1年次フィールドワーク‐小河3日目
はじめに
12月9日(土)にフィールドワーク基礎技術演習の小河3日目を行いました!
テーマは「獣害に強い地域づくりから、これからの地域社会を考える」
今回は地域内にある大きなため池、源重郎池の見学と現時点での提案を発表しました。
授業内容
午前中は地域活動の原点ともいえる源重郎池を見にいきました。
源重郎池とは、集落の奥にある大きなため池のことで、江戸時代に私財をはたいて建設した光葉源重郎さんの名前から名付けられています。今の価値に直すと億単位の建設費がかかったのではと推測されています。
最初の建設が1802年であることから、約220年もの年月、地域の方の手によって引き継がれてきました。
小河地区ではこの池の大切さを次世代にも引き継いでいくために、校外学習として小学生と一緒に登ったり、地域内に引っ越しをされた方にも紹介するそうです。
【補足】兵庫県は雨が少ない気候であり、日本一ため池多いことで知られています。よって、昔からため池によって耕作がおこなわれてきました。
実際、小河地区は80世帯と小さな集落ですが13個ものため池があります。
源重郎池はふもとから、約4キロ登ったところにあり、ハイキング気分でした。久しぶりに体を動かした私にとってはいい運動になりました笑
途中の山道は、舗装されているわけではないのですが、車が通れるくらいの道がありました。これは猟師さんや池の点検にいけるように、住民の皆さんで年に1回、整備をしているそうです。
歩いている途中、人ひとり分ほど大きな石が落ちていることがありました。なぜこんなにも大きな石が転がっているのかを聞いてみたところ、「斜面を見てみ、木の根っこが成長して石を割りよるんよ」と教えてくださりました。
大きな石は、林道整備のときにどかすそうなのですが、一人で動かせない時はふもとまで戻り、人を呼んでまた登ってくることもあるそうです。
自然の生命力の高さは、自分の目で見ないとなかなか伝わらないものです。
また、道の途中には北峰の滝と呼ばれる別のため池からの滝をみることができます。この日は放水する日ではないため水量が少ないですが、田んぼに水を入れる時期になると小さいながらも迫力があります。
ほぼ山の頂上までいくと景色が開け、源重郎池が見えてきます。
左の石碑は平成2年に漏水していた池を補修した際に建てたものです。
右の茶色い石はおそらく建設当時からあるもので、石碑の裏には「享和2年」の文字があり、表には梵字で「キリーク」と彫られています。安全を祈願する石碑として建てられたと考えられています。
午後には、2月に控えている提案発表会にむけて仮の提案を住民の方に聞いていただき、提案をより深いものにするよい機会になりました。
おわりに
3日間のフィールドワークを通して、住民のみなさんで行われている地域活動、ゆず栽培と獣害対策を実際に見ることができました。
2月に控える提案発表会では、人口減少・高齢化を抱える中で地域活動をどのように維持できるかを考えていきます。
小河へフィールドワークに参加していた学生たちは、大学周辺では体験できない経験を楽しみながら行い、わからないことがあったら住民の方へ積極的に質問していました!ぜひ、若い世代から地域をよりよくしていってください!
(TA 修士1年 丸山)
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