『稲盛和夫一日一言』 6/8(木)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/8(木)は、「好きなればこそ」です。
ポイント:はたから見れば大変に思えることでも、本人が好きでやっていることであれば、つらくもないしそれほど疲れも感じない。
2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、研究に打ち込み始めた当時のことを振り返って、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
研究に打ち込み始めたころ、私は寮から鍋釜を研究室に持ち込み、そこで生活をしながら実験を続けていました。しかし、それはちっとも苦にはならず、むしろ楽しくてならなかったほどでした。
「惚れて通えば千里も一里」という言葉があります。好きな人に会いに行くときは、千里の道でさえもわずか一里ぐらいにしか感じられないという意味です。例えばゴルフでも、ただ18ホール歩いてみろと言われたら、恐らくすぐにへばってしまうでしょう。ゴルフが好きだからこそ、18ホールもの距離をボールを追いかけながら回れるのです。
京セラを創業してからというもの、私は朝早くから夜遅くまでずっと仕事に打ち込んできました。ご近所からは、「おたくのご主人は一体何時に帰ってこられるのですか」と呆れられたり、田舎の両親からも頻繁に手紙が届いて、「そんなに働いたのでは身体を壊してしまうのでは」と心配されるような毎日でした。
端から見れば大変に思えたのでしょうが、本人は好きでやっていることなので、辛くもないしそれほど疲れも感じていないのです。
どんなことでも、嫌々やっていると辛く感じるものですが、好きでやっていれば、ちっとも苦にはならず、むしろ楽しくさえ感じられる。想像を絶するような苦労であっても、好きでやっていれば、本人は苦労とも思わず、記憶にすら残っていないこともあります。
どんな分野であれ、成功する人というのは、自分のやっていることに無上の喜びを感じ、惚れ込んでいる人です。自分の仕事に惚れ込まなければ、素晴らしい仕事などできるわけがないのです。(要約)
学生のころ、受験勉強がしんどくて、このまま全部投げ出して見知らぬ土地にワープして自由に生きていけたらどんなに楽だろう、などと想像しながら頭をかきむしった経験をお持ちの方もあるのではないでしょうか。
勉強にしろ仕事にしろ、しんどいからと投げ出したり辞めたりしても、その先にバラ色の世界が広がっている保証はありません。
ある目標を定め、その達成に向けて努力しているとき、人は誰しも「このままでいいのだろうか」「この先どうしたらいいのだろうか」、あるいは「自分のやっている(またはやろうとしている)ことは正しいのだろうか」といったことを自問自答を繰り返してみても、答えはなかなか見つからず、結局途方に暮れてしまうことになります。
それでも対象から逃げることなくひたむきに努力し続けていると、ふと自分の背中を押してくれるものが出てきます。それをきっかけに、あなたの人生はきっと大きく変わっていくはずです。
「イヤだ」「避けたい」「逃げ出したい」「嫌いだ」という状態から脱するには、苦しい中にも生きがいを感じることができるようになるかどうかにかかっています。「好きになる」はその第一歩ではないでしょうか。