自分で自分の誕生日を大切な1日にする
誕生日を迎え、25歳になった。
誕生日は1年に1度しかない特別な日。
そんな日に自分が自分を祝わなくてどうするんだ?!ってことで、
今年の誕生日は休みをとって、自分の好きなことをして過ごす。ご自愛日にしよう。
何がしたいかと考えたとき思い浮かんだのは、
桃のパフェが食べに行こう、だった。
スーパーに桃が並ぶ季節になると、桃のパフェが食べたいって思うのに、いつも時期を逃してしまっていたのだ。
誕生日だし、いっちゃおう。
桃づくしのデザートのプレートを注文した。
パフェだけじゃなくて、ワッフルやカステラ、サンドウィッチ、ヨーグルト...全て桃。
こんなに贅沢に桃を味わえるなんて、最高だ。
せっかくのお出かけだからコスメを見に行くことにした。デパートや百貨店の化粧品売り場って、憧れはあるけど行きづらい。普段は遠目から見て通り過ぎてしまうけど、その日は行ってみようと思えたのだった。
リップだけでもこんなに種類があるのか...
この中から自分に合うものを選べるのだろうかと絶望した。
そんなときに店員さんに声をかけられた。
いつもなら人見知りを発動し大丈夫ですってその場を立ち去る。でも、この日は勇気を出せた。普段はピンク系のリップが多いから、いつも使っていない色を試してみたいと、何とか要望を伝えられた。
店員さんが見繕ってくれたブラウン系のリップを塗ってもらった。綺麗な色...思わず呟いていた。
リップだけじゃなくて、リップに合うアイシャドウもつけてもらった。
仕上げに、コンシーラーを目元に塗ってもらうと、顔色がぱっと明るくなった。
いつもの自分じゃないみたいだ。
化粧してもらって、華やかになる私。
カウンターの鏡に映る自分を見てしまう。
店員さんの接客と技術力に感動して、リップとアイシャドウを購入した。
まさかコスメが自分への誕生日プレゼントになるとは思っていなかった。
今日の体験を忘れないように。
自分で楽しむために化粧をしよう。
食べたかった桃のパフェを食べ、
化粧をしてもらい、素敵な1日になった。
𓂃 𓈒𓏸
少し前の私は、誕生日は恋人や友達と一緒に過ごしたい。祝われたいって願望が強かった。
かつての恋人には誕生日を忘れられた。何も言わなくても誕生日は祝ってくれるんじゃないかって思っていた。
毎年お互いの誕生日になると、おめでとうってメッセージを送りあっていたのに、今年はその友達から連絡が来ない。
大切な恋人や友達なら誕生日を覚えてくれているだろう。祝ってくれるだろう。勝手に期待して、傷ついて悲しい気持ちになっていた。
自分にとっては特別な日であっても、他の人にとってはなんでもない1日なのに。
去年の誕生日はなんでもない1日にしようとして、出勤した。自分自身には何もしなかった。
誰かに期待はしなくなったけど、自分を大切にしていないようでなんだか寂しい気持ちになった。
誰かに期待するんじゃなくて、
自分で自分の誕生日を大切な1日にする。
そういう気持ちで誕生日を迎えられると幸せで、とても素敵な日になるんだ。
25回目の誕生日で、やっと気づけた。