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『稲盛和夫一日一言』1/20 Review

 こんにちは!R&P企画 emuです。
 2024年8月1日より、連続投稿3年目に入りました。文末に、過去2年分のレビューを掲載しておりますので、本日分と併せてご一読ください。

 1月20日、今日の一言は『仕事を愛する』です。

 「自分の製品を抱きしめたい」ー。
 私は、製品開発にあたって、いつもそう思っていました。
 自分の仕事、自分の製品に対し、それくらいの愛情を注がなければ、いい仕事などできないのではないでしょうか。

 まだ京セラをつくる前、大学を出て就職した会社の研究室で新しいセラミックス材料の研究をしていたときの話です。粉末を成形した後、小さな実験炉に入れてそれを焼成するのですが、私の技術が未熟だったせいもあって、なかなか思い通りのものができません。それでも何回も実験を繰り返していくうちに、表面と裏面で収縮の割合が違うために焼成上がりの製品に反りが生じてしまうのだということがわかってきました。ところが推測まではできたものの、いろいろと工夫を重ねても、来る日も来る日も思い通りのものは一向にできません。
 そこであるとき、どのように製品が反っていくのか、その様子を直接観察できないものかと考えました。そこでどのくらいの温度で反りが始まり、その後どのように変化していくのか、炉の裏に穴を空けて中の様子をのぞき見ることができるように改良しました。
 すると、何回実験してみても、温度の上昇カーブに合わせて反りが始まり、まるで生き物みたいに反っていくのです。もう堪えられなくなって、炉の中に手を入れて「コラ!」と反らないように上から押さえたい衝動に駆られるようになりました。
 もちろん、本当に手を突っ込んでしまえば、千何百度という高温ですから、手は一瞬にして溶けてしまいます。なのに、本当に手を突っ込みたい衝動に駆られる。それくらいに一生懸命にならなければ、実は製品が語りかけてくる声は聞こえないのではないかという気がするのです。
 その後、ある手法を用いることでその問題は解決したのですが、やはり自分が作る製品に満腔の愛情を注ぐというか、「自分の製品を抱いて寝たい」というくらいの愛情を注がなければ、本当にいい製品はできないのではないかと思っています。

2000年 盛和塾関東地区塾長例会 講話より

 本記事を通して「京セラフィロソフィ」「稲盛経営哲学」に接することで、皆さんが少しでも毎日を活き活きと過ごされんことを願っております。


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