拝啓、雨の世界の二人へ
わーーこっちの肩ずぶ濡れじゃーん、ごめんねー
ちっちゃいビニール傘を閉じながら会話をしている学生カップル。
全然、まじ大丈夫だよー
夕刻、降りしきる雨、盛岡駅の地下道入り口、
なんだこの会話、あの街角で、ずるい、絵になる。
きっとあの瞬間、自分たちしかいない世界に彼ら二人はワープしていたと思う。彼らの横を通りすぎた私はきっと背景でしかなかったんだろうと思う。
付き合いたての二人なのか
付き合ってしばらく経った二人なのか
恋人でも何でもない二人なのか
これから恋人に発展する二人なのか
肩を濡らしてまで傘を差してあげた彼、彼女のこと幸せにしてやれよ。
二人とすれ違ったほんの数秒でこんなことを考えた仕事帰り。