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遊具におけるロープの保護要件について

おはようございます。今日も素敵な一日になりますことを願っております。

今回は遊具で遊び要素のために使用されるロープの保護要件について記述させて頂きます。一概にロープと言っても様々なタイプのロープが、色々な用途や使用方法で遊具には使用されています。

BSI EN-1176-1: 2017(39-40頁)によれば、

ロープ(Ropes)

一端が固定されているロープ

長さ1m~2mの吊りロープに関して、一端が固定されているロープと固定された遊具との間の距離は600mm以上とし、一端が固定されたロープとスウィング遊具との間の距離は900mm以上でなければなりません。

一端が固定されているロープは、同じ支柱間内にあるスウィングと組み合わせてはなりません(EN1176-2のスウィングの要件を参照)。

長さ2m~4mの吊りロープに関して、一端が固定されているロープと遊具の他の部分との距離は、1m以上でなければなりません。

ロープの直径は25mm以上、45mm以下であるものとします。

注記:硬いロープは、直径と構造にもよるが、ループ(輪っか)をつくるのが難しくなります、よって絞めつけによる圧迫(窒息死)のリスクは軽減されます。しかし硬いロープでもまだ良好な握りが可能です。

両端が固定されているロープ(クライミングロープ)

より大きなネット構造の一部ではなく、一般的に登るために両端が固定されているロープに関して、プローブCやプローブE(以前の記事”遊具点検用プローブについて”内の小頭用点検プローブと大頭用点検プローブの図を参照)が通過するのに十分な幅のループ(輪っか)をつくることができないようにしなくてはなりません。

注記1:この要件は、絞めつけによる圧迫(窒息死)のリスクを排除することを目的しています。ロープの直径は、以前の記事”遊具における掴まり(Grasp)・握り(Grip)に関する安全要件について”に示す握り(把持)要件を満たすものとします。

注記2:十分な粗さがあるロープは良好な握りが見込まれます。例えば、少なくとも6mmの直径の外側ストランド(子縄/撚り縄)を使用することによって実現することができます。

両端が固定されているロープを別の(遊びの)要素と組み合わせて使用する場合、挟み込み状況が生じないように注意しなければなりません(以前の記事”頭と首の挟み込み(エントラップメント)について”を参照)。

ワイヤーロープ

ワイヤーロープには応力を受けず、亜鉛メッキまたは耐食性のあるワイヤーで製作されるものとします。

フェルールはEN13411-3(”スチールワイヤーロープの端末処理: 安全フェルールとフェルールの固定”での保護要件)に適合し、ロープの端は(フェルールの)グリップの端と一致させるものとします。

ワイヤーロープグリップ(ワイヤークリップ)は、EN13411-5(”スチールワイヤーロープの端末処理: 安全Uボルトワイヤーロープグリップ”での保護要件)に従って使用しなければなりません。アクセス(入退場)可能でネジ端が8mmを超えて突出している場合、(必要)最小スペースの外側でのみ使用するか、または適切な手段で覆わなければなりません。

ターンバックルの端は閉じられており(下記図を参照)、耐腐食性の材料で製造されるものとします。そして、工具を使用して取り外しできるものとします。

フェルール、ターンバックル、ワイヤーロープグリップ(ワイヤークリップ)の例
1.フェルール(圧着端子)  2.ターンバックル
3.ワイヤーロープグリップ(ワイヤークリップ)

被覆ワイヤーロープ

被覆ワイヤーロープがクライミングロープ、クライミングネット、ぶら下がりロープなどに使用される場合は、各ストランド(撚り糸)は合成繊維または天然繊維から作られた糸を覆わなければなりません。被覆材はモノフィラメント(単一繊維)でないものとします。

注記:そのストラッド(撚り糸)内部のワイヤーは、意図的に損傷することを困難にします、これ故どのような危険も減らします。

繊維ロープ(織物タイプ)

繊維ロープは以下のどちらかでなければならない。
a)EN ISO 9554(”繊維ロープ:一般仕様書”での要件)またはEN ISO 2307(”繊維ロープ — 特定の物理的および機械的特性の測定”の要件)に適合する。または、
b)製造者は使用された材料、および安全使用荷重を示す使用証明書を提供しなければなりません。

クライミングロープ、クライミングネット、ぶら下がりロープなどの場合、ストランド(撚り糸)は柔らかさと滑りにくい被膜(例:麻または同等の材料)を備えてなければなりません。

モノフィラメントのプラスチックロープまたは同様の材料でつくられたロープは使用してはなりません。