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カルーセル(回転系遊具)に関する追加の特定安全要件と試験方法について、(タイプ別の詳細要件)

おはようございます。本日も素敵な一日になりますように願っております。

カルーセル(回転系遊具)に関する追加の特定安全要件と試験方法についてシリーズで記述しております。今回はタイプ別の詳細要件に関して説明させて頂きます。

BSI EN-1176-5:2019(12-17頁)によれば、

カルーセル(回転系遊具)はEN1176の本〔カルーセル(回転系遊具)に関する〕パート内(EN-1176-5)で、別段の定めがない限り、EN 1176-1に適合するものとします。

タイプ別の詳細要件

タイプA:回転チェアー型カルーセル(回転系遊具)

カルーセル(回転系遊具)の直径(d)は2000 mmを超えないものとします。

地表面とのクリアランス(隙間/空間)(H₂)は400 mm未満にならないものとします。

周縁に均等な間隔を空けて少なくとも3つの利用者(利用)場所がなければなりません。シート(座席)を供給される利用者(利用)場所には、背もたれまたは握り(ハンドグリップ)を備えられてなければなりません。

カルーセル(回転系遊具)の軸の周囲に動く全ての構成分品は、バリが無く、少なくとも5 mmの半径で丸められているものとします。

各シート(座席)の両方向に衝突の可能性がある先端/前縁は EN 1176-2:2017, 附属書Bに従って試験されるものとします。地表面は50g以下の加速度のピーク値でなければならない上に、平均地表面圧縮は90 N / cm2以下でなければなりません。

タイプB:プラットフォーム(床)付きカルーセル(回転系遊具)

注記 このタイプのカルーセル(回転系遊具)に関して、プラットフォーム下に挟み込みのデンジャー(危険)があります。更なるハザード(危険)がプラットフォーム下面と地面との隙間に突出しているボルトや上部構造物のような部品をカルーセル(回転系遊具)の構造物が有していることです。

カルーセル(回転系遊具)は、同じ方向に回転する構成要素を備えた密閉された硬質なプラットフォーム(床)を含むものとします。軸は±5°以内で垂直でなければなりません。

プラットフォーム(床)の外縁はカルーセル(回転系遊具)の円周を形成するものとします。いかなる上部構造物もその外縁を超えて突出てはなりません。

中央に固定された手で掴むハンドル(ハンドホイール)を有するタイプBのカルーセルは、どんなエントラップメントも避けるように構築されなければなりません。例:中央の柱や手で掴むハンドル(ハンドホイール)に開口部や突起部があってはなりません。

地面と同一平面上にあるプラットフォーム(床)
地面とプラットフォームの外縁との隙間(A)は8 mmより狭くなければならない。(次の図参照)

プラットフォーム(床)表面の上部と地面との垂直方向の高低差は(B)は20 mm以下(≤ 20 mm)でなければなりません。(次の図参照)

図ー隙間と変位
凡例: A 隙間  B 垂直方向の高低差  1 回転軸

地面と同一平面上にない回転台
地面とのクリアランス(隙間/空間)は 60 mmから110 mmの間、もしくは400 mm以上(≥ 400 mm)でなければなりません。ルーズフィル(緩い充填)素材(砂やウッドチップなど)に関して、地面とのクリアランスは基準位置標点から測定して、400 mmの隙間は300 mm以上まで減少させることができます。

注記 地表面の変位がプラットフォーム(床)下での衝突を防ぎます。

回転プラットフォーム(床)の最小円周と最大円周の差は50 mm以下(≤ 50 mm)でなければなりません。どの角にも50 mm以上(≥ 50 mm)の半径で丸めなければなりません。(次の図参照)

図ープラットフォーム(床)の丸み
凡例:      A 最小円周    B 最大円周    C プラットフォーム(床)の縁  
D 十分に丸められていない角  E 最大許容円周を超えているプラットフォーム(床)の縁

60 mmから110 mmまでの地面とのクリアランスに関して、プラットフォーム下面に最小円周から中心軸に向かって最小300 mmの間に怪我を引き起こす逸脱がないものとします。

300 mmを超える地面とのクリアランスに関してプラットフォーム下面に怪我を引き起こす逸脱がないものとします。

円周の位置で測定される際、110 mmから400 mmまでの地面とのクリアランスは許可されません。

次の図で示されている様にプラットフォームの下面との隙間が軸に向かって小さくなるカルーセル(回転系遊具)の時、地面とのクリアランスの要件は適用されません。

注記 その狭くさせる形状の目的は、利用者がカルーセル(回転系遊具)の下側を這っていく方向を逸らすためです。

図ー軸に向かって狭くなるカルーセル(回転系遊具)の地面とのクリアランスの例
凡例:   H₂ 円周で測定される地面とのクリアランス

タイプC:頭上式カルーセル(回転系遊具)

1 800 mmより下に延びる利用者(利用)場所の吊り下げ部は、柔らかく曲がる素材でなければなりません。

硬質な利用者(利用)場所は、基準位置標点に関連する同等の高さでなければなりません。手の支えが堅く曲がらない素材で不連続の場合は地面とのクリアランスは1800 mm以上(≥ 1 800 mm)であるものとします。

単点の吊り下げ部分が400 mmを超える長さの時、高さ2000 mmより下に延びる吊り下がる部材の直径は25 mmより大きく(> 25 mm)なければなりません。(チェーンに関して、チェーンの環の全幅は25 mmを超えて(> 25 mm)なければなりません)吊り下げ要素の残りの部分はグリップ(握り)の要件を満たすものとします。

