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『稲盛和夫一日一言』 6月23日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6月23日(日)は、「弱点を受け入れる」です。
ポイント:自分の弱点を否定するのではなく、それをあるがままに受け入れ、向上のステップとしていかなければならない。できるふりをするのではなく素直にできないことを認め、そこからスタートする。
1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「できないことを認める」の項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
1955年4月、大学卒業後に初めて就職したとき、私はたいへんな田舎者でした。それまで大都会に住んだことはなく、話し言葉にも強いなまりがあったため、電話が鳴るたびに、誰かほかの人が出てくれないかと祈るような気持ちになっていました。自分の鹿児島弁を知られたいばかりに、自分が他の人と比べて不利な状況に置かれていることをつくづく感じました。
しかしあるとき、劣等感にこり固まることなく、自分の欠点を素直に受け入れ、それを克服するよう努力していこうと決心しました。そうすれば、挫折感を味わうこともなくなるだろうと考えたからです。
「自分は田舎者だ」「田舎大学の出身で、世間のことは何も知らないし、常識にも欠けている。だから基本的なことから勉強して、誰よりも一生懸命働かなくては成功することなどできない」と、自分に言い聞かせたのです。
つまり、自分の弱点を否定するのではなく、それをあるがままに受け入れ、無理な背伸びをしなくなった。それが向上への新たなステップとなりました。
以来私は、人生において何度も自分にそう言い聞かせてきました。
実際にはできないことを、できるようなふりをしてはいけません。まずはできないことを認め、そこからスタートするのです。(要約)
今日の一言には、「いたずらに劣等感にさいなまれることなく、自分の欠点を素直に受け入れ、それを克服する努力をしなければならない」とあります。
同著の中の「ありのままの自分を見つめる」の項で、名誉会長は次のように説かれています。
人間は、自分で思っているほどには賢くないものではないでしょうか。
私も、客観的に自分自身の人生を振り返ってみることができる年齢になってきましたが、いざ振り返ってみると、後悔することばかりです。
「あのとき、なぜあんなことをしてしまったのだろうか」という自問自答を繰り返しています。今にして考えれば、もっと良い決断があったはずなのに、と反省することしきりです。
子どものころ、自分が早まったことをしそうになると、親は「そういうことをするとどうなるか」と必死になって忠告してくれました。しかし、その親にしても、若いころを振り返れば、後悔するようなことが多かったはずです。あるいは、自分たちが若かったときの痛い失敗があればこそ、自分の子どもたちには同じ過ちを繰り返させてはならない、そう考えて忠告してくれていたのかもしれません。
世代は交代しても、人間が起こす間違いは、やはり、絶えず繰り返されるものでしょう。
もし将来を見通すことができるならば、状況に適した正しい行動をとることができるよう、自分の人生を設計することも可能かもしれません。しかし反面、若いときに失敗や苦労を経験してきたからこそ人間として成長し、後の人生を強く生きていくことができるとも言えます。
そのためには、自分自身を客観的に見る素直さを持ち、過去の失敗から学ぼうとする謙虚な心を持って、一所懸命に努力することが必要なのです。(要約)
「ありのままの自分を見つめる」ことで、自身のストロングポイントもウィークポイントも、より客観的に認識できるようになると思います。
いくら「できる人」に見せようと頑張ってみても、周囲には「即バレ」です。そんなところにエネルギーを割くだけの時間があるのであれば、「自分はまだまだ何者にもなれていない」という現実を素直に認め、そこから改めてスタートしてみようではありませんか!