見出し画像

カルーセル(回転系遊具)に関する追加の特定安全要件と試験方法について、(安全要件)

おはようございます。本日も素敵な一日になりますように願っております。

カルーセル(回転系遊具)に関する追加の特定安全要件と試験方法についてシリーズで記述しております。今回は安全要件に関して説明させて頂きます。

BSI EN-1176-5:2019(9-12頁)によれば、

カルーセル(回転系遊具)はEN1176の本〔カルーセル(回転系遊具)に関する〕パート内(EN-1176-5)で、別段の定めがない限り、EN 1176-1に適合するものとします。

安全要件

本〔カルーセル(回転系遊具)に関する〕パート(EN-1176-5)の中で定義済みタイプのいずれにもはっきりと定義されないカルーセル(回転系遊具)は、リスクアセスメントに基づいて評価し、一般的な要件とともに各タイプの適用可能な要件を使用する必要があります。リスクアセスメントはその新しい設計に最も類似するカルーセル(回転系遊具)のタイプとの比較に基づく必要があります。

注記 遠心力から発生する速度が衝撃に影響を及ぼす方法であるために、幾つかのタイプのカルーセル(回転系遊具)は減衰性やインパクトエリアの範囲要件が増えてきました。

自由落下高さ、利用者(利用)場所(ユーザーステーション)の高さ及びインパクトエリア

各タイプのカルーセル(回転系遊具)について利用者(利用)場所(ユーザーステーション)の最大高さは下記表に示されている寸法を超えないものとします。

カルーセル(回転系遊具)の周囲のインパクトエリアは、常に少なくとも600 mmの自由落下高さであるが、少なくとも自由落下高さと同等の適正水準の衝撃減衰性(下記表参照)でなければなりません。

各タイプのカルーセル(回転系遊具)のインパクトエリアの範囲は下記表に示されています。

表ーカルーセル(回転系遊具)の自由落下高さ、利用者の占位位置の高さ及びインパクトエリア
                                 単位:ミリメートル

フリースペース (自由空間)/ 落下空間

フリースペースの要件のあるカルーセル(回転系遊具)は上記表で確定されています。

フリースペースの水平方向の範囲(上記表参照)は、インパクトエリアの範囲と同等でなければならない。フリースペースの高さは以前の記事”遊具上の移動および落下での怪我に対する保護に関する安全要件としてのフリースペースの決定について”内のフリースペースの細目に示されている様でなければなりません。

注記 これはカルーセル(回転系遊具)により生じる遠心力によって、利用者が制御できない動きのままでカルーセル(回転系遊具)を離れることにしばしばつながるという事実によって実証されています。

図ーカルーセル(回転系遊具)のフリースペース、自由落下空間、地表面とのクリアランスの例
凡例:1 遊具 2 フリースペース d 遊具の直径 H₁ フリースペースの高さ
H₂ 地表面とのクリアランス l フリースペース/落下空間の水平範囲

他の遊具の近くにカルーセル(回転系遊具)が配置される際、タイプA、B、C、Eのカルーセル(回転系遊具)のインパクトエリアと他の遊具のインパクトエリアは重複しないものとします。

エントラップメント

遠心力により、地表面とのクリアランスの距離を除くカルーセル(回転系遊具)の回転構造物の中のすべての開口部(開口部の高さに関係なく)にエントラップメントの要件が適用されます。

EN 1176-1:2017に記載されている以下の要件が適用されます。

- 以前の記事”頭と首の挟み込み(エントラップメント)について”内の 頭と首のエントラップメントに関する要件

- 以前の記事”衣類/髪の挟み込み(エントラップメント)について”内の 衣類 / 髪のエントラップメントに関する要件

- 以前の記事”足または脚の挟み込み(エントラップメント)について”内の 足と脚のエントラップメントに関する

- 以前の記事”指の挟み込み(エントラップメント)について”内の 指のエントラップメントに関する要件

利用者が固定された支柱の周りを回転するか、又は支柱が利用者に対して独立して回転する状況では、
以下の方法で髪のエントラップメントの危険性を最小限に抑えなければなりません。

- 固定された支柱の直径が75 mm以上(≥ 75 mm)でなければなりません。

- 接合部の隙間は密閉または遮蔽されていなければなりません。

利用者(利用)場所( ユーザーステーション)

利用者(利用)場所が握り(ハンドグリップ)を含むように設計されている場合、利用者(利用)場所は以前の記”遊具における掴まり(Grasp)・握り(Grip)に関する安全要件について”内の握り(把持)要件の項目に適合するものとします。

後日記述の記事”ロッキング(揺動系)遊具に関する追加の特定安全要件と試験方法について、(手の支えと/又は足置きの突起部の測定)”に従って試験される場合、1800 mm未満の高さのフリースペース内にカルーセル(回転系遊具)の利用者(利用)場所の先端/前縁内の突出が試験リングゲージの外面へ突き出ないものとします。

注記 試験に不合格の場合、典型的に先端/前縁は前方に可動する部分で、目に損傷を引き起こす可能性が最も高くなります。

傾斜要件ははっきりと定義されているそれらのタイプにのみ適用されます。

荷重能力と安定性

カルーセル(回転系遊具)の利用者の数は、以前の記事”遊具における短期(変動)荷重の特定の荷重について、”内のカルーセル回転遊具の項目に従って確認された又は算出された利用者(利用)場所の最大数でなければなりません。

以下の荷重事例が適用されるものとします。

a)荷重Ftotはカルーセル(回転系遊具)全体にわたり均等に分散される場合

b)荷重Ftot(1/2 Lprまたは1/2 Apr)がカルーセル(回転系遊具)の片方半分にわたり均等に分散される場合