凪ぐ
早く眠りたいのに眠れない。社会に向かう時は気持ちをあえて高揚させていて、おそらくそれが身体の緊張に繋がっている。だから眠くて仕方ない時や、少し気落ちしている時の方が、かえって冷静に世の中を見ている気がする。通常モードってなんだっけ。おそらく知らない。突き抜けて優しいのに桁外れにズレている。期待されるとそれに応えたいという気持ちがあって、ただ同時に心底くだらないとも思う。今、今、今。目を瞑れば校庭の端に沈んでいく夕陽と味気ないグラウンドの土埃、いつ怒鳴られるかわからない憂鬱な日々が一気に蘇る。もう終わった、もう終わって、はい、新しいかたちの地獄。いいえ私は今が一番良いと思って生きたい…。フィルム写真について、ちゃんと知りたいと思って色々調べていた。でもよくよく考えると、暗室に籠りたいだけなのかもしれない。リトグラフをやってみたいと思って、同じようによくよく考えると、いずれは自分でその場所を借りて好き勝手したいと思っている。黙々と手を動かして何かに安心したいのかもしれない。結局、誰からも習わないことが一番続いていることが多々ある。天邪鬼なので大勢の人が向かっている方向とは逆に行ってみたらきっと面白いのではないかと考える。いつの間にか寝床の横に本が増えている。私は吐き出す生き物だから、と考えると楽になる。