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『稲盛和夫一日一言』2/17(金)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 2/17(金)は、「創造者の責務」です。

ポイント:「もうこれ以上のものはない」と確信できるものが完成するまで努力を惜しまない。それが創造という高い山の頂上をめざす人間にとっては大事なことであり、それはもはや義務ですらある。

 1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす』(稲盛和夫著 PHP研究所)の「内なる理想を追求する」という項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 創造的な領域では、基準とするものがありません。真っ暗闇で嵐が吹きすさぶ海原を、羅針盤も持たずに航海していくようなものです。
 
 私はそのような航海の途上、悶え苦しみ、燈台の明かりを希求していました。しかし未踏の海原に燈台はなく、あるのは自分の心の中にある燈台だけでした。自らの燈台の明かりをさらに強く燃やし、周囲を照らし、自分のいる位置を定め、行き先を自ら照らし出さねばならなかったのです。

 つまり、他に基準とするものがないならば、自らの心に描く理想にどれだけ近づくかということでしか、未知の領域での航海法はないのです。
 基準とする何ものもない創造的な領域では、自分自身をコンパスにして方向を定めていくしかありません。
(要約)

 今日の一言では、「もうこれ以上のものはない、と確信できるものが完成するまで努力を惜しまないことが大事」とあります。

 京セラフィロソフィに「完全主義を貫く」という項があります。
 
  よく90%うまくいくと、「これでいいだろう」と妥協してしまう人がいます。しかしそのような人には、完璧な製品、いわゆる「手の切れる製品づくり」は到底できません。
 「間違ったら消しゴムで消せばよい」というような安易な考えが根底にある限り、本当の意味で自分も周囲も満足できる成果を得ることはできないのです。
 自分自身の努力をさらに実りあるものとするためにも、仕事では常にパーフェクトを求めなければなりません。(要約)

 このフィロソフィには、若いころからものづくりに従事されてきた名誉会長の「パーフェクトでなければならない」というモットーが反映されています。
 実際のところ、完全主義といっても、人間ですから完全なことなどできるわけがありません。しかしここでは、それでも完全主義を貫こうという意識を持って努力していくことが大切なのだと言われているのです。

 「創造する」ということが羅針盤を持たない大海原の航海なのか、はたまた高い山の頂上を目指す登山なのかは定かではありませんが、いずれにしろ、誰も通ったことのないルートに挑戦しなければならないということに違いはありません。
 そうしたとき、自らの内に理想とする姿、状態が見えていて、それを追求していく過程で、その人がすさまじいまでの修羅場に耐え切って意志を貫き通すことができれば、その挑戦は必ず成功します。なぜなら、挑戦を開始したときから、「できる」と信じ、そして「できる」までやるからです。
 その先には、きっと創造する喜びというものが満ち溢れているはずです。

 最後に、2015年発刊の『稲盛和夫経営選集 第1巻 技術開発に賭ける』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)のブックカバーのそでにある言葉を紹介します。 「できる」と信じて夢を描け


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