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『稲盛和夫一日一言』 1月16日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1月16日(火)は、「自燃性の人」です。

ポイント:物事を成そうとするならば、自ら燃える人間にならなければならない。

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)「自燃性の人になる」の項で、自ら燃えることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 物質には、「可燃性」「不燃性」「自燃性」のものがあります。
 同様に人間のタイプにも、火を近づけると燃え上がる「可燃性」の人、火を近づけても燃えない「不燃性」の人、自分からカッカと燃え上がる「自燃性」の人がいます。
 何かを成し遂げようとするには、「自ら燃える人」でなければなりません。自ら燃えるためには、自分のしていることを好きになると同時に、明確な目標を持つことが必要です。

 私のような経営者であれば、自分の会社をこうしよう、ああしようと常に考えています。仕事に就いたばかりの若い人も、自分の将来に夢を抱き、こうなりたい、ああなりたいと考えていることでしょう。
 しかし中には、ニヒルと言うか、醒めきった顔をして、まったく燃え上がってくれない若者がいます。周囲がいくらカッカと熱くなっていても、燃え上がらないどころか、相手の熱まで奪ってしまいような「氷のような人間」がたまにはいるものです。こういう人間は困りものです。

 企業の場合でも、スポーツチームの場合でも、そのような燃えてくれない人が一人でもいると、全体が沈滞した雰囲気になってしまいます。だから、私はよくこんなことを思ったものです。
 「『不燃性』の人は会社にいてもらわなくても結構だ。私が近づかなくても勝手に燃えてくれる『自燃性』の人であってほしい。少なくとも燃えている私が近づけば、一緒になって燃えてくれる『可燃性』の人でなくてはならない」

 「自燃性」の人とは、「人から言われたから仕事をする」「命令されたから仕事をする」といったような人ではありません。「言われる前に自分からやる」という、積極的な人こそが、「自燃性」の人であり、それは仕事を好きになった人であるはずです。

 持てるエネルギーを限りなくかき立て、仕事に邁進するためにも、仕事を好きになり、自燃性の人となることが必要なのです。(要約)

 「自ら燃える」というフィロソフィ項目があります。

 私も京セラに入社してすぐに「自燃性」「可燃性」「不燃性」という言葉を知りました。しばらくすると、職場のまわりだけ見ても、こっちも燃えている、あっちでも燃えているという状況の中に自分がいることに気づきました。

 名誉会長は、「燃えてくれる人間が何人いるかで、その会社の良し悪しは決まる。だから、いかに多くの『自ら燃える人』をつくれるかということが、経営を左右する鍵なのだ」と言われてきました。

 1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「自ら燃える」の項で、名誉会長は次のように説かれています。

 何か価値のあることをやり遂げるためには、自燃性の、自分から進んで事をなす人間でなければなりません。なぜなら、熱意と情熱こそが、ものごとを成就させるためになくてはならない基本要因だからです。

 事業を行なう上で本当に必要な人は、自燃性の人、つまり、自らのエネルギーで燃え上がることのできる人です。そういう人は、自分も燃え、周囲の人たちにも自分のエネルギーを与えることができるのです。
 自らの情熱の炎で、他の人を包み込まなければなりません。
(要約)

 「仕事を好きになる」というフィロソフィ項目にも通じるのですが、仕事で失敗が続いてしまうと、誰もが意気消沈してしまいます。そんなとき、いくら自ら情熱をかき立てようとしても、なかなかうまくいきません。自分のやっている仕事が好きでなければ、再びチャレンジしようという気力さえ湧き上がってこないでしょう。

 そうしたときは、「自分は今やっている仕事が好きだ。この仕事は自分に向いている」と自分自身に信じ込ませることです。そうすれば、気力が湧いてきて心身ともに活性化してきます。その結果、次第にうまくいくことが増えてきますので、ほどなく自分の仕事に「情熱」を燃やすことができるようになります。そこまでいけば、成功は保証されたも同然です。

 「自らの情熱の炎で、周囲の人をも包み込む」
 そんな熱気溢れる人生を歩んでいきたいと思いませんか?


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