ぼんやりから抜ける
ようやく朝起きる。
本にしおりを挟んだまま、図書館に返却してしまった。忘れた頃に司書さんから「なかったです」と留守録が残っていた。
大切なしおりだったけれど失くしても大丈夫かもしれない。持ち物に対して異常に執着する時があるけれど、今回は大丈夫そう。留守録に入っていた人の声も冷静に聴けた。ちょっとずつ回復していて、特に具合が悪いところはないのだけれど、この春は大変だった。頭のぐるぐるが止まらないので一刻も早く夏になってほしい。でもぐるぐるは止まらないし身体が思うように動かない。
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「ここまで耐え忍んだのだからなにかきっといいことがあるはずだ」という過度な期待。もうやめておこう、と自分が素直に思えたものはやめても全然大丈夫だった。とても疲れた。誰かが何とかしてくれることもあるけれどたいていは自分のセンサーの方が正解。特に迎え入れてもらえなくても大丈夫だった。身を削ってまで「いる」ことを選択しなくていい、私には身体があって、逃げ足が速い。でももっと早く逃げておけばよかった。あいつらは元気なのだろうか。まあいいや。もう私には関係ないことだ。怒りだけが残っている。雨が降るたびに記憶が薄まっていつかなくなりますように。