『稲盛和夫一日一言』1/10(火)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/10(火)は、「強烈な願望を持つ」です。
ポイント:願望を成就につなげるためには、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思い続け、考え抜くこと。それが物事を成就させる原動力となる。
2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、強烈な願望を持つことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
何かを成そうとするときには、心の底からほとばしり出てくるような、強烈な願望を持つことが大切です。
一般には、経験や技術など有利な条件が揃ってから着手しようとします。しかし、人間とは「まず思う」ことが動機になります。そして、その思ったことを実行に移していく。それが物事を成し遂げていくことになるのです。
また、強烈な思いがあればこそ、実行へ移す段階で、あらゆる方法を考え、戦略、戦術を練って、すべての才覚を駆使することができるのです。
何かを達成しようとするときには、まずは強烈な願望を抱き、それを実行する段階では理知的に頭で十分考え尽くすことが大切です。(抜粋)
この文章は、「強烈な願望を抱き、理知的に考え尽くす」というタイトルで京セラフィロソフィ手帳に収録されているフィロソフィ項目のひとつです。
今日の一言には、「願望を成就につなげるためには、並みに思ったのではダメだ。生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思い続け、考え抜く。頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに思いが流れる。それほどまでにひたむきに、強く一筋に思うこと。そのことが物事を成就させる原動力となる」とあります。
『稲盛和夫一日一言』11月12日の「強く一筋に思う」の項でも紹介しましたが、昭和57年(1982年)京セラ経営方針発表会の席上で、稲盛社長(当時)は次のような経営スローガンを示されました。
「新しき計画の成就は只不屈不撓(ふくつふとう)の一心にあり
さらばひたむきに只想(おも)え 気高く強く一筋に」
このスローガンは、昭和56年(1981年)に定期入社し、総合研究所で新規セラミック材料の研究開発を担当していた私にとって、強烈なインパクトで響きました。
高い目標を定めそれを達成していくためには、一瞬のためらいもなく、わずかな妥協もしない、ひたむきに何の邪心もなく、ただ一心不乱にゴールを目指して突き進む。そういう気概がなければ、新しい計画は決して成就しないし、「思い」が「想い」にまで高まるほど強烈な願望でなければ実現はしない。
それまでの自分は、部活やサークル活動以外に「ひたむき」に頑張った経験はなく、ましてや「思い」と「想い」の違いなど考えたこともありませんでした。
40年間に及んだ京セラ勤務の中で、「目標通り成就させることができた」と胸を張って言える仕事はそう多くはありませんが、それでも振り返ってみると、寝ても覚めても四六時中頭から離れない状態で取り組んだ研究テーマや業務については、不思議と途中段階で「無理かもしれない」とか「このまま解決できないのではないか」などといった迷いや疑念といったものが浮かばなかったように記憶しています。
「強く一筋に思うこと」
そのことが物事を成就させる原動力となると信じて、あなたも自身の「思い」を「想い」にまで高めてみませんか!