音楽の世界から一転、目指すはアウトドア業界で活躍する女性の憧れ的存在!
学生時代からオーボエ奏者として、演奏会への出演や学生指導のほか、オーダーメイドでオーボエの吹き口製作なども行う。大学卒業後に演奏家として活動し始めた頃、新型コロナの影響で、思うような音楽活動ができなくなり、自分の人生と向き合うことを余儀なくされたという上岡さん。13年間続けてきた音楽から離れ、それまで縁遠かったアウトドアの世界で新たなスタートを切ったのが約3年前。「アウトドア業界で働く人はまだまだ男性のほうが多いんですけど、女性も活躍できるので、そのことをもっと多くの人に知って欲しい!」と力強く語る上岡さんをご紹介します。
<R.projectグループのキャンプ事業を担う、株式会社Recampとは?>
四季折々の自然資源、味覚、人々の慣習、歴史など、日本にはまだ発見されていない魅力がたくさんあり、キャンプには、それを実感させる力がある。キャンプのあり方を、「再発見」「再定義」「再価値化」を通じて「新しく=RE」し、日本の遊休資産を活用、地域活性に貢献するキャンプ場の企画・運営を行っています。
地域の歴史や自然、文化を楽しむための中継地点として、キャンプフィールド周辺の体験価値の編集、そしてそこにアクセスするのに最適化された「通過型キャンプ場=BASECAMP」づくりを目指し、北海道から九州まで9道府県で20拠点のベースキャンプを多様な事業形態で展開しています。
━━入社のきっかけは?
上岡:こどもの頃から遊んでいた地元の浜に「RECAMPりんくう」ができると聞いて、あんなところにキャンプ場ができるの!?と驚いたと同時に、変なことをする会社が来た!と思っていました(笑)。コロナの影響で音楽活動ができなくなったこともあり、しばらくアルバイトをしようと思い、「RECAMPりんくう」に応募したのがきっかけです。
その時お会いしたマネージャーが面白くて、最初は面白い会社には面白い人が集まるんだ…くらいの感じでした(笑)。キャンプ場を運営する会社があることをこのとき初めて知って、会社のビジョン等を聞くうちに、興味を持つようになりました。
私は指を怪我すると楽器が演奏できなくなるので、学生時代からスポーツやアウトドアを控えてきた人生だったんですけど、音楽だけが人生じゃないかもと思い始めた頃でもあったので、この会社に飛び込むことで「もしかしたら人生が大きく変わるかもしれない」という期待がありました。
━━入社後に感じた会社の印象はどうでしたか?
上岡:会社という組織に持っていた固いイメージとまるで違っていました。和気あいあいと楽しく仕事をしています。
社会人経験もほぼ無い、ましてや畑違いから来た私に対しても「上岡さんのそういうところいいね!」と言っていただくことも多くて、人にも会社にも励まされながらやってきました。
いろんなチャレンジをさせてもらえたり、会社の方針にかかわるようなことでも意見を聞いてもらえたりすると、「自分も会社を作っていく一部になれるんだ」と実感することができて、そういった点でベンチャーの良さを強く感じています。
━━生まれ育った大阪を離れて、他エリアでの勤務を希望したのはなぜですか?
上岡:楽器をやっていたこともそうですが、親にも師匠にも恵まれて、家族や友達とも仲が良くて、毎日幸せだなぁと思って過ごしてました。実際に音楽の仕事がなくなったときに、恵まれた環境に甘えていたことに気づいて、自分自身を叩きなおそう!じゃないですけど、楽器を離れるのなら、どこにでも行くぞ!という思いがありました。
━━仕事も生活環境もがらりと変わった今、感じていることは?
上岡:勝浦は旗艦店ということもあって、ほどよいプレッシャーがあります。お客さまの数も多くてとてもやりがいのある施設です。りんくうとは規模が違うので、ひとつひとつの仕事が少しずつ違っていて、最初は慣れないこともありましたけど、勉強になることも多く毎日充実しています。
━━運営部とストアマネージャーの仕事とは?
