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『稲盛和夫一日一言』1/5(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/5(木)は、「真心」です。

ポイント:人は真心によって突き動かされたときにこそ、どんな困難にも負けることなく、最大の力を発揮して立ち向かうことができる。

 2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第5巻 リーダーのあるべき姿』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)に収録されている「西郷南洲に学ぶリーダーのあるべき姿」という講演の中で、実践することの大切さについて、稲盛塾長は次のように述べられています。

 「実践する」ということの大切さについて触れたいと思います。
 「知っている」ことと「実行できる」ことはまったく違います。なぜなら、知っていること、知識として得たものは、それが魂の叫びにまで高まっていなければ決して使えないからです。

 人間には、みんな欲望があります。欲望があるけれども、それをできるかぎり抑えて、公平無私な人でありたいと思う。
 例えば、リーダーになったのだから、自分のことを考えるよりは、まず社員のことを先に考えようと思う。それは、自分のお腹が空いていても、まずは子供たちに食べさせようとする母親と同じことです。そういうものが「無私の心」です。

 母親には、母性愛という本能がありますからそうした行動をとることができるのですが、一般の人間には、まずはそれを自分自身に教え込まなければ、いくら知識としては知っていても、いざというときには正反対のことをしてしまいます。

 理屈ではわかっていて、聞いたことはあるけれども、それだけでは実行することはできません。実行できるようになるには、知識を魂のレベルにまで落とし込み、使命として心に刻み込んでいかなければならないのです。
(要約)

 上記の文章には、「志を揺るぎないものにするために」という副題がついています。

 今日の一言では、「人間は何によって突き動かされるのか」ということについて言及され、それは金銭欲でも名誉欲でもなく、「真心」によってである、とされています。

 では、「真心」とはいったいどんなものなのでしょうか。
 辞書を引くと、真心とは「他人のために尽くそうという純粋な気持ち。偽りや飾りのない心。誠意」と記されています。
 つまり、「他に良かれかし」という「無私の心」を持って物事に対峙したとき、人間はどんな困難にも負けることなく、最大の力を発揮して立ち向かっていくことができる、ということです。

 また同じ講演の中で塾長は、南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)の五番目にある次のような言葉を同時に紹介されています。
 「幾たびか辛酸を歴(へ)て志始めて堅し」

 辛酸や試練、修羅場といったものを何度も経験し、そのたびにそれを克服していくというプロセスを経験しなければ、その人のもつ哲学や思想、また志というものは、決して堅いものとはならない、という意味です。

 平々凡々とした日常を送り、先人たちの教えをただ理屈、知識として知っているだけでは、その教えを実践に移すことはなかなかできません。いくつかの試練を経験し、それらを克服していくことで初めて、自分のものとすることができる、と考えるべきではないでしょうか。
 
 「謙虚にして驕らず、さらに努力を」
 
今年もこの言葉を自身の座右の銘として真心を失うことなく過ごしていきたいと願っています。


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