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衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)

おはようございます。本日も素敵な一日になりますように願っております。

遊び場の衝撃減衰(吸収)地表面材に関してシリーズで記述をさせて頂いております。今回は試験手順について説明させて頂ければと存じます。

BS EN 1177:2018(13-14頁)によれば、

試験手順

衝撃測定の原則

試験されるべき地表面材は、様々な落下高さ(以前の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(規格の適用範囲、引用規格および用語と定義)”内の落下試験の項目参照)から試験装置/器具/用具(以前の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験装置/器具/用具:適合性及び装置/器具/用具の構成要素)” 参照)の装備された頭型(インパクター)が、打ち付けられます。各衝突時に頭型(インパクター)の加速度計から発せられる信号は、その測定される衝撃エネルギーから重症度を得るために処理され、頭部傷害基準(HIC)として定義されますし、その信号は体験されるピーク加速度(gmax)を決定するためにも処理されます。
 
後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(衝撃減衰性を測定する試験装置及び時間に対する加速度と落下高さに対する HICとgmaxの値の曲線の記録(データ)表示の典型的例)”内の図-臨界(危険)落下高さを決定する試験装置は、衝撃測定のための試験用具の仕組みを示しています。
 
後日記載される記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法〔試験方法1 ― 臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)〕"内の試験方法1では最大1000のHICと200のgmaxが得られる落下高さが、その地表面材の臨界(危険)落下高さを定義にするために使用されます、試験方法2ではHICとgmaxを測定するための落下高さが、設置される遊具に関係しており、その特定の遊具現場の場所にある地表面材の性能を検証するために使用されます。
 
時間 / 加速度の曲線
落下試験の各衝撃の時間/加速度の記録(データ)は、処理や算定される前のどんな変則(異常)のために表示され、検査されなければなりません(後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(衝撃減衰性を測定する試験装置及び時間に対する加速度と落下高さに対する HICとgmaxの値の曲線の記録(データ)表示の典型的例)”内の図-時間に対する加速度の典型的記録(データ)表示参照)。どんな1回の落下でも変則的(異常)な結果を示す場合は、同じ試験位置で落下試験を繰り返すか、また、緩い粒子状素材の場合は、問題となる曲線の部分のために新しい未試験の地上位置で落下試験を繰り返して、更に調査します。
 
落下試験用頭型(インパクター)の振動の結果として高周波の構成部分が現れる場合は、標準化されたフィルターによる信号のフィルター作用(濾過)が必要になります。フィルターを使用する場合と使用しない場合の両方を測定し、収集されたデータ(時間/加速度の曲線)が有効かどうかを決定する為にHIC値とgmax値を比較します。

結果の算出
 頭部傷害基準(HIC)値は、以下の公式から各々の時間/加速度の曲線を算出および記録されるものとします。

公式- 頭部傷害基準(HIC)算出式

そしてそこでは、(後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(衝撃減衰性を測定する試験装置及び時間に対する加速度と落下高さに対する HICとgmaxの値の曲線の記録(データ)表示の典型的例)”内の図-時間に対する加速度の典型的記録(データ)表示参照) 

tstart:衝撃の事象の始まりで、頭型(インパクター)の加速度が最初にゼロを超える時間
tend:衝撃の事象の終りで、頭型(インパクター)の加速度が最初にゼロに戻る時間
a:頭型(インパクター)によって体験される加速度で、g(重力による加速度)で表されます
t1, t2:tstartとtendの間にあるtの2つの任意の中間値であり、tはミリ秒(ms)で表されます

tstartからtendまでのサンプリングレート(最小標本化周波数/遮断周波数)は20kHz以上でなければなりません。(以前の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験装置/器具/用具:適合性及び装置/器具/用具の構成要素)”内の記録装置の項目参照)
経験則から、HIC(≤1000)の定義される制限内の衝撃とaの最大値(gmax≤200g)に関して、3 ms以上の衝撃時間、すなわち(t2 − t1) ≥ 3 msが予想されます。衝撃時間が短いほど、腕や脚の怪我を含む危険度が高くなる傾向にあるより高いgmax値の衝撃と一致することが観察で認められてきました。そのような地表面材は、本規格に従って試験される際は除外されなければなりません。
 
各時間/加速度の曲線で、発生する最大加速度(gmax)は、更なる処理のために記録されるものとします。

試験位置の選択と定義

衝撃測定は、その地表面材の関連するすべての試験区域(以前の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(規格の適用範囲、引用規格および用語と定義)”内の試験区域の項目参照)で、衝撃減衰性が最も低い試験位置を確定するために実践可能な限り実施しなければなりません。
 
注記 インパクトエリアにおける衝撃減衰性の要件は、EN 1176シリーズ(以前の記事”遊具上の移動および落下での怪我に対する保護に関する安全要件としての自由落下高さの決定について”及び”インパクトエリア地表面での怪我・傷害に対する保護” 参照)または地表面材が要求される他の基準書(規格)での遊具上の自由落下高さ(FHF)および強制移動(慣性運動)に関して定義されています。
 
2つの試験位置の距離が250 mm以上であるものとし、試験片、組立物、または試験フレーム(骨組み)の端から250 mm以上離れてなければなりません。
 
注記 これらの距離は以前の試験からや試験片の周囲の端からの試験位置上の影響を回避するためです。
 
各試験位置の正確な場所は、地表面材の構造および/または配置に関連した試験片または素材を参照し、試験報告書に示されるものとします。〔後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(報告書)”及び”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験方法2に関する遊び場での試験位置の選択手順)”参照〕