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固定式ラビュリンス解説【遊戯王OCG】

 こんにちは、白銀の城の一般人です。

 今回は遊戯王屈指の複雑効果の名をほしいままにしている、「固定式」シリーズを搭載したラビュリンスデッキを解説していきます。
 それでは早速

1.「固定式」カードとは?

 2024年7月現在、「固定式」カードに該当するカードは2種類(※内1種はMD未実装)存在しています。それぞれ効果を見ていきましょう。

 ・・・まるで意味がわからんぞ!

 テキストを1回読んだだけじゃ、実際ほんとに意味が分からないと思いますが、要約をすると

『壱時砲固定式』:条件を満たすと最大6枚までデッキバウンス
『連慄砲固定式』:条件を満たすと相手フィールドのカード全除外

 これだけです。めちゃめちゃ強そうに見えますね。実際、「壱時砲固定式」はともかく「連慄砲固定式」は使いこなせばかなり強いです。

1-1.「壱時砲固定式」の解説

 さて、カードのテキストを見たところで、次は各種カードの発動条件などを深掘りしていきます。
 まずは「壱時砲固定式」です。名前から想像が付く通り、元ネタは「一次方程式」であり、効果もそれをイメージしたものとなっております。バトルフェイズにしか使えない、やや扱いずらい発動条件を持っています。
 テキストが長ったらしいので、式にして表すと以下のようになります。

(式)
_________________
x=宣言した数
(選んだモンスターのレベル)x+相手フィールドのカードの枚数=自分の墓地のカードの枚数
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 これが成立すれば、宣言した枚数までデッキバウンス、失敗すれば、×500のダメージを受けることになります。
 ただまぁ、式として並べてもイメージしにくいと思うので、実際のフィールドを基に考えていきます。

 例えば、上記のようなフィールドが存在しています。この状況で「壱時砲固定式」を発動する場合、どの数字を宣言し、どのモンスターを選べばバウンス効果を適用できるでしょうか?

 答えは「4を宣言して、『スネークアイ・エクセル』を選ぶ」です。

 なぜそうなるのかを、上に挙げた式と照らし合わせて説明します。

 まず、『宣言した数=x』になるので、今回の場合は『x=4』となります。

(選んだモンスターのレベル)x+相手フィールドのカードの枚数

この式にそれぞれの数を代入していくと

選んだモンスターのレベル=「スネークアイ・エクセル」=☆1
x=4
相手フィールドのカードの枚数=4

となり、このような式が出来上がります。

1×4+4

答えは『8』になりますね。

 さて、これを踏まえて、フィールドの墓地の枚数を確認します。8枚ですね。
 おめでとうございます、これで方程式成立です。宣言した数の4枚まで、相手フィールドのカードをデッキバウンスできます。

 この「壱時砲固定式」というカードはその性質上、より多くの枚数をバウンスしたい場合は、『相手モンスターのレベルができるだけ低く、自分の墓地が肥えている』必要があります。
 おまけにバトルフェイズにしか使えないので、やはり少し使いにくいですね。

1-2.「連慄砲固定式」の解説

 続いて、「連慄砲固定式」です。こちらは「連立方程式」が元ネタとなっているカードです。
 このカードは前提として、『同じランクのXモンスター2体と、融合モンスター1体』がEXデッキに存在している必要があります。

 効果の手順としては、以下のようになります。
①:お互いの手札・フィールドの合計枚数と同じになるように、融合モンスター1体と、ランクが同じXモンスター2体を除外
②:相手フィールドのモンスターを選び、そのレベル・ランクと同じになるように、除外されている融合・Xモンスターを1体ずつEXデッキに戻す
③:相手フィールドのカードを全て除外

 こちらも先程と同様、一旦式にしてから、画像と共に解説をしていきます。

(式)
_______________
エクシーズモンスターのランク=X
融合モンスターのレベル=Y
として、

2X+Y=お互いの手札・フィールドの数の合計

X+Y=選んだモンスターのレベル・ランク
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 この2つの式がそれぞれ成立した場合、相手フィールドのカードを全て除外できます。
 さて、例題を見ていきましょう。

 まず確認すべき事項は、以下の2点です。

①お互いの手札・フィールドの合計
②相手モンスターのレベル・ランク

①は11枚、②は☆1と☆8ですね。
これを上の式に当てはめると

2X+Y=11…①
X+Y=1 or 8…②

となります。

 さて、この式の条件を満たすXとYの値はなんでしょう?
ちなみにヒントとして、②の右辺は8を参照します。

 答えは、X=3,Y=5 です。つまり、ランク3のXモンスター2体と、レベル5の融合モンスター1体が必要となります。

・・・・・・これをデュエル中に計算するの?