上岡:社内のあらゆる部署が携わって準備してきた施設を始動させ、継続させていくのが運営部の仕事です。いただいた素材を良くするのも悪くするのも運営部だと思っています。運営部の仕事は、フィールドとストアのふたつに分けることができますが、自然環境を整えて提供価値を上げるのがフィールドの仕事で、私のやっているストアマネージャーの仕事は、売上管理や口コミ管理、売店の管理等があります。どちらかと言えばデスクワークが多いポジションです。
━━お仕事をするなかで気を付けていることや大切にしていることは?
上岡:キャンプ場は、自然環境のイレギュラーと人のイレギュラーがミックスされるので、いろんな問題が起こります。なので、何か問題があった時の早期解決と、優先順位の整理を意識して取り組んでいます。こういった仕事に対する姿勢は、最初に指導してくださったマネージャーの藤田さんの影響が大きいです。
━━1日の仕事の流れを教えてください
上岡:まずは宿直スタッフからの引継ぎ事項の確認をして、朝礼でイベントの有無や天気チェックを行い、通常通り営業できる状況かなどを判断します。それが終わると、場内清掃や売店商品の補充、チェックインの準備があります。例えば、グループのなかにカップルが入らないようにするなど、予約者のカテゴリーに合わせて細かくサイトの振り分けもしています。午後になるとチェックインが落ち着くので、週末はイベントの対応等、平日は物販品の発注や口コミへの返信が主です。他には、改善事項をフィールドマネージャーとストアマネージャーで確認して実行計画を立てたり、月に一度実施しているミーティングの準備をしたり、といった流れです。
━━社内のコミュニケーションはオンラインが多いと伺ってますが、何か心がけていることはありますか?
上岡:半年ほど前に「ミーティングに参加してくれると場が和む」と言ってくださった方がいて、場の空気が明るく和やかになるのであれば、と“私ができること”を意識しています。画面上では挨拶のタイミングで手を振ることもあるんですけど(笑)、その瞬間ふっと空気が軽くなったりします。あと、社内チャットのやりとりも絵文字を多用するとか、とにかく固くならないようにしています。そんなふうにやり取りをしていると、直接会ったことのない他施設のスタッフとの距離も近くに感じられることがあります。
━━職場(施設)内でのコミュニケーションは?
上岡:勝浦はマネージャーが同じ女性ということもあるのか、もともとあった良い雰囲気、優しい空気感のなかに入っていって仕事ができている感じです。年齢関係なく、関西弁のノリでボケ・ツッコミのやり取りもできるし、上司・部下、先輩・後輩というよりは“チームメイト”という感覚です。
━━仕事の面白さややりがいはどんな時に感じますか?
上岡:私が利用者の立場だとして、どんなに素敵な施設でもスタッフの対応が良くなければ、また行きたいとは思えないです。勝浦は古い施設で設備が整っていないこともありますが、それを補えるのは「人の力」しかないと思っています。こちらの想いはお客さまにも伝わるので、リピートしてくださるとか、お客さまの次のアクションに繋がってくると、接客業の面白さを感じます。
あとは、シャイなこどもが、帰り際になって「帰りたくない!」と抱きついてくることもあって、キャンプがこどもの成長に与える影響を目の当たりにすることがあると、嬉しいし、やりがいにも繋がります。
━━これまでの仕事で印象に残っている成果・成功のエピソードは?
上岡:物販や口コミ、SNSなどいろんな担当業務に取り組むなかで、キャンプ場に求められるものは何か?は常に考えていました。交渉や意見交換は個人で活動していたころから慣れていたものの、会社として交渉するとなると難しさもありました。ただ、妥協すべきでないところは決して妥協せず交渉して、仕入れた商品が結果的に大ヒット商品になったこともあります。私の熱弁(笑)に、取引先の方も真摯に対応してくださって、付帯売上アップにも繋がって、あの時諦めずに交渉して良かった!と思っています。
━━反対に苦労した、大変だったエピソードはありますか?
