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ケーブルウェイ(空中ケーブル)に関する追加の特定安全要件と試験方法について、(安全要件:機能・空間領域)

おはようございます。本日も素敵な一日になりますように願っております。

ケーブルウェイ(空中ケーブル)に関する追加の特定安全要件と試験方法についてシリーズで記述しております。今回はケーブルウェイの機能・空間領域の安全要件に関して説明させて頂きます。

BSI EN-1176-4:2017(6-10頁)によれば、

ケーブルウエイはEN1176の本(ケーブルウェイに関する)パート内(EN-1176-4)で、別段の定めがない限り、EN 1176-1に適合するものとします。

速度

後日の記事”ケーブルウェイ(空中ケーブル)に関する追加の特定安全要件と試験方法について、〔停止性能の測定方法、トラベラー(移動滑車)の最高速度についての測定方法、EN1176-4の規格枠からの国別のA-偏差(逸脱)〕”内の”トラベラー(移動滑車)の最高速度についての測定方法”の項目に従って試験される際に、トラベラー(移動滑車)の最高速度は7 m / sを超えてはなりません。

自由落下高さ

全ての空中ケーブルの自由落下高さは、シートまたはハンドグリップがケーブルの下に垂直に吊るされ、無荷重で計測されるものとします。着座姿勢で、自由落下高さH₂ は、2000 mmを超えてはなりません。
ぶら下がり姿勢で、利用者がケーブル(図2 参照)にアクセス(接触)できないようにする必要があるので、自由落下高さはグリップから1500 mm差し引いて下方の地表面までが測定されます。 ぶら下がり姿勢での自由落下高さH2 は、1500 mm を超えてはなりません。(次の図 参照)

ケーブルのたわみは気温に左右されます、これ故ケーブルと地表面、グリップと地表面、シートと地表面の距離も気温に左右されます。 規定されている最小および最大寸法には、参考温度15℃を適用しています。

図  ―  ケーブルの長さ、地表面とのクリアランス、自由落下高さの測定(法)    
凡例:   C₁ シートからのケーブルとの距離 H₁ 地表面とのクリアランス(隙間/空間) 
C₂  グリップからのケーブルとの距離 H₂ 自由落下高さ

地表面とのクリアランス(隙間/空間)

地表面とのクリアランスとは、シート(座部)の下面、またはグリップの最下点と下方の地表面との距離になります。(次の表参照) 

 表 - 地面とのクリアランス
図  ―  ぶら下がり型空中ケーブルの地表面とのクリアランスの測定(法)    
凡例:   1 スタート地点  2 滑走地点  H₁ 地表面とのクリアランス(隙間/空間)

空中ケーブルの種類 地表面とのクリアランス

着座型 最小350 mm - 69,5 kgの荷重を掛けて測定
ぶら下がり型 - 堅くて曲がらない素材のものを除く "スタート地点で最小1 500 mm - 荷重を掛けずに測定
滑走区間で2 000 mm以上 - 69,5 kgの荷重を加えた状態で測定"
ぶら下がり型 - 堅くて曲がらない素材のもの スタート地点と滑走位置で最小2 000 mm - 69,5 kgの荷重を掛けて測定
注記 トラベラー(移動滑車)、吊り下げ要素、グリップが全て一体で堅く固定されているぶら下がり型空中ケーブルの場合、更に広い地表面とのクリアランスが頭の怪我の危険性を減らすために必要になります。

ケーブルの長さ

ケーブルの長さ、地表面とのクリアランス、自由落下高さの測定(法)”の上記図で示されている様に測定される際、シート(座部)からの吊り下げケーブルの長さ(C₁)は、最小2100 mm でなければなりません。ただし、トラベラー(移動滑車)の可動部分が密閉されて、利用者によってアクセス(触ることが)できず、指の挟み込み(エントラップメント)の可能性がない場合は、それは最小1 800 mmまで下げられることができます。
ケーブルの長さ、地表面とのクリアランス、自由落下高さの測定(法)”の上記図で示されている様に測定される際、グリップからの吊り下げケーブルの長さ(C₂)は、最小300 mmでなければなりません。

落下空間とインパクトエリア


落下空間およびインパクトエリアは、怪我を引き起こす可能性のある障害物がないものとし、図4および図5で示されている様でなければなりません。EN 1176-1で示されている要件に加えて、落下空間およびインパクトエリアは、ケーブルの中心から測定され、各側面に少なくとも2 000 mmの距離を提供されなければならない上、グリップやシート(座部)のぶらぶら揺れ動く位置の端部(最大45°圧縮されて平らな終点停止位置)を超えて、少なくとも2 000 mmの距離を提供されなければなりません。インパクトエリアは、移動の終点から左右対称に幅を最小全幅2 000 mmへ(図4 参照)狭めることができます。インパクトエリアは、少なくとも自由落下高さ1 000 mmに相当する適正水準の衝撃減衰性がなければなりません。 1 000 mmを超える落下高さについて、(高さに)比例してインパクトエリアの減衰特性を増やさなければなりません。

注記 落下空間の例が下記図”空中ケーブルのフリースペースと落下空間の例”に挙げられています。

アクセス(出入り)ランプが付いているスタートプラットフォーム(高床)が木材や金属を含む凹む素材から構成される場合、落下高さ1 000㎜までの衝撃減衰表面無しで提供させることができます。

図  ―  トラベラーが停止位置に対して停止する際のインパクトエリア    
凡例:       1  移動の週点           2  移動エリア(領域)  
3 シート(座部)またはグリップの最大ぶらぶら揺れ動く位置  4 インパクトエリア
図  ―  ケーブルの向きに沿って眺められるフリースペースとインパクトエリア   
凡例:1 吊り下げ要素の中心線  2 フリースペース  3 インパクトエリアの幅
図  ―  空中ケーブルのフリースペースと落下空間の例   
凡例:1 フリースペース  2 落下空間  3 移動の終点