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衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法〔試験方法1-臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)〕

おはようございます。本日も素敵な一日になりますように願っております。

遊び場の衝撃減衰(吸収)地表面材に関してシリーズで記述をさせて頂いております。今回は試験方法1-臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)について明記させて頂ければと存じます。

BS EN 1177:2018(15-18頁)によれば、

試験方法1-臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)

衝撃測定は、実験室(下記の実験室での試験に関する細目参照)および現場(下記の現場で行われる試験に関する細目参照)での試験のために定義されている順序にて選択された試験位置ごとに落下試験を実行することで前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”の試験手順に従い、実施されなければなりません。

各落下試験は15分以内に完了するものとします。各落下試験のHIC及びgmaxの値は記録されるものとします。

実験室での試験

試験は23°C±5°Cの温度で行われるものとします。
 
試験は試験中の変形が試験結果に著しく影響しないように平らで硬質なコンクリート、または十分な質量、密度、厚さの同等な基材で実施されるものとします。
 
平らで硬質な基材以外の基材は、試験する素材の衝撃減衰性に寄与する可能性があり、明確に定義され制限でのみ試験報告に適用できます。
 
臨界(危険)落下高さを確定するデータの選択
 
各衝撃のHICおよびgmax(前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の衝撃測定の原則に関する項目の結果の算出の細目参照)の結果は記入されなければならない上、各試験区域の各試験位置に関して、相当する落下試験高さのHICおよびgmaxの曲線がもたらされるものとします。
 
臨界(危険)落下高さ(CFH)を確定するために、これらの目標値を下回るHICとgmaxの少なくとも2つの値と上回るHICとgmaxの少なくとも2つの値をもつ衝撃測定を使用して1000のHICに相当する落下高さと200g のgmaxに相当する落下高さを得るための曲線を書き入れて(補間/加筆して)下さい。
 
臨界(危険)落下高さは、これら2つの落下試験高さのより低い方になります。
 
可能ないつ何時の場合でも、以下の制約に従うことを条件として、その落下高さは次の表に示されたHIC値を得られるように選択する必要があります:

表-HIC値

注記 正しい曲線の例は後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(衝撃減衰性を測定する試験装置、時間に対する加速度と落下高さに対する HICとgmaxの値の曲線の記録(データ)表示の典型的例およびHICの算出に使用されるコンピューターアルゴリズムの検証)”内の図-落下高さに対するHICとgmax値の為のゴム製タイルの試験での典型的曲線の例に図示されています。(HICおよびgmax)

最大試験高さで、1000未満のHIC値と200g未満のgmaxを示す素材に関して、臨界(危険)落下高さはM(Mは測定された最大落下高さ)超(>M)として示されるものとします。
 
注記 EN1176-1に準ずる遊具上の最大自由落下高さ(FHF)は3 mです。(以前の記事”遊具上の移動および落下での怪我に対する保護に関する安全要件としての自由落下高さの決定について”を参照)

特定の種類の製品の手順

タイル、スラブ、またはその他の組み立て式地表面材製品の試験
 
遊び場の設置に使用されるすべての接続および現場固定要素を含む製造者の指示書に従って、1 m×1 mの最小合計寸法をもつ少なくとも4つの試験片が設置されなければなりません。
 
試験片上の異なる試験位置でのそれぞれの落下試験を、各回少なくとも4回落下高さを上げてから、少なくとも9回の落下試験が実施されそして報告されなければなりません。(前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の試験位置の選択と定義に関する項目参照)
 
以下の試験位置での落下試験を実施します:

a)タイルの中央
b)2つの隣接するタイル間の接合部の中心  
c)最も多くのタイルが接する接合点
d)組立品上のどこででも臨界(危険)落下高さに関する最低値を得るための、その他の不均質または不連続な地点
e)タイルがその摩耗している地表面を均等に支えていない成形型の構造である場合、その地表面が最大と最小で支えられている2つの試験位置を試験して下さい
 
現場で製造されるのを目的とした地表面材の試験
 
継ぎ目や接続部分がない以下のどちらかが準備されるものとします:

a)製造者の指示書に従って準備された、1m×1mの最小合計寸法を持つ1つの試験片          
b)製造者の指示書に従って準備された、各々500mm×500mm以上の少なくとも9つの試験片

上記のタイル、スラブ、またはその他の組み立て式地表面材製品の試験の細々目で要求される試験位置に適用可能な場合、試験片上の異なる試験位置でのそれぞれの落下試験を、各回少なくとも4回落下高さを上げてから、少なくとも9回の落下試験が実施され、そして報告されなければなりません。(前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の試験位置の選択と定義に関する項目参照)
 