上岡:Instagramを始めたとき、“毎日投稿”を目標に掲げたんですけど、実行するとなるとネタ探しがものすごく大変でした(笑)。ただ、そのおかげで場内に咲いている花の場所や品種に詳しくなったので、今思えば良い勉強になったな、と。
━━ご自身のキャリアアップのために何かやっていることは?
上岡:会社の評価制度の見直しも行われていて、会社主導でのキャリアアップもやりやすくなっていると思います。いろんな情報を積極的に取得し、マネージャーに求められるスキルは何か?を意識しながら働くことができています。オープン施設の担当や一店舗を自分の判断で運営できるようになることが目標です。女性マネージャーとして理想像が目の前にいるので、「私もこんなふうになりたい!」と思いながら、マネージャーを目指して仕事をしています。
━━趣味や夢中になっているものは?
上岡:熱しやすく冷めやすくて、多趣味なんです。秋冬はキャンプに行くんですけど、20度を超えると行かなくなるので、もっぱらオフシーズンに楽しむという感じです。今は10年前のドラマをひたすら見返しています(笑)。あとは、ネイルが好きなのでネイルをしたり、ハンドメイドのイヤリングを作ったりするんですけど、趣味がコロコロ変わるのでそのたびにパーツをバラして作り直してます(笑)。
他にも、2ヶ月に1度は物を捨てる日というのがあって、どんどん捨ててスッキリする!とか。昨年は服を集めるのがブームだったんですけど、今年は服を捨てるのがブームなので何やってるんだろう?と思うこともあります(笑)。
とにかく、コレ!というものはないんです。
━━仕事とプライベートを両立させるコツはありますか?
上岡:仕事を100%で頑張るとプライベートも100%で楽しめて、プライベートを100%で楽しんだ後は仕事が100%で頑張れると思っているんです。なので、ダラダラすると決めたらほんとに何もしない(笑)ということもあります。
━━仕事やプライベートの経験が相互に活かされていると思うことは何かありますか?
上岡:もともとフットワークが重かったんですけど、この仕事をして、自己解決の大切さを感じて行動していたら、フットワークが軽くなりました。
楽器の演奏に関する問題や悩みは解決するまでに時間がかかることが多かったんですけど、今の仕事は良い意味ですぐに解決できることがたくさんあって、もちろん難しい問題もありますけど、自分の考え方や動き次第だと実感するようになってからは、プライベートでもすごくフットワークが軽くなりました。ネガティブ思考がポジティブ思考になった自分の変化も感じます。
━━最後にご自身の生き方、働き方をひとことで表すとすれば?
上岡:「今という瞬間を100%で生きる」
大切なのは今を捉える感覚であって、今を100%で生きれば未来に繋がるし、それを実現する力になると、尊敬している演奏家の方が言っていたことばですが、まさにその通りだな、と。
明日どうなるかはわからない、どんな未来になるかわからない、不確定な未来に失敗や苦労があったとしても、自分が全力を尽くせていなかったことを原因にしたくないんです。どんな結末になったとしても、100%の力を尽くして「私はこれだけのことをやった!」と言える自分でいたいと思っています。
<編集後記>
新型コロナウィルスは、私たちの暮らしや考え方に少なからず影響を及ぼしました。そのタイミングで自分を見つめ直し、13年間続けてきた音楽にスパっと区切りをつけ、自分自身が変わることへの「期待」と「希望」を抱いてアウトドア業界に飛び込んだ上岡さん。そこで出会った人や仕事に刺激を受け、自分のものにして、どんどん成長していく、、、そんな彼女はまるで吸収力抜群のスポンジのようでした。今回のインタビューでは、仕事についてお話を聞いていたはずが、いつしか人生を豊かにする心構えを教えてもらっていたような、、、ちょっと得した気分になりました。
「キャンプ場の仕事は女性が活躍できることがたくさんある」という上岡さんが、アウトドア業界で働く女性の憧れになる日はそう遠くはないと確信しています。
取材・文:j.funakoshi
取材日 :Aug.2023
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