名もなき家事

名もなき家事の本を買って旦那に読ませている。
実はこんなに大変なんだよ!って教えたくて読んでみてって言ったのに、
純粋に名もなき家事につけられた名前を見て笑っているだけのような気もする。
そんなに大変ならやらなければいいじゃん、みたいなスタンスの旦那だが、
やらなかったら家の中は、家の人はどうなるんだよ…どうするんだよ…。

結婚したばかりの頃から私が旦那によく言うことがある。
「私はあなたのお母さんじゃないから、それはやらないよ。私の息子にはやってあげるけど、あなたは息子じゃなくて、対等な立場の夫なんだから自分でやってね。」
「あなたのお母さんがやっていることは、あなたが息子だからやってあげているんだよ。私はあなたのお母さんじゃないからやらないよ。」
ということ。
ただ私は専業主婦なので、家事が仕事だ。
夫の召使いというわけではなく、家のことをやるのが本業なので家事のほとんどを引き受ける、と考えている。
仕事なので、やりたいとやりたくないとか関係なくやる。
そして旦那の外での仕事を手伝う、という意味で旦那の身の回りのことをする。
旦那の仕事に必要とあれば、アイロンがけもするし、毎日の洗濯もするし、お昼にお弁当があったら嬉しいと聞けば毎日お弁当も作る。
そういうことで旦那の手助けができれば、と思っている。

それは旦那も同じことで、
そう考えてくれているかはわからないが、
私の仕事を手伝うという意味で、たまに洗い物をしたり、ご飯を作ったり、お風呂を洗ったりしてくれる。
とてもありがたい。
もちろんうちが共働きだったら、「手伝う」なんて言葉は許されず、いつから私の仕事って決まってましたっけ?とキレてしまうだろうけど。
どちらも兼業で家事をするのか、うちのようにどちらかが専業で家事をするのか、ということですよね。
そして旦那が家事を手伝ってくれるとき。
そこで登場するのが、名もなき家事。
これを知っているか否か。大きな違いだ。

今夜は名もなき家事をまったく理解していない旦那と、洗い物において「スポンジ戦争」が起きた。
今夜の夕食は2日目のカレーだった。
私の授乳中に、自ら洗い物のポジションに入った旦那を見て、私は少し嫌な予感がした。
だって今夜は2日目のカレー。
お皿もカレーでベットベトだし、2日目で平らげたカレーのお鍋も洗わないといけない。
洗ってくれるのはありがたいが…。
きっとスポンジが真っ黄色のギットギトになる…!!
私だったら、そうならないようにお湯を沸かしてお皿や鍋に付いているカレーを流してから、スポンジに対してのダメージを極力避けるようにして洗う。
だが、ここで旦那のやる気を削ぐようなことを言ってはいけない。
「ちょっとカレーを落としてから、スポンジ使ってね〜」と、諸々言いたいことをぐっとこらえて要点だけ伝えた。
それに対して旦那「黄色くなったら漂白すりゃいいんだろ」
と謎の発言。私の洗い物スキームの中には存在しないタスク。「スポンジの漂白」
しかし、しかし、そんな謎発言も虚しく、洗い終わったらシンクをのぞいてみると、
黄色くギットギトになってしまったスポンジがしんなりとボテっと置かれていた。
え、なぜ?
なぜこんなに黄色く?
なぜ自分で言っていた漂白もされず?
え、何度洗剤でスポンジ洗ってもヌルヌルなんですけど…
なぜここまでギットギト?
イライラしたが、やってくれたし…と感謝しながら聞いてみた。
「ねぇ〜どうやったらスポンジを黄色くギトギトにしないまま洗えたと思う?」
と。
(今文章にしてみると結構嫌味な聞き方だ。)
すると、旦那はスポンジを油でギトギトにしない洗い方ってなんだ?無理だ。というようなことを言ってきた。
そこで私は、予めお湯をかけたり、使い終わったラップで油を拭ったり、工夫をしているよ、と対策を教えた。
教えたのに…!次回から活かしてくれたらそれでよかったのに…!
テレビを見ていた旦那が立ち上がり、近寄ってきて、スポンジを手に取り、なんと素手で持ったスポンジにそのままハイターをじゃぶじゃぶかけ始めたのだ。
私は初めて見た。素手でハイターをじゃぶじゃぶ触る人間を。
(旦那は仕事柄手の皮が厚くなっていて、薬品にも強いらしい。)
若干逆ギレしながら、ハイター素手で触ってるし、一体なんなんだこの人…?と思いながらも、もう勝手にしてくれと任せておいた。

そんなスポンジ戦争の5分後。
シンクには白くなってしっかりとした面持ちのスポンジが置かれていた。
ギトギト感もなくなっていた。
おそらく次回カレーの後の洗い物をしてもらったとしても、
一度はスポンジは真っ黄色のギットギト状態になるのだろう。
そして本日名付けられた名もなき家事「スポンジ戦争」を経て、
「スポンジの漂白」をしてもらい、本来の白さを取り戻すことになるのだろう。
今宵増えたうちの家事。
「スポンジ戦争」「スポンジの漂白」

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