複数の構成要素から構成される製品の試験
 
1 m×1 mの最小合計寸法を持つ下部(地)層がある地表面材の全体的機構は、試験の再現性を可能にする混成製品として試験、報告されるものとします。
 
試験片上の異なる試験位置でのそれぞれの落下試験を、各回少なくとも4回落下高さを上げてから、少なくとも9回の落下試験が実施されそして報告されなければなりません。(前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の試験位置の選択と定義に関する項目参照)

天然素材と組み合わせて設置されるために設計された製品の試験
 
性能に影響を与えることを意図された天然素材と組み合わせて設置される製品(例:芝草または砂とのゴム製マット)は、実験室で有意義に試験させることができず、後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(報告書)”内の試験方法1にて実験室で行われる試験または試験方法1に従って現場で実行される試験の項目に準じる試験報告書の対象になりえません。そのような製品の臨界(危険)落下高さは、熟慮され、十分に確立された設置での現場試験によってのみ個別に決定させることが可能であり、経年や気候条件で変化することもありえます。
 
緩い粒子素材と自然地表面の試験
 
1m×1m以上の内部寸法の基礎のない試験フレーム(枠組み)が使用されるものとします。       

注記 上記の寸法は粒子素材を押し込めたどんな影響も回避するのに十分です。

緩い粒子状素材は平らな堅い基(礎素)材の上で試験フレーム(枠組み)の中に入れられ、サプライヤーが規定する深さに均等にフレーム(枠組み)内に散布させるものとします。
 
附属書Eに挙げられている方法に従ってその素材を圧縮します。
 
砂または砂利を試験する際は、EN 933-1に従ってふるい試験を実施して粒子サイズの分布(粒度分布)を測定し、「均一係数」の結果を記録します。(以前の記事”インパクトエリア地表面での怪我・傷害に対する保護”内の表-一般的に使用される衝撃減衰(吸収)材の例、深さ、および対応する最大落下高さおよび”遊具を設置する地表面に使用される衝撃減衰性のある緩い粒子状素材:Loose Particulate Material(例;砂や砂利等)のふるい試験について、”参照)
 
その素材(例えば砂)の衝撃減衰性が水分の影響を受ける可能性があると疑われる場合は、試験時の水分の含有量を測定され、使用した試験方法とともに報告されるものとします。
 
注記 一部の緩い粒子状素材の衝撃減衰性は、その水分の含有量によってかなり影響する可能性があります。
 
各々選ばれた試験位置での落下試験は、決定された落下高さから1回衝撃測定によって実施されて報告されるものとします。附属書Eに準ずる試験フレーム(枠組み)に圧縮の後、以前に試験されていない位置に少なくとも4回の落下高さをそれぞれ高くして頭型(インパクター)を落とします。(前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の試験位置の選択と定義に関する項目の2つの試験位置の距離についての細目参照)
 
同じ製品に複数の深さが規定されている場合、そのフレーム(枠組み)はそれぞれの深さに、個別に補充されるものとします。既に試験された素材はフレーム(枠組み)から取り除かれ、新たな深さで再利用させることができます。

現場で行われる試験

試験は、地表面の温度が5°Cから55°Cの間の際にのみ実行されるものとします。気温と同様に試験を通じて存在する関係のある全ての気候条件(例えば湿度、湿気(水分))が測定され、記録されるものとします。
 
水で濡れた地表面で試験が実施されないものとします。
 
水平に対して傾斜角度10°を超える傾きがある場合、その試験区域で試験は実施されないものとします。
 
注記 誘導される機構は傾斜のある地表面では無効な結果を示す上に、自由落下する頭型(インパクター)は過度な回転力を受ける可能性があります。
 
基(礎素)材や/又は地表面材の異なる種類や/又は層の厚さがインパクトエリア内に存在する事が分かっている場合、それらのバリエーションごとにそれぞれ別の試験区域と見なされ、別々に試験されなければなりません。
 
現場で製作された地表面材については、落下試験は特定された各試験区域で実施されなければなりません。

素材が各試験位置に同じ層の深さで存在していることを確認して圧縮せず以前に試験されていない位置に少なくとも4回落下高さをそれぞれ高くしながら頭型(インパクター)を落として、その結果を報告します。
 
注記 現場で砂または砂利を試験する際、粒子サイズの分布(粒度分布)を測定する必要はありません。

現場で試験する際、最悪の事象の状況が含まれることは確実であるため、様々な試験位置が選択されるものとします。(例えば遊具のアクセス(入場口)/出口周辺)(前回の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の試験位置の選択と定義に関する項目の衝撃測定についての細目参照)
 
現場で実施された試験の報告書には、以下の文言が前置きされなければなりません。
 
≪一部の製品の性能は一般的な条件によって大きく影響を受ける可能性があるため、この報告書の結果を、他の条件下または別の場所で同じ製品の性能を示すために使用することはできません。≫