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『稲盛和夫一日一言』 9月16日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 9月16日(土)は、「真っ先に行動で示す」です。

ポイント:自分が他の人にしてほしいと思うことを、自ら真っ先に行動で示すことによって、周りの人々もついてくるようになる。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の「率先垂範する」という項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 仕事をするうえで、部下や周りの人々の協力を得るためには、率先垂範でなければなりません。人が嫌がるような仕事も真っ先に取り組んでいく姿勢が必要です。

 どんなに多くの、どんなに美しい言葉を並べたてても、行動が伴わなければ人の心をとらえることはできません。自分が他の人にしてほしいと思うことを、自ら真っ先に行動で示すことによって、周りの人々もついてくるのです。

 もちろん、場面に合わせて臨機応変に行動することは必要でしょうが、やはり一番大切にすべきは、集団の先頭を切って自分が仕事をし、苦労するという勇気です。
 それは、営業であろうと製造であろうと、部門を問わず、すべてのリーダーにあてはまることです。自分は何も動かず、ただ偉そうに指示を出しているだけではなく、自ら真っ先に行動できるリーダーでなければなりません。

 率先垂範していくためには勇気と信念が必要ですが、そうしたことを常に心がけ実行することによって、自らを高めていくこともできるのです。
 上に立つ人はもちろんのこと、すべての人が率先垂範する職場風土を作りあげていかなければなりません。
(要約)

 2015年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第1巻 技術開発に賭ける』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)の中で、リーダーの条件の一つとして、名誉会長は次のように述べられています。

 集団のリーダーたるものは、公平を重んじ、公平な心を持つべきですが、公平であるばかりではなく、その集団のために自己犠牲を払う勇気を持っていなければならないと思います。
 集団のために何かを為さんとすれば、そのためのエネルギーが必要です。つまり、代償が必要なわけです。トップが自ら自己犠牲を払う勇気と精神があることが、部下をして信頼せしめ、奮い立たせるもとだと思っています。(要約)

 京セラ在籍40年の間、私自身は、まずはフットワークが軽いこと、そして人が躊躇したり嫌がったりすることでも、臆せず手をあげてやり始める、ということを意識して働いてきました。そうした姿勢や考え方は、リタイアした今でも、いい意味での習い性となって暮らしの中に反映されているように思います。

 損得だけで判断すれば、「それはこうなんじゃない、知らんけど・・・」と勝手なことばかり言って自らは動かないというのが一番の得策なのかもしれません。しかし、人知れず、みんなのためにと思って行動している人の行為は、いずれどこかで皆の知るところとなり、巡り巡ってその人を幸せに導いていってくれるはずです。
 逆に、口先ばかりの人には、次第に誰も見向きもしなくなるでしょう。

 周囲を見渡せば、人生の師となりそうな人間性を持った人もいれば、即反面教師となりそうな自分勝手な人もすぐに見つかるはずです。その人たちのなりふりを見て素直に我が身を振り返り、自らの基軸のズレを全うに修正できるだけの感受性だけは備えておきたいものです。


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