分の漫画には欠点があることは承知でこの記事を書きます。
自分の漫画は「出来事の連続でのつくりになっていて、展開重視というか、漫画としてのキャラのリアクションが足りてない」という自覚があります。だけど、それでも漫画は一応成立はしてはいて、それなりに読者様がいます。なので、今回は「☆RRR☆流物語の作り方」を公開します。
この記事を書こうと思ったきっかけは、先日ある脚本家の先生のインタビューを聴いていたときのことです。その先生は物語を作る際にはまず「キャラクターの履歴書をつくり、家族構成や生い立ちなど、物語には関係しないものまで広く、細かく裏設定を決めていくことから始める」と語っていました。これって結構どの参考書でも言われていて、「キャラクターをリアルに描くためにはそのキャラクターの家族構成や普段の興味関心事や好きな食べ物まで考えるべき」と書かれています。
しかし、自分は物語を考える上でキャラクターの細かい裏設定などは考えないタイプです。細かい裏設定を考えて、そこから物語づくりに活かせる人は器用な人じゃないとできないんじゃないかと思っていました。
もっと不器用な人間でもできる物語の作り方はないか・・・
そう思い立ち今回は☆RRR☆流の物語の作り方を伝授しようと思ったわけです。
そもそも漫画のキャラクターは現実にいる人間のようにいろいろな側面を持たせる必要はないと思っている。どういうことかというと、いろいろとキャラクターの細かい生い立ちを考えていくとします、すると「あのときはこんなことがあって、でもああいう経験もして、そのおかげでこういう考えももっていて、意外にこんなところもある・・・」ってなると現実にいる人間らしくなっていきますが、これではキャラクターとしては性格ブレブレになると思いませんか・・・。
例えばワンピースのルフィっているじゃないですか、ルフィって性格が一貫していて、「能天気で明るく、情には熱く頼れる人間」っていう”陽の部分を凝縮させたような人間”です。でもそれが、ある時には弱気になったり、悩み始めたり、妙に神経質な一面を見せたら嫌だと思います。ほんのたまーにならそういう意外な部分はあっても良いと思いますが、それはあくまでスパイス、常にいろいろな側面をもっていたらブレてしまいます。
なので、自分は裏設定などはあまり細かく考えません。じゃあなにを考えるのかというと、短い文章で説明できるくらいの設定を考える。ということです
例えばオリキャラのみのるくん
このみのるくんではじめに考えた設定は以下
こんくらいしか考えてなかったです。なので、「みのるくんはメンヘラの引きこもりだけどアニオタでコミケには外出する」とかいう元の設定をブレさせる話は思いつかないわけです。余計な意外性はいりません。キャラクターを極端にしたほうが読者に伝わりやすいと思うんです。
もちろん、意味のある覆しはします。例えば、龍盛と言うキャラは「マッチョが好きで、マッチョと付き合うために自分も筋トレをしてマッチョになろうとしている」というものですが、最終的に恋人にしたのは細身の想音でした。
というように、覆すことでなにか意味があるのなら覆すこともします。
ただ、覆しを日常的にやっていたら性格ブレブレになります。
なので、話を作る時は、短い設定をもとにそれをより極端にする物語を考えます。物語によってそのキャラクターの特徴をより鋭利にします。
というように、短い文でまとめた設定を活かすように物語を考えるまではおわかりいただけたかと思いますが、そのための物語をどうやって考えているか、というのが難しい所だと思います。
正直ここから先は感覚的な方法になってしまうので、向き不向きがあると思いますが・・・
自分の場合はキャラクターのデザインと短いキャラクター設定が完成したら、まずはそのキャラクターのデザインを眺めながら、音楽を流し「そのキャラクターらしいシーンを想像していきます」
例えば、今回「35ツイート後に鎖が解ける話」は以下のイラストを眺めていました。ちなみに竜星の短いキャラクター設定は「世の中に冷めた態度をとり、気が強くやや攻撃的だが、自分を慕う人間には優しい」という感じでした。あとは民族的なことでいうと日本人じゃないんですが、それはここでは割愛します。
そしてこれを眺めて聴いていた音楽は「氣志團と東京スカパラダイスオーケストラとのコラボ作の【One Night Carnival】」と・・・
それと「15MUSの【脳裏】」を流していました。
気志團の「One Night Carnival」ではこの曲調により「竜星のアウトローな感じがふわふわ頭によぎり⇒いやこいつ絶対なにか問題かかえてそうと思い⇒20歳のころに酒乱の親父へ反撃し金銭を奪って逃走」が思いつきました(笑)
そして15MUSの「脳裏」では歌詞にある「きみの脳裏に居たい、思い通りにしたい」っていうフレーズがすごい印象的で、そこから「あぁ、確かにかわいい子を思い通りにしたいよなーと共感⇒竜星もそう思うタイプの人間だろうなーと思い⇒みのるくんになんだかんだ会いに行ってるのは純粋な優しさではなく竜星の自己満足だな⇒世の中から逃げている竜星はみのるに懐かれることで自分の存在を確認している」ということが思いつきました。
こんな調子で何個も何個も断片的なシーンを考えていきます。そして、それらのシーンをひとつずつ小さい紙に書いていきます。だいたい今回は50個くらいできあがったと思う。それを時系列に並べていきます。
そして、なんとなくでシーンを時系列に並べたら、「どんな終わり方をするか」決めます。(前にTwitterで「物語を考えるときはどういう終わり方をするかを先に考える」といいましたが、今話してるのはそれ以前の作業のことで、今思いついている断片的シーンの数々はここで取捨選択し、ほとんどを捨てることが前提です。なので、むしろこの断捨離を済ませ、「どういう終わり方をするか」を決めてからが物語づくりの本当のはじまりです)
ということで、「どんな終わり方をするか」を考えたら、次に「どんな始まり方をするか」決めます。始まりは「終わりで解決されている問題」を抱えている始まり方がいい。例えば、「仕事で成功して出世する」という終わりを迎えることが決まっていた場合、始まりは「仕事がうまく行っていない」という始まり方にしたほうがいいです。
そうすると、始まりと終わりが一本の線で繋がります。そしたらその始まりと終わりの間に起こる出来事を考えていくだけです。
出来事を考えるのは、さっき話したように「キャラクターの絵を見ながら音楽を聴き、断片的なシーンを考え、それを小さな紙に書いて、数十枚溜まったら取捨選択して時系列に並べる」ということです。
あとは物語を構成についてですが、構成については☆RRR☆が学んだ本があるのでそちらを紹介します
それはこちら↓↓