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衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(規格の適用範囲、引用規格および用語と定義)

おはようございます。本日も素敵な一日になりますように願っております。

前回から遊び場の衝撃減衰(吸収)地表面材に関する記述をさせて頂いております。今回は規格の適用範囲、引用規格及び用語と定義を説明させて頂ければと存じます。

BS EN 1177:2018(8-9頁)によれば、

適用範囲

本欧州規格EN 1177では、衝撃の間に体験する加速度を測定することで地表面材の衝撃減衰性を測定するための試験装置/器具/用具や衝撃試験方法を規定しています。本規格書に準拠した試験装置/器具/用具は、記述されているどちらかの試験方法で実験室または現場にて実施される試験に適用可能です。
 
注記 本規格書に記述されている試験方法は、遊具以外の規格で要求されるインパクトエリアにも適用できます。
例:屋外フィットネス機器やパルクール設備など。

引用規格

以下の文献が全てまたは一部において本規格書内で規格的に引用され、本書への適用に不可欠です。日付付きの参考文献については、その引用された版のみが適用されています。日付の無い参考文献については、引用規格の最新版(改訂を含む)が適用されています。
 
EN 933-1, 集合体の幾何学的特性の試験 ― パート1:粒子サイズ分類の決定 ― ふるい分け方法

EN 1176-1:2017, 遊具と地表面材 ― パート1:一般的な安全要件と試験方法

EN ISO / IEC 17025, 試験能力および実験室の校正に関する一般要件(ISO / IEC 17025)

用語と定義

本欧州規格EN 1177及び、EN 1176-1で挙げられている用語と定義の用途の為に以下が適用されています。 

衝撃減衰性 (impact attenuation)

衝突する物体によって体験される加速度が軽減する様に局所的な変形または変位により、衝撃の運動エネルギーを消散させる地表面の特性

衝撃減衰地表面材 (impact attenuating surfacing) IAS

それの上への落下時に怪我のリスクを軽減することを目的とした地表面材
注記 利用者がそれの上に落下した際に衝撃を減衰させる固有の能力を備えた素材又は製品

臨界(危険)落下高さ (critical fall height) CFH

後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法〔試験方法1 ― 臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)〕”に記述されているとおりの試験方法1によって測定された適正レベルの衝撃減衰性を提供する地表面のための最大自由落下高さ(FHF)

頭部傷害基準 (head injury criterion) HIC

後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”で記述されているとおりに測定された衝撃から生じる可能性のある頭部傷害の重症度の測定値

ピーク加速度 (peak acceleration) gmax

衝撃の間に頭型(インパクター)によって体験された最大加速度 a のことでg(重力)の単位で表します

衝撃測定(impact measurement)

地表面の一つの試験位置上のある落下高さから落下する頭型(インパクター)の加速度 a(g単位)の記録から算出されるHIC値とgmax(後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の衝撃測定の原則に関する項目を参照)

試験位置 (test position)

頭型(インパクター)の中心から垂直下方に位置する、試験が実施される地表面上の場所

落下高さ (drop height)

地表面の試験位置と投下する前の自由落下する頭型(インパクター)の最下点の間の測定される自由落下高さ、又は誘導される頭型(インパクター)の場合は、衝突する直前の頭型(インパクター)の速度の測定から算出される自由落下高さ

落下試験 (drop test)

インパクトエリアの一つの試験位置で、衝撃の測定を行う為の手順
 
注記 落下試験の落下回数や落下高さは、特定の種類の製品(後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法〔試験方法1 ― 臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)〕”内の実験室での試験についての特定の種類の製品の手順に関する細々目を参照)のための試験方法1において、地表面素材のあらゆる素材の種類(後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法〔試験方法1 ― 臨界(危険)落下高さ(CFH)の測定(法)〕”内の現場で行われる試験に関する細目の中の細々目を参照)のための試験方法2において、別々に規定されています。

緩い粒子状素材 (loose particulate material)

別々の結合していない物質の破片から成る素材

注記 砂、砂利、樹皮、および木材チップは遊離粒子状素材の例です。

インパクトエリア(impact area)

落下空間を通過し落下した後に利用者がぶつかる可能性のある領域

試験区域 (test zone)

衝撃減衰性の検証を目的としたインパクトエリアの細分化。検証されるべき全ての試験区域は、その遊具のインパクトエリアを構成しています。(後日記載の記事”衝撃減衰遊び場地表面材ー衝撃減衰性を測定するための試験方法(試験手順)”内の試験位置の選択と定義に関する項目参照)