注記 より硬質なロープは、直径と構造次第で輪っかを作りにくことから首の締め付け(絞殺)のリスク(危険性)を低減させます。より硬質なロープはそれでもやはり良好なグリップ(握り)にできます。

フリースペースのあるカルーセル(回転系遊具)は通行人との衝突のリスク(危険性)を減らす為、アクセス(接近)経路(動線)から離して配置する必要があります。

構造的完全性と衝撃減衰性
遊び場地表面の上方1800 mm未満(< 1 800 mm)に組付けられ、吊り下げられている利用者(利用)場所は、カルーセル(回転系遊具)から取り外して以前の記事”スウィング(ブランコ)座部(シート)衝撃減衰(吸収)性の測定”に従って試験される際、50gを超える加速度のピーク値を示してはならない上、平均地表面圧縮度が90N / cm2を超えないものとします。

上部支持構造物は軸受け部品の故障が上部構造物の主要構造物から外れる原因にならない様に設計されなければなりません。

タイプD:軌道駆動型カルーセル(回転系遊具)

駆動装置
クランクまたはペダルの駆動装置は、利用者が両手又は両足で回せるように設計されなければなりません。クランクまたはペダルの駆動装置は、フリーホイール(自由回転装置)に取付られていなければなりません。

駆動力がチェーン、歯車、カルダンシャフト又はその類似物によって駆動輪へ伝達される場合、その時は支障(抵触)を防ぐために、駆動部品はすべての側面が覆われているものとします。

これらの覆いの中の開口部は一方向で測定した際、5 mm未満でなければなりません。

クランクアームと覆いや/又は他の固定された構造部品との間の距離は5 mm未満又は12 mm以上でなければならず、その上せん断箇所がないものとします。

覆いが偶然に外れることがありえず、工具の使用でしか取り外せない様に遊具部品と接続されているものとします。

駆動輪
筋力を使う手段で軌道駆動型カルーセル(回転系遊具)を軌道周囲で移動させる駆動輪は、遊具の作動中に利用者との支障(抵触)を防止するために覆われているものとします。

支持(支え)構造
利用者(利用)場所が直接取付けられている上、駆動要素をそれらに備えている支持(支え)構造要素は、回転シャフト(心棒)に組み付けられているものとします。

後日の記事で記述の”カルーセル(回転系遊具)に関する回転シャフト(心棒)への支持(支え)構造部品の取り付け強度の測定方法・A - 偏差(逸脱)”内の手順の細目に従って試験される際、支持(支え)構造の構成要素が100 mmを超えるまで持ち上がらないものとします。

軌道(トラック)
軌道(トラック)上面の端は遊び地表面と同じ高さであるものとします。軌道(トラック)が波打っている場合、遊び地表面は軌道(トラック)の(高さ)水準に沿って形作らるものとします。

駆動輪の覆いと軌道(トラック)間の隙間は8 mmを超えないものとします。

タイプE:傾斜のある円盤型カルーセル(回転系遊具)

回転する円盤の上面は切れ目の無い表面で障害物がないものとします。

プラットフォーム(床)下面には怪我を引き起こす逸脱がないものとします。

タイプEに関して、次の図で示されているように測定される際、地面とのクリアランス(隙間/空間)は緩い充填素材(ルーズフィル:砂やウッドチップなど)の場合で300 mm以上なければならない上、合成素材のような変位のない表面の場合は、400 mm以上なければなりません。

図ータイプE:緩い充填(ルーズフィル)素材に関する地面とのクリアランス要件を示した タイプEカルーセル(回転系遊具)の例
凡例:   1 ベアリング(軸受け) 2 上面 3 傾斜 4 下面 5 基礎 / 台
単位: ミリメーター(mm)

タイプF:ボウル型カルーセル(回転系遊具)

注記 タイプFの主な特徴は、遊具単体の作動の間に発生する遠心力によって利用者が意図せず遊具ユニットから出てしまうリスク(危険性)を低減します助けとなるように利用者を保持することです。

遊具は遊具ユニットの回転時に利用者が遊具ユニット上に立つことを思いとどまらせる必要があります。以下の例によって実現可能です。

- 上半身の支えの欠如

- 立てる表面の欠如(例:表面が一定でない、波打っている、大きな開口がある、不安定である、大きな傾斜がある)

遊具は利用者を遊具上に保持する必要がある。 以下の例によって実現可能です。

- 皿のような外形

- 座ることを促す縁の提供を無くす

- 低い位置での掴まれる握り

直径500 mm未満の自立型カルーセル(回転系遊具)

直径500 mm未満のカルーセル(回転系遊具)は、強制的移動(慣性運動)がないとみなされます。

もし中央の支柱が提供されている場合カルーセル(回転系遊具)の立っている表面から測定されて、支柱の高さが775 mm以上でなければなりません。

プラットフォームから測定されて、高さ1800 mm未満の支柱の部分に関して、後日記述の記事”ロッキング(揺動系)遊具に関する追加の特定安全要件と試験方法について、(手の支えと/又は足置きの突起部の測定)”に従って試験されるものとし、試験リングのどんな突出も外面へはみ出さないものとします。

中央の支柱の構造強度は算出によって又は775 mmの高さで(300±15)秒間(1000±50)Nの力で水平に引っ張ることによって確認されるものとします。引っ張り箇所から測定されて10 mmを超える永久変形が発生しないものとします。

支柱または支柱の付属品は、握るまたは掴ることが出来るようにしなければなりません。

クラスター(遊具が密集した状態)内に配置される場合、支柱付きカルーセル(回転系遊具)が使用されなければなりません。