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『稲盛和夫一日一言』2/11(土)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 2/11(土)は、「素直な心 ①」です。
ポイント:「素直な心」とは進歩の親。素直な心があればこそ、人間は成長、進歩していくことができる。
2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、素直な心を持つことの重要さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
「素直な心を持つ」という言葉は、おとなしく「右向け右」と言われれば右を向くといった、ただただ従順であることといった意味合いにとられがちですが、そうではありません。
「素直な心」は「進歩の親」です。素直な心がなければ、人間は成長、進歩していきません。人生にとっては、それほど大事なことなのです。
この「素直な心」の大切さを説かれたのが、松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助さんでした。幸之助さんは小学校さえも満足に行かれていないのに、あのような大企業をつくりあげられました。その原動力が、まさに素直な心なのです。
松下さんは戦前、すでに素晴らしい成功を収めておられました。そこでもし傲岸不遜(ごうがんふそん)になり、「自分は偉い」と思いあがっていたとすれば、おそらくそこで終わっていたことでしょう。
しかし、齢(よわい)をいくつ重ねられても、「自分には学問がない」と言って、「耳学問であっても、他人様に教えてもらって自分を成長させていこう」という姿勢を変えようとはされず、周囲の人の意見を聞いて物事を学び、生涯を通して、発展、進歩を遂げていかれたのです。
「素直な心」とは、自分の至らなさを認め、そこから努力しようとする謙虚な姿勢であり、それこそが成功の鍵なのです。(要約)
2004年発刊のPHP文庫『素直な心になるために』(松下幸之助著 PHP研究所)にある、「素直な心の内容十カ条」について以下に紹介します。
1.私心にとらわれない
2.耳を傾ける
3.寛容
4.実相が見える ※実相:物事のありのままの姿
5.道理を知る
6.全てに学ぶ心
7.融通無碍(ゆうずうむげ)
※融通無碍:物事に対して臨機応変に取り組むことのできる心。
(考え方や行動などに何も障害がなく、のびのびと自由に
対応できること、またそのさま)
8.平常心
9.価値を知る
※良いものは良いと認識し、その価値を正しく認められる心
10.広い愛の心
松下幸之助さんは、「素直な心」について、次のように記されています。
素直な心とは、いいかえれば、とらわれない心である。自分の利害とか感情、知識や先入観などにとらわれず、物事をありのままに見ようとする心である。人間は心にとらわれがあると、物事をありのままに見ることができない。だから、とらわれた心で物事にあたったのでは判断を間違えて、行動を過つことになりやすい。
それに対して、素直な心は、そうした色やゆがみのないレンズでものを見るようなもので、白いものは白く、まっすぐなものはまっすぐに、あるがままを見ることのできる心である。だから、真実の姿、物事の実相を知ることができる。そういう心でものを見、事を行なっていけば、どういう場合でも、比較的過ちの少ない姿でやっていくことができるのである。(抜粋)
自分の周囲の全てから学び吸収しようとする心。新入社員だったころを思い起こせば、誰にでも思い当たる節があるのではないでしょうか。
いくつになっても、素直な心を失わず、「生涯これ勉強(=修行)」という姿勢を持ち続けていきたいものです。