A.いいえ、しません。

 こんな計算を手札とフィールドの数が変動しまくるデュエル中に、しかも暗算で、自分の展開なども考えながら…普通に考えて無理です。
 そこで、これを簡単に処理できる計算式を用意しました。そうです、裏技です。

_______________
(式)
(お互いの手札・フィールドの数)-(選びたいモンスターのレベル・ランク)=X
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 これだけです。ただの引き算です。これをやるだけで必要なXモンスターのランクが定まります。そしてこれが分かれば、融合モンスターのレベルも引き算をするだけで分かります。
 上記のフィールドを元に計算しましょう。

手札・フィールドの枚数=11
モンスターのレベル・ランク=8

11-8=3…必要なXモンスターのランク
 ↙︎  ↙︎
8-3=5…必要な融合モンスターのレベル

 終わりです。簡単でしょう?
 さて、座学の時間は終わりです。長かったですが、本題の構築の話に行きましょう。

2.「固定式ラビュリンス」

 では早速、構築を見ていきましょう。

http://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/member_deck.action?cgid=df06d31eaa17a0824cacde188cac7b6f&dno=349&request_locale=ja

 前提として、「連慄砲固定式」の性質上、EXデッキの大部分はそれ用に構築しなければなりません。
 今回の構築では、「カオスアンヘル」「ティフォン」「デスキャスター」を除いた、12枚が「連慄砲固定式」の射出用カードで構成されています。そのため、「強欲で金満な壺」との相性は極めて悪いです。
 反面、射出用カードにそれぞれ別個の役割を持たせれば、後述の理由も耕せて「天底の使徒」との相性はかなり良くなります。

 この構築での射出用カードの構成は

Xモンスターのランク:3・4・6
融合モンスターのレベル:1・2・4・6・7・8

 どのレベル・ランクのモンスターを採用するのか、どんなモンスターを射出するのかは各々の好みによりますが、個人的にはこれがしっくり来ています。
 パニッシュメントや天底で落として強い「旧神ヌトス」や「共鳴の翼ガルーラ」、「簡易融合」の採用で、「ビッグウェルカム・ラビュリンス」への誘発受けを補強できる「ミレニアムアイズサクリファイス」や、それをサーチできる「捕食植物キメラフレシア」など、融合モンスターに関しては全員が射出以外の役割を持っています。

2-1.固定式ラビュリンスの動きや意識

 『壱時砲固定式』の効果で墓地を参照するタイミングは、効果処理時です。
 したがって、あえて式が成立しないタイミングで効果を発動し、家具の効果やロールバックなどで墓地の枚数を調整することで、相手の思考をバグらせながら効果を通すことができます。
 「固定式」カードがラビュリンスと相性がいい最大の理由がこれであり、この使い方は「連慄砲固定式」でも活かすことができます。
 例えば「白銀の城の竜飾灯」においては、効果を発動するだけで手札・フィールドを-1枚、墓地を+2枚できます。
 「ビッグウェルカム・ラビュリンス」で「白銀の城の召使い アリアンナ」を出せば、その効果で手札・フィールドを+1枚、「白銀の城のラビュリンス」なら、破壊効果で-1枚できます。墓地に家具があれば、そこからさらに枚数変動が期待できます。
 このように、効果を駆使して枚数調整をしていくことで、「固定式」カードの効果を遺憾なく発揮できるのです。

2-2.天底型とのシナジーと小技

 前述の通り、「天底ギミック」はEXデッキのラインナップによって、「固定式」との相性を補強できます。
 しかし、それとは別にシナジーを見出せる点がもう一つ存在します。それが、「教導の大神祇官」です。


 1-2で書いた「連慄砲固定式」の手順をもう一度見てみましょう。

①:お互いの手札・フィールドの合計枚数と同じになるように、融合モンスター1体と、ランクが同じXモンスター2体を除外
②:相手フィールドのモンスターを選び、そのレベル・ランクと同じになるように、除外されている融合・Xモンスターを1体ずつEXデッキに戻す
③:相手フィールドのカードを全て除外

 手順②で戻すカードは、手順①で除外したカードである必要はないのです。
 例えば、あらかじめ「共鳴の翼ガルーラ」が除外されているのなら、手順①で除外したカードにガルーラが含まれていなくても、手順②で戻せるのです。

 例えばこの盤面、手札・フィールドの合計が11枚で、相手フィールドはバロネス1体なので、11-10=1…Xモンスターはランク1、融合モンスターはレベル9が必要になります。
 しかし、EXデッキにランク1エクシーズ、ないしはレベル9融合が採用されていなかった場合、効果は不発になってしまいます。、
 ですが、除外ゾーンにガルーラがいれば、ランク4エクシーズ2体とレベル3融合を除外し、ガルーラとランク4エクシーズを戻すことでも「連慄砲固定式」を成立させることができるのです。

 この、あらかじめ融合モンスターを除外する行為をスムーズに行えるのが、「教導の大神祇官」というわけです。

まとめ

 いかがだったでしょうか。僕なりに砕いて解説したつもりですが、そもそもカード自体がかなり難解なので、一回で理解するのは難しいと思います。
 おもしろいデッキを使いたいなと考えている人の一助となれば幸いです。使ってみましょう、「固定式ラビュリンス」!

 また、ここから先は有料ゾーンに設定しますが、各種固定式をうまく扱えるようになるための実践的な例題を出していきます。興味のある人はぜひやってみてね!

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