『稲盛和夫一日一言』12/5(月)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/5(月)は、「経営12ヵ条 ⑤」です。
ポイント:経営12ヵ条は、「思いというものが自分自身の人生を決める。その思いが真我や理性・良心から出てくる強いものであれば、それは必ず結果として表れる」ということを前提としている。
2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)に、2012年盛和塾西日本忘年塾長例会における「経営12ヵ条」第一条~第四条の紐解き講話が収録されています。その冒頭に、稲盛塾長は「経営12ヵ条」を学ぶ意義について次のように述べられています。
私が「経営12ヵ」を考えましたのは、世の複雑に見える現象も、それを動かしている原理を解き明かすことができれば、実際には単純明快なものであると考えたからです。
特に経営といいますと、複雑な要素が絡み合う、とかく難しいものだと考えがちです。しかし、私は理工系の出身のせいでもあるのか、物事を本質に立ち返って考えていく習性があるようで、その習性にしたがって物事の本質に目を向けていくなら、むしろ経営はシンプルなものであり、要諦さえ会得することができれば、決して難しいものではないと思うのです。
今からお話をする「経営12ヵ条」は、「人間として何が正しいか」という最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいています。ですから、業種や企業規模の違いはもちろん、国境や文化、言語の違いまでも越えて、必ずや通じていくものと考えています。
京セラ、KDDIの発展や日本航空の再建、また盛和塾、稲盛財団の展開などにおいて、私が何か特別なことをしたわけではありません。それらはいずれもこの30年にわたり、私自身が経営において「経営12ヵ条」を実践してきた結果に過ぎないのです。ぜひその力を信じて、理解と実践に努めていただきたいと思います。(一部要約)
今日の一言では、「経営12ヵ条」のすべての条文に、思いは必ず実現するという思想が流れている、とも述べられています。
2004年発刊の『君の思いは必ず実現する 二十一世紀の子供たちへ 』(稲盛和夫著 財界研究所)の前書きに、若い人たちに向けた稲盛名誉会長の次のようなメッセージがあります。
若い人たちに、私からぜひ伝えたいことがあります。
それは、人生は明るい希望を持ち、努力を続ければ、必ず道は開かれるということです。自分の生き方に迷い、どうにもならないようなつらい気持ちになったときであるからこそ、自分のやっていることに全力を傾け、さらに努力を続ける、そのことが自分の道をつくることになるのです。
私は、人生の節目で多くの人の温情に支えられながらここまでやってきました。才能に乏しくても熱意があれば人に負けないはずだ。しかしそれ以上に大切なものがある、それは心のあり方。
人間として正しい考え方を持ち、目標に向かって一生懸命に努力すれば必ず夢は実現する。つまり、人生は心に描いたとおりになる、そう考えて私は今日まで生きてきました。(一部要約)
「思いは必ず実現する」という考え方について、「世の中で必ずなんてあり得ない」といった異論が出るのは、当然のことかと思います。
織田信長が残したとされる名言「絶対は絶対にない」という言葉は、「 絶対に大丈夫なことと、絶対に不可能なことは、絶対にない 」というふうに解釈されています。
人間として正しい考え方を持ち、目標に向かって一生懸命努力すれば、不可能なことはない、思い・夢は必ず実現するんだ、と信じて誰にも負けない努力を続けてこられた稲盛名誉会長の生き様から、改めて思うことの大切さを最認識した次